メル・ギブソン監督の最新映画、
アポカリプトを観てきました。アメリカの批評家の間でも評価が割れています。

古代マヤ文明終焉期のユカタン半島を舞台とした作品。専門の考古学者などに言わせると、アステカとか他の中南米の文化をごちゃ混ぜにしている部分も見られるらしい。だから史実・時代考証的なことは、かなり割り引いて観なくてはいけない。
しかし何といっても、酷評から星五つまで批評が割れた最大の原因は
バイオレンスである。ホラー好きな人はもっとすごいのを観てるかもしれないが、すぬにとっては間違いなく
今まで観た映画の中で最も暴力的な映画だった。
猟奇殺戮流血残酷なシーンが多いので、心臓の弱い人に鑑賞はお勧めできない。でも以下は、直接的な描写およびネタばれはしないように書きます。
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メル・ギブソンはバケーションだかチャリティだかで、近年中南米に滞在することが多かったらしい。それで現地の先住民の文化に生で触れてすっかり魅了されてしまったらしい、とはうちの夫談(ソース不明)。
セリフは全部
古代マヤ語。彼らの生活、風貌、文化、奇習などをフィルムに収めたくて始めたプロジェクトらしい。だからストーリーはあってないようなもの。
メイン・キャラクターはプロの役者だが(主役の兄ちゃんはキムタク似の男前)、その他エキストラは大勢ローカルの人々を使っている。特に子供達(絶対ローカルの子達だと思う)の演技力はすごかった。
つっこみどころも満載。こういうタイミングで・・・というご都合主義的展開もあります(何度も)。でももう重箱の隅をつつくのはやめて、とにかくスクリーンに映し出される風景に身を任せて、観てみるべき映画なのかもしれない。
自分もジャングルの中にいる、村落の中にいる、ピラミッドの上にいる、そんな疑似体験ができる映画なのである。メキシコに行ったことはない自分も、行ってきた気分(しかも時代を超えて)になってしまった。それ程にリアリティに溢れている。
メル・ギブソンはこれまでにも、人間が人間の命を奪う場面を何度もセンセーショナルに映像化してきた。それは戦闘であったり処刑であったり、そして今回は生贄である。
この世のものとは思えない、残忍で恐ろしい行為が自分の身に降りかかったとしたら?それさえも疑似体験できてしまう、そんな凄いシーンをメル・ギブソンは作り上げてしまった。
誰だって死ぬのは怖い。その計り知れない苦痛から逃れたいと思うだろう。その死への恐怖さえも超越する
一個人の意志というものが、この映画でも描かれている。
ブレイブハート 
や
パッション
で観られたものと同様に。
それが今回は、国家とか宗教といったマクロ的なものに向けられたのではなく、家族という極めてミクロでプリミティブなものに向けられている。
そういう極限的な葛藤のうちから(定)命を知るという、精神の営みを描こうとする試みは凄いと思うし、ここまでビビッドに表現できる監督はメル・ギブソン以外にはいないのではとも思う。
そしてふと気づいたのが、メル・ギブソンも
フットボール好きなのね〜と思わせる場面があったということ!ジャングルを走り抜けるシーンをはじめ、どー見てもこれはアメフトでしょう?!っていうシーンもあった。どこのチームのファンなのかね。
まあそんな感じで結構ツボなシーンもあったし、総合的に観て良かったと思う。でもやっぱり鑑賞当日の夜は、印象が強烈過ぎて夢見が悪くて、ああやっぱ観なきゃよかったと思いましたけど。
もう一度観るかって言われたら、・・・・・。でも夫は絶対にDVDを購入すると思う。