もう随分と更新してません。
忙しいなりになんとか更新再開しようとしてから、早いもので既に2ヶ月がたってしまったのですね。なかなか更新できないのには理由があって、その理由についても書こう書こうと思いつつ時間だけが過ぎていきます。
こんなことじゃ、いかん。
時間は創るものだ。
どこにも出かけてないかと言うとそうでもなくて、チョコチョコと出歩いています。
既に日にちが空いてしまって今更なのですが、毎年恒例の
酉の市にも行ってきました。
今年は午前中早いうちに行かなくてはならず、人ごみはないものの寒い寒い。
神社におまいりして、いつもの熊手屋でいつもの通り値切り交渉。
早い時間なので松下の親方は居らず、お姐さん相手に世間話をしながら値切る。
いつものように値切った分はご祝儀としておいてくる。
ご祝儀をあげた方は旦那衆のようで気分が良い。
貰った方はもちろん嬉しい。
どうせ値切っても祝儀としておいてくるのだから意味はないのだが、こんなやり取りをするだけで売り手も買い手も気持ち良くなれるというものです。
『ご祝儀頂きました!』
『ありがとうございま〜す!』
大きな声で若い衆が呼びかけるとアルバイト君たちもみんな集まってきて手締め。
三本締めで商売繁盛家内安全を祈願。
その後は境内をふらついて他の熊手屋を覗き見。
面白かったのは石原都知事が毎年買い求めている熊手屋の店先。
毎年熊手を事前に頼む常連さんの分は店先に用意してある。
たいてい有名人の物を宣伝効果を期待して目立つところへ大きな名札を添えて並べる。
今年も石原都知事一族の熊手があった。
石原慎太郎は都知事。
長男と三男の石原伸晃、石原宏高は衆議院議員。
次男の石原良純はタレント。
石原良純の分が石原良純『様』なのは理解できるが、衆議院議員の息子2人も『様』。
慎太郎だけが『先生』となっている。
家長を立てるためにそうなっているのであろうが、息子だって『先生』にしてあげればいいのに。
毎年そうなっていたのか記憶にないが、見ていて面白かった。

今年の酉の市はすこぶる寒い日でした。
早朝という事もあってよけいに寒い。
寒風のなか酉の市に行くのはいいのだが、詣でた後は一杯引っ掛けないと気分が出ない。
しかしコップ酒を飲むところがない。
朝なので蕎麦屋もなにもやっていない。
昔は屋台が24時間開けていたのだが、最近は警察や保健所がうるさいらしく朝の4時ごろに一度店を閉めるのだそうだ。だから早い時間に行くと屋台ですら店を開けてない。
酒はどうでもいいから何か温かい物が欲しいと探していると、立喰い蕎麦屋を見つけた。
立喰いとは言え、店の佇まいが普通の立喰いじゃない。
キレイなんです。
掃除も行き届いている。
暖簾が薄汚れていたり、汁がこぼれて店の前の地面がべたべたしているなんてことがない。
たまたま見つけた店だが、店構えが妙に誘ってくる。
小奇麗な店だなと感心はしたが、所詮は立喰いだろうと過度の期待をせずに入る。
しかし立喰いなのにカウンター全席に丸い椅子がある。
全然立喰いじゃないのでした。
壁にかけてある品書きを見渡すと、『かけそば』270円から始まって一番高い『えびそば』でも500円しない。
ゲソそばと言うのが気になったが、頼んだのは『いか天そば』370円。
出てきた『いか天そば』を見てちょっと感心した。
無造作に七味をかけているのではなかったからです。
きちんといか天の上にだけ七味をかけてある。
これだけ安い店なら、たいがいの店の仕事は適当だ。
とにかく、ちゃちゃっと麺を温めて具と薬味をぶっこんでお終い。
客の前にドンッと丼を置いていく。
ところがこの店はそうじゃない。
七味ですら無造作に振りかけていない。
働いているおばちゃんたちがすごくキビキビしている。
店内にはお客さんが一杯なのにみんな笑顔だ。
感心しながらおばちゃん達を何の気なしに眺めていた。
1人のおばちゃんが棚の下にある大きな寸胴を動かそうとすると、別のおばちゃんがサッと手を貸す。手を貸したおばちゃんの仕事が止まるので、奥からさらに違うおばちゃんが出てきて仕事を変わっている。その連係プレイは無言で行なわれている。
みんながみんな、それぞれの役割と仕事の内容を知らないと出来ない芸当ですよ。
ただのバイトのおばちゃん達ではない。
マニュアル化しただけではこんな仕事振りにはなりません。
おばちゃん達も長いこと働いているのでしょう。
聞いてみると、この店は自家製麺なのだそうだ。
業務用を仕入れてきて、ちゃちゃっと温めただけで安く出す店ではなかった。
肝心のいか天そばはと言うと、これが結構旨いんです。
もちろん蕎麦粉100%の名人芸蕎麦とはいかない。
そんなことは当たり前です。
でも出汁の効いた甘汁はくどくもなく、自家製麺と言うこの店のそばと合っている。
天ぷらも基本的には揚げ置きなのだろうが、お客さんの回転がいいから揚げたてと言っていいくらいだ。がっつりとしたコロモでボリューム感を出して誤魔化しているような天ぷらでもない。
寒風のなかを暖かいものを探して歩いてきたせいもあるだろう。
鰹出汁の仄かに効いたツユが妙に胃に染みる。
ツユで温められたイカが甘くておいしい。
『何時から開けてるんですか?』と聞いたときに『7時からよ』と答えてくれたおばちゃんは優しい笑顔だった。
安くて旨い店などないと思ったほうがいい。
でも立喰いでもこういう店もあるんだね。
なんだか無性に美味しく感じた。
店の名は山田屋。住所は
台東区千束3−33−9。
酉の市の時でもなければ行くことはないかもしれないが、近くで腹が減ったら必ず思いだす店になると思う。
良い店に出会えた。

←ランキングに参加しています。クリックして頂けると励みになります。

0