先日、胃袋がどうにもカツカレーを欲してやまない。それほど時間もないので、久方ぶりに『
田』に入った。
席につくなりカツカレーを注文。
一時期、カツカレーばかり食べていたことがある。
方々に出かけてはカツカレーを食べた。上野、浅草、銀座、新橋、神保町、池袋。
とんかつの有名な店で、カレーを出すところを探していた。
ゴルフに行っても、昼飯はカツカレーだった。
その頃、食べるたびに不思議に思っていたこと。
何故、食べやすい大きさのカツにしないのだろう?
カレーは箸で食べない。スプーンで食べる。縦に細長く切られたとんかつは、箸で食べるのには良いがスプーンには乗りづらい。一口で入らない場合は、ポロリと落としたりする。フォークとスプーンが出てくる店があるが、食べる時にいちいち持ち替えるのは面倒だ。カツがスプーンに乗る大きさなら食べやすいのに、と思っていた。
『田』でカツカレーを頼んだのは初めて。
出てきたカツカレーを見て、思わず顔がほころんだ。
写真でわかるとおり、とんかつは横にも切ってある。
これなら、スプーンに上手く乗る。ポロリとすることなく、一口で食べられる。
何を詰まらない事に感心してんだ、と言う人もいるでしょう。でもね、こういう詰まらない事に心を向けることからサービスは始まるのだと思っています。
たまたま田のカレーには他の具材の形は残っていません。例えばニンジンやジャガイモが入っているカレーだったら、野菜の大きさを揃えた方が食べやすいし、見栄えもいい。そこにとんかつが入っても同様。
とんかつをそんなに刻んだら、肉汁が出ちゃうじゃないかって?
ロースカツ定食を頼んで、こんな切り方のカツが出てくれば駄目ですよ。でもカツカレーのとんかつは、カレーの具です。スプーンで食べるものです。メインはカレーです。だから良いの。
肝心のカレーですが、なかなかのものです。
カツカレーには、この日本式のカレーが良いですね。感心したのはスパイスの香り。一口食べるとクミン、クローブの香りが微妙に鼻に抜けていく。インドカレーのように香りが立っていることはないですが、カツカレーですからこの程度の香りが良いです。業務用のカレーや、小麦粉を炒め倒したようなカレーには、このような微妙な香りはありません。バナナではなくマンゴーかと思うのだが、果物の甘味が効いている。炒め玉葱の甘味と果物の甘味。チリペッパーと若干の黒胡椒の辛さにこの甘味が絡み付いていて、とんかつのコロモと一緒に食べるといい感じです。
このカレーはとんかつがあって初めて活きてきます。プレーンなカレーとして供されても、私は頼まないでしょう。甘味が邪魔になって飽きてしまうと思う。この少しぼやけたカレーが、とんかつと一緒になるとピタッと腰が決まる。なんて言うと言い過ぎかな。
でも、なかなかイケますよ。
残念なのは付合せ。らっきょも漬物も甘過ぎ。カレー自体に甘味を効かせてあるんだから、こんなに甘い付合せを出されたって困る。口直しにならない。これなら白菜の浅漬けなんかの方が断然いいと思う。
『田』のとんかつ自体にはそれほど執着が無い。『
よしみ』の方が旨いと思う。しかし久しぶりに伺ってみると、店は清潔だし、接客はしっかりしてる。女性1人でもとんかつを食べに気兼ねなく入れる。箸を落としたときや、お水がなくなったときなどは、すぐに持って来てくれる。ベテランらしい女性が客をよく見ていて、気を使っている。『よしみ』は旨いけど、オヤジの店って言う雰囲気だからなぁ。
横に切られたとんかつを見て嬉しくなり、カレーに感心し、付合せを食べて閉口した。横に切られたとんかつは写真で伝えるのが一番だと思ったが、デジカメを持っていなかった。なので、翌日に再訪。またまたカツカレーを食べた。2日続いても、全然飽きない。(^^)
これからはカツカレーを食べに『田』に行く回数が増えそうです。

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