「モンゴル」 ★★★★★(満点!)
ジャンル:ドラマ、2007年ドイツ=カザフスタン=ロシア=モンゴル、120分、丸の内TOEI1
監督・脚本・製作:セルゲイ・ボドロフ
(出演)
浅野忠信、スン・ホンレイ、クーラン・チュラン、アマデュ・ママダコフ
(解説)
「ベアーズ・キス」のセルゲイ・ボドロフ監督が、モンゴルを統一したチンギス・ハーンの人生を壮大なスケールで描いたエンターテインメント超大作。カザフスタン、ロシア、ドイツ、モンゴルの4か国による合作で、主演のチンギス・ハーンに抜てきされた浅野忠信は、全編モンゴル語での撮影や乗馬による合戦シーンなどに挑戦した。全世界規模での公開や第80回アカデミー賞外国語映画部門にノミネートされたことで話題を呼んでいる。(YAHOO映画欄より)
(ストーリー)
12世紀、部族間の争いが絶えないモンゴルで、小部族を率いるイェスゲイの息子テムジンは9歳にして未来の花嫁ボルテと将来を約束する。が、その矢先、他部族に父を毒殺されてしまう。後ろ盾を失い、かつての父の部下にも裏切られ逃亡生活を余儀なくされるが、少年ジャムカに救われ2人は兄弟の誓いを立てる。やがて成人したテムジン(浅野忠信)はボルテ(クーラン・チュラン)を妻に迎えるが、喜びも束の間、仇敵メルキト族に略奪されてしまう。(Goo映画欄より)
(感想)
平日の初回も午後も、ほぼ満員ということで、まずは目出度い。客層は7割が40代以上の男性。
テムジンの少年期から青年期の苦難の歩みと、妻ボルテとの愛が主題に置かれていて、合戦シーンや政治的手腕はそれほど重きを置いて描かれていない。それでも、中国の内モンゴルで撮影された美しくも厳しい自然の風景は、圧倒的な迫力がある。
繰り返される略奪と捕虜となったテムジンの姿に、また献身的な妻ボルテの姿には胸打たれる。浅野忠信が身体を張って熱演。妻ボルテ役のクーラン・チュランは演技経験の無い学生だそうだが、素人っぽい魅力がある。
後半の合戦シーンは、黒澤明監督を彷彿とさせるものがあり、迫力満点。ジャムカの大軍を目前にして、テムジン軍は決死の騎馬隊が斬り込みをかける。騎馬隊の大半が討ち死にして残兵が逃げ帰ってくるところを、テムジン軍はまさかの弓矢での攻撃。味方も敵も射殺してしまう。大事な部下まで犠牲にして射殺すとは・・・と思ったが、大軍に勝つには仕方がなかったのだろう。それに、その作戦が分かっていながら、敢えて犠牲になって斬り込んでいった騎馬隊、それほどテムジンが慕われていた、ということなのだろう。
合戦での雷雨、神(狼)との出会い、など偶然や神懸かりが多過ぎるという意見もあるが、偉大な英雄には実力と運、神懸かりも必要なのだろう。
終盤、それまで部下が10人ぐらいしかいなかったテムジンが、いきなり数万の大軍を率いて合戦に臨むのは、飛躍し過ぎ、省き過ぎな感じがする。「強い国を作るというテムジンの考えに賛同する人たちが大勢集まってきた」のナレーションで済ませてしまったのは残念。その点、反町隆史がテムジンを演じた「蒼き狼 地果て海尽きるまで」の方が、歴史ドラマとしては丁寧かも。
浅野忠信は、続編もOKとやる気を見せているという。期待したい。
