◆大分 看護師殺害 遺棄容疑で逮捕状◆
大分 看護師殺害 遺棄容疑で逮捕状
2011年08月31日 朝日新聞参照
別府市の明礬(みょう・ばん)温泉近くの山中で、神戸市の看護師横手宏美さん(当時28)の遺体が見つかってからほぼ1年。県警は延べ4万人の捜査員を投入し、情報提供を呼びかけながら地道な捜査を続けてきた。30日、神奈川県内の男=傷害罪などで公判中=に死体遺棄容疑での逮捕状が出たとの情報に触れ、地元の観光関係者らはようやく安心した表情を見せた。ただ、遺族の気持ちは癒えないままだ。
被害者は昨年9月4日、別府八湯の一つ、明礬温泉から約1・5キロ山中に入った無人の露天風呂に通じる道路近くで発見された。人里離れた露天風呂は事件前まで「秘湯」として人気を呼んでいた。路上には横手さんの軽自動車が止められたままだった。
地元・明礬旅館組合の岩瀬公男組合長は「事件で明礬という名前が出るたびに明礬温泉の評判を損なうと危惧し、一日も早い解決のために捜査にも協力してきた。不安に思っていた地元住民もいたと思うだけに、ほっとした」と話した。
別府市観光協会の古庄剛専務理事は「別府の秘湯は全国のマニアに人気で、今回の事件で危険だというイメージを持たれないか心配していた。1年かかったとはいえ、解決に向けて動き出したことはうれしい。遺族には改めてお悔やみを申し上げる」と語った。
事件現場は夜ともなると人影が絶える寂しい場所。治安上の配慮もあり別府市は事件後、露天風呂に通じる市道に防犯カメラや街灯を設置。今年2月までは市道を通行止めにした。被害者が向かったと見られる露天風呂は、現在も土地の所有者が立ち入りを禁止している。
別府市の浜田博市長は「(犯人に)逮捕状が出されたという報道に接し、一日も早い事件の全面解決を願う。国内外から多くの観光客を迎える市として、今後とも不安解消に向けた防犯対策を一層進めていく」とのコメントを発表した。31日には遺体発見現場で献花する予定だという。
横手さんは車で1人で福岡や熊本、宮崎など九州各地を旅行中、事件に遭ったと見られる。
「今でも『おばあちゃん、ただいまー』って言って帰ってくるような気がする」。兵庫県洲本市の実家に住む横手さんの祖母は昨年11月、取材にこう語り、「早く犯人が捕まってほしい」と訴えていた。
30日、祖母と見られる家族の女性は取材に対し、寂しげな声で「別に、もう、何も言いようがない」とぽつりと語った。
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