おかげさまです。
◇ヒヨコとひつぎ<マニラ>
貧しい下町を舞台にした映画の一場面。10代の青年が殺された。カメラは、泣き崩れる母親と青年の「ひつぎ」に寄る。と、ひつぎの上にヒヨコがぴよぴよ。「何ですか、これ」。監督によると、未解決殺人事件の被害者のひつぎには、よくヒヨコを乗せる。ヒヨコには邪悪なものを感知する力があり、素知らぬ顔で葬式に犯人が現れれば、ひつぎの上で騒ぎ出すのだという。逆に「感知」を恐れて葬式に来なければ、事件への関与を疑われるというわけだ。向こう三軒両隣、みんな知り合いの下町ならでは、のならわしだ(木村文/朝日新聞2008/04/19)
◇かの地では今頃からが雨期。「王宮の太鼓が鳴り、真っ黒の顔も泣き出し……隠れていた人も出てきた」と、この時期を言うそうだ(『季節の366日話題事典』)。太鼓は雷、黒いのは雨雲、出てきたのは土中の小動物だという。(天声人語2008/05/08)
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「そこで暮らす子どもたちは戦争の中で育ち、他民族との共生の知恵ではなく、相手を敵か味方かで二分する考え方を身につけてしまっている。・・・
暮らしを守るために異質な存在を排除することを当然とする空気が、一見平和な日本に充満している。・・・根が一緒だと、ザーラに伝えたかった。・・・」
*映像作家・ジャーナリスト、ザーラ・イマーエワのビデオ作品
"Not Children's Stories"「子どもの物語にあらず」
http://video.kavkazcenter.com/clips/nonchild_stories.wm
*国立民族学博物館館長 佐々木高明
(朝日新聞・私の視点2008/04/24)より要約
チベット問題 問われる「先進国の品格」
一般的に近代国家なるものが一八世紀以降に西欧で「一国・一民族・一言語」を標榜して建設されたもの、として、それが政治権力を握った主要民族が他の民族を抑圧し、優等と劣等に民族を差別するものとなつた。
わが国では近代国家建設を急ぐ明治政府が北海道で開拓植民政策を実施したが、その際先住民族であるアイヌ民族に同化政策を強行し、伝統的な社会や文化を破壊した。しかし抵抗が比較的微弱であったためか、国家レベルで民族問題の重要さに気づくことなく今日に及んだ。
国連は九〇年代に先住民について政策を次々打ち出し、昨年九月「先住民族の権利に関する国連宣言」を採択した。そこではすべての先住民が自決権をもつことが強調された。日本では九七年に「アイヌ文化振興法」が成立し、アイヌ民族を「日本列島北部の先住民」と始めて認めたが、先住民権の具体化を、法の下の平等をうたう日本国憲法と整合させ切れず、積み残した。
二〇世紀になり「知のあり方」が変はり観察者と観察される側の立場の見直しなどが行はれたことは民俗学や文化人類学では周知の事実。
そういつた視点からチベット問題について、昨年9月に国連の「先住民族の権利に関する国連宣言」を採択した日本は、この夏には北海道洞爺湖サミットでチベットなど民族問題に話題が及んだ時、サミット議長国としてどう対応するのか。これに対応できてこそ「先進国の品格」。
*龍谷大学法科大学院教授
戸塚悦朗
(私の視点/2008年3月7日朝日新聞朝刊より抜粋)
世界人権宣言六〇周年
共生の教育への転機に
入学式の季節が来る。全国各地の公立学校で、「日の丸・君が代」問題の論議が繰り返されるだろう。・・・
大阪府箕面市の
千里国際学園中等部・高等部では、新入生が、世界人権宣言の尊重を宣誓する。・・・このような入学式はまだ多くはないだろうが、学ぶに足るユニークな教育実践である。
「人権」という言葉を国際条約が初めて採用したのは、国連憲章が人権を国連の目的に含めた四五年だった。さらに四八年十二月十日、国連総会は、自由・平等、性などによる差別禁止、生命・自由・身体の安全、奴隷と拷問の禁止、教育を受ける権利など具体的内容を盛り込んだ
世界人権宣言を採択した。すべての人に人権があることが国際的に認められたのは、画期的だった。今年はその六〇周年だ。
多くの国は、人権宣言を憲法などに取り入れ、国内で活用できるようにした。ところが、四六年制定の
日本国憲法は、人権宣言より以前にできたから、宣言の国内化ができなかった。
これは教育を見てみると、よくわかる。・・・戦後憲法は、教育を受ける権利を保障する規定を設けたものの、その権利主体を、すべての人ではなく、日本国籍を持つ「国民」に限定して、外国人を差別してしまった。・・・
憲法を変えるまでもなく、〇六年の教育基本法改正のときに、この差別の解消ができたはずだが、しなかった。・・・
教育だけではない。例えば国籍によって政府に差別された人など、人権侵害の被害者が、国際人権機関に通報することを認める
国際人権(自由権)規約の選択議定書も、日本は締結していない。・・・
世界人権宣言六〇周年の今年、政府・国会の努力で、孤立から共生への政策転換をしてほしいものである。
とろうのおの 中島虎彦歌集
野ねずみに埋められて食べ忘れられ芽を出すどんぐりのような幸い
戦争しか知らずに育つ若者に蟷螂の斧はなまくらとなる
理念では立ちゆかないと知るまでに四半世紀の電動車いす
なんとまあ変り映えせぬ日暮らしに障害者週間とやらも過ぎる
そうせずにいられないからああしてるだけなんですよパラリンピック
女子高生たのみますからスカートをもう少し長くしてください
君が代を歌わないもの歌うものそれでも試合になれば強いぞ
花吹雪ひとりで死んでゆく覚悟できているからまたことのほか
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