リスト化・ブロッキングを検討
インターネット上に氾濫(はんらん)する児童ポルノの流通防止を図るため、通信事業者や有識者などで構成する協議会が活動を始めている。協議会では児童ポルノが掲載されているウェブサイトのリスト化や、掲載サイトを閲覧できなくする「ブロッキング」の是非について検討。その結果、ブロッキングなどが始まれば一定の効果が期待されるが、法整備を急ぐべきとの指摘もある。
過去最高の摘発
「児童買春・ポルノ禁止法ができてかなりたつが、児童ポルノをめぐる事態はよくなっていない。むしろインターネットの普及で悪くなっている」
6月に設立された児童ポルノ流通防止協議会の構成員の一人で、財団法人インターネット協会(東京都港区)の国分明男副理事長は話す。平成20年に全国の警察が摘発した児童ポルノ製造・提供事件は676件で過去最高。12年の170件から4倍近くにも増加した。
協会が運営する「インターネット・ホットラインセンター」では、ネット上の違法、有害情報について通報を受け付ける。通報で児童ポルノが掲載されたウェブサイトがあった場合、管理者へ削除を要請しているが、一部には応じない管理者もいるのが現状という。また、いったん画像がネットに流通してしまうとコピーされ、流通が続く恐れがある。
こうした現状を打破するために設立されたのが児童ポルノ流通防止協議会だ。ネット接続事業者や検索エンジンを運営する会社、弁護士らで構成され、児童ポルノを掲載しているウェブサイトのリスト化とブロッキングの2点について検討する。
リストに関してはどのような基準でリストに掲載するかや、どんな組織でリストを作成、更新していくかなどについて議論。児童ポルノを掲載するウェブサイトへのアクセスをできなくするブロッキングについては、憲法の「表現の自由」との関係もあるため、法的な課題などについて検討する。年内いっぱい話し合いを進め、是非などについて提言をまとめる予定だ。
人への規制も必要?
通信事業者も加わった児童ポルノ撲滅に向けた動きについて、協議会の構成員の一人で、児童ポルノ問題に取り組む後藤啓二弁護士は「ブロッキングが実現すれば、削除をしなくても児童ポルノを見られなくすることができる。かなりの効果が期待できるのではないか」と評価する。
一方で、「これで100%ではない」と後藤弁護士。児童ポルノを掲載するウェブサイトを規制できてもダウンロードされるなどして、個人が趣味で児童ポルノを保有する単純所持が法律で禁じられていないからだ。後藤弁護士は「法律で単純所持を禁止しないと愛好者の需要は減らない。すでに持っている人間に対しても規制をかけることが必要ではないか」と語気を強める。

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