発案者、大西工業徳島営業所・特攻隊長より仙台の鉄砲玉に指令が下ったため、上官命令に逆らうことなく「our favorite route」企画第二弾であります(-^-)ゝ
クライミングを10年もやっていると、それなりに岩場を回るモンです。ただ、俺らは開拓がメインなため、思い入れがあったりする課題は往々にしてホームエリア内だったりします。
安達太良「普通の人」「西瓜」「七夕」「底無」大日「阿弥陀」「弁天」「薬師」阿武隈周辺「水面」「カリペロ」大倉「汁」「星」「愚断」等々。
選定条件が本家「岳人」に倣って
1.日本国内であること
2.誰も知らないルートではないこと
3.自分が初登したルートではないこと
なんで、仲間内で初登した課題も自分的には対象外ですね(^_^;)しかもこっちの課題は知られてないものが殆どだし。
ラインがキレイだったり岩の声が聞ける課題よりも、自分で大きな何かを感じることができた課題の方がふさわしいかなと思って………
河頭山「
ドラゴンへの道」を挙げておきます。
河頭山はB-session初の外岩コンペ会場で、毎年続いていた九州生岩コンペの第3回会場。そして私の生まれ故郷、福岡県北九州市にあります。
当の「ドラゴンへの道」のムーブは至って明快。ルーフのリップに地ジャンして、そのままマントルを返すだけ。
飛びと返し。このボルダリング特有のエッセンスが凝縮された課題は、まさに「ボルダリング」という感じを受けます。
人工壁での練習が殆ど意味を成さないこの課題、河頭山コンペのサブタイトル「人生で一番マントルを返す日」の名を体で表す課題でした。

【Bouldler=明】
コンペ当日は他でマントルを返しまくって全身の力を持って行かれたあとに取り付いたんで、地ジャンのリップを止めることすらできず、「こんな課題、物理的に可能なのか?」とわけのわからない言い訳をしたもんです。
当然、目の前でコンペ上位入賞組のリョウジなんかが数撃で抜けて行きました。
その後、実家に帰ったついでにトライを開始。リップが上手く取れずに一人で傾斜した下地を何度も転がり落ち、2日目くらいに完登。
それまでこれほど何にもない岩でのマントルを経験したことがなく、リップに張り付けてもあまりの何もなさに愕然。
笠置コンペで触った「魔界マントル」なんかも本来このタイプなんでしょうが、ドラゴンは足元がルーフ下なんで、体重移動が更に難儀です。
ルーフ下に引っ込んだ足をなかなか抜くことができず、引きつけらるホールドなんぞあるわけもなく、ルーフ上に体重を持ってくることもままなりません。
いつもやってるマントルでは歯が立たず、一人佇みながらもアレコレ模索。必要以上に手首を返し肘を立てることで何とか登れることができました。
イメージとしては、肘を立てて右手で自分の右胸を前から鷲掴みにして押すようなムーブ。この手のムーブ自体そうお目にかからなかったので、新鮮さもあり、登れた時の感動もひとしお。

【Bouldler=大きいの】
持論ですが、ボルダリングで重要なことは「リズムとタイミング」だと思っています。
肘を返す勢いとタイミングを取るため、何度もリップの上を勢いよく叩き、グルンと回す。直近の都市高速の音に負けず劣らずの掌の炸裂音を鳴らすのに、少し躍起になったりもしてました。タイミングを取るのに「音」という要素を使うのも、珍しくないですか?
(巧い人はこんなことしなくていいんでしょうけどね(^_^;))
ボルダリングは、「BOULDER=石ころ」を動名詞化した名詞です。ルートの核心を切り取ったようなのも激しく楽しいのですが、そのBoulderingという言葉には「石ころで(なんでもいいから)遊ぶ」という意味合いも含まれていると、個人的には思っています。
シンプルな課題は、
『「ボルダリング」という「フリークライミング」をしている』のではなく、
『「ボルダリング」という「石ころ遊び」をしている』感覚を呼び覚ましてくれます。
特にシビアなマントル課題は、登るたびにそれを実感できる。
シンプルだからこそ原点であり、シンプルだからこそ奥が深いことを、明確に示してくれた課題でした。
これからもこういうシンプルな石ころ遊びを追求し続けていきたいと思います。
岩登り・岩掃除・土木作業・石積み・エトセトラエトセトラ…。
【追記】
河頭山。
呑みの中で社長を紹介してもらい、和尚さんやタカピロさんにも会った場所。長老にも初めて会いました。自分の中では、大西工業の母体が形成された、大事な場所です。
地元、というのも大きいですが…。
次は妻長老様、お願いします(^0^)/