こうして2頭のゴル飼いになったわけですが、この2頭性格が全く違う。
もうね全てにおいて正反対ですわ。
ブルースは他力の場面に弱いタイプ。
昔はそうでもなかったのに、今では雷が鳴るとビビリっ放し。
風に揺らぐブルーシートとかにも腰が引ける。
リードに繋がれてる時に他のWanから吠えられると逃げようとする。
ところがノーリードの時に耳元で吠えられようものなら敢然と取っ組み合う。
ジャズは自力の場面で弱いタイプ。
高い所から飛び降りるとか、高い所に飛び乗る時は一瞬腰が引ける。
未体験の場面に遭遇すると、自分からは行動しないでブルースに先にやらせて、それを見てから自分もやる。
リードに繋がれている時は自分から威嚇するくせに、ノーリードでしかも相手から吠えられると目を逸らす。
こんな感じで、ブルースが平気な事がジャズはダメ。
ジャズが平気な事はブルースがダメ。
ですからね、躾だとかディスクの時は各々正反対の教え方じゃないとダメなんですわ。
ブルースはシゴキまくって最後に褒めるとね、それだけで喜んじゃう単細胞だから扱いやすい。
どんなに手荒く叱ろうが、ほとぼりが冷めてから優しい言葉を掛けてやれば尻尾プリプリですから。
逆にジャズはただただ褒めまくるしかない。ミスして「何やってんの?ジャズはぁ!」なんて言おうものなら自信無くして諦めちゃう。
叱ろうものなら隅っこに逃げ込んで中々出てこない。
満面の笑みで呼んでもね「さっき怒ったでしょ?!ブッたでしょ!」って顔で人の顔をジーっと睨んでる。
この性格の違いで一番困ったのがね、ディスクのスタートダッシュです。
そもそもボーと比べて身体能力が劣るゴル、しかも投げ手のスローの技術も劣ってる。
ですからウチが目指したのは「ロスタイムを如何に無くすか」だったんです。
JDDA時代に先ず考えたのが、自称「ロケットスタート」
この時は「3・2・1・スタート」だったので、皆が「スタート」を聞いてから投げるのに対し、私は「3・2・1・ス・」で投げてました。
体でタイミングを計っていたものだから体が微妙に揺れまして、それにつられてブルースの体も揺れてた(笑)
今でもね、ブルースをスローイングラインからかなり後ろでスタンバイさせるのはこの名残です。
受け渡しはラインぎりぎりで手を伸ばして、受け取った瞬間にダッシュさせてました。
ですが、このやり方だとブルースは自分から突っ走って行くから、ダイレクトターンさせるんだけど、ジャズは投げるのを確認してから走る。
これだとディスクが早かったり、飛び過ぎた時には追いつけない。
フェイントで投げる真似をしても、手から放れないと走らない。
んでジャズ向けに考えたのがディスクで誘って股の間をターンさせる方法。
これでやっと騙されてダッシュするようになってくれました。
それでね2頭への投げ方(アプローチとタイミング)と、受け渡し時の足の開き(ブルースは縦開き、ジャズは横開き)が違うようになったわけです。
本来なら根気良く、Wanが人間に合わせるようにすれば良かったんですがね、コッチの方が手っ取り早かったもんですから。
でも極々たまに、2頭への投げ方がゴッチャになっちゃう時がありまして、
そうするとブルースは体当たりしてくるし、ジャズはピタッと止まる…。
もう性格に違いで苦労も多いです。
でもそれに比例して楽しみも多かったりする。