2007/9/30

Heckel-Meyer E/E♭管  
Vintageが続いたのと、人様の楽器が続いたので、最近の楽器で自分のものを話題にします。Heckel-MeyerのE/E♭管です。
普通E♭とD管のコンビネーションはありますが、E/E♭管のコンビネーションはなかなかないと思います。YAMAHAのピストンでありますが。
ちなみにSchilkeのG1L-4にF管スライドEベルをつけたE管との比較はこんな感じです。
クリックすると元のサイズで表示します

2001年に注文して、色々なことがあって、2005年(だっだかな?)に届きました。2004年の秋の段階でほぼ出来上がっていましたが(ドイツでパイプを選びました)、メッキをモンケに頼んだり等々あって、2005年だったか(2006年の頭だったかもしれません)にようやく手元に届きました。
普通のE♭/D管と違って、3番ロータリーをベル側に寄せてます。そうすることで、パイプが長くとれるため、音程のコントロールが抜群によくなっています。
クリックすると元のサイズで表示します

この巻方は、クルスペだったか、クノートだったかのE♭管にあった巻き方だそうです。

因みにエンダースのE♭/D管との比較だとこうなります。
クリックすると元のサイズで表示します
ご覧の通り、エンダースは1番Rotaryに直接入って1→2→3ときて3番からベルに行く途中で調整管が付くようになっています。それに対し、E/E♭管は3番Rotaryにはいって3→2→1ときて1番管からベルに出てますね。主管のない特殊管の問題点が逆転の発想で見事にクリアされています。
特殊管はどうも詰まった感じになってしまい、なかなか慣れない&鳴らせない、という人が多いと思いますが、この楽器は信じられないぐらい吹きやすくて、華やかな音がします。吹いていて気持ちイイです。フンメルのコンチェルトも原調のまま軽くいけます。吹奏感は、どちらかというとピッコロに近いかもしれません。いいことずくめなのですが、難点があります。使い道がまったくない、ということです。もちろん最初からオケでバリバリ鳴らすために注文した楽器ではないんで、完全なコレクションで構わないのですが。もともとHeckel-MeyerのC管と同じ彫刻の楽器がもう一本欲しくて、面白そうなものを、ってことで頼んだ楽器です。

マウスピースは、SchmitdのHJK1を小さめにしてもらって、バックボア少し早めに広げてもらい、シャンクも短めにしてもらった特注モデルを使用していますが、長時間吹くときついので、もうチョッと小さめが欲しいですね。

メンデルスゾーンとかE面が多いので、いつか使ってやろうと画策していますが、出番はなさそうです・・・。
0

2007/9/28

Original HeckelのC管  
アマチュアで最初に購入するRotaryはC管が多い、と書きました(かくいうワタクシもその一人でしたが)が、とても珍しいOriginal HeckelのC管の写真が手に入りましたので、アップします。これだけのコンディションで現存していること自体が奇跡なのでしょうが、今のC管と比べてどうなんでしょうか?
クリックすると元のサイズで表示します
1930年頃なのでしょうか?ベル先が少し金色に見えるのは、ニッケルメッキをはがそうと苦心したあとだと思われる、とのことです。クランツ無しで彫刻は横に入っています。1番管が手前に曲がっていなかったり、ドラムロータリーではなかったりしますが、間違いなくオリジナルのHeckelですね。希少性は高いのでしょうが、あまりオーラは感じられませんね。個人的にはB♭管の方がHeckelのオーラを感じます。
ちなみにHeckel−MeyerのC管は何度も登場してますが、こんな感じです。
クリックすると元のサイズで表示します
個人的には前回のMax.EndersのC管の方に魅力を感じますね。でも世界中探してもこれだけのコンディションのOriginalHeckelのC管はなかなか見つからないと思いますので、大変貴重な存在です。この楽器、ドイツ人の友人がアメリカから仕入れたものだそうです。アメリカ人にとっては、VintageでもHeckelの価値はそれほど高くないようで、かなりお買い得だったようですが、本人が吹けない=どんなに価値があっても意味がない=売却対象ということで売りに何度か出しましたが、結局HeckelのAuthorityのところへ落ち着くことになりました。楽器もそちらの方が何倍か幸せかわかりません。
最後にこの超貴重なOriginalHeckelのC管2本並んだ写真を。
クリックすると元のサイズで表示します
(クランツ付きは近々別オーナーになるようで、クレームが入ったらこの写真は削除します)
0

2007/9/22

M.Enders  
3月に一度E♭/D管を記事にしましたが、今回貴重な楽器の写真を送ってもらいましたので、再度。
Max.EndersはMainz系の大御所(同じMianzではGebr.Alexanderが有名)ですが、戦争中はMainzからErlbachというMarkneukirchenに近い隣町に疎開していたそうです。今回写真を送ってもらったのは、その頃製作されたC管です。彫刻はMainzとなっています。オーナーはゲヴァントハウスの元首席、その後ケルン放送響の首席で現在は引退されているプロの所有品だったものをお弟子さんが譲ってもらったものだそうです。

クリックすると元のサイズで表示します

春の楽器博覧会(FruehlingsMesse)に展示されていたものを購入したそうで、逸話としては、ゲヴァントハウスの首席だった頃、ドレスデンのシュターツ・カペレにトラに行った際、皆C管を使っており、B♭管は自分だけだったことから『これからはC管だ!』とのことで購入に至った、とのことです。
日本人のアマチュアにとって、ロータリーといえばまずC管(かく言うワタクシもそうでした)ですが、ドイツ人はB♭管が先ですね。あのMonkeだってC管を作り始めたのは70年代からだそうですので、基本はB♭管なのだと思います。
例外的にシュターツ・カペレは首席はG管を使う(特にRichardStrauss)のが伝統だそうで、ペーター・ローゼの使うMeyerのC/Gダブル・トランペットはその流れですね。
楽器の話しに戻しますと、この楽器50年前とは思えない画期的なアイデアが詰まった楽器で、主管が2重になってます。また珍しくドラムロータリーがついて、ウォーターキーもイタバネ式です。Makneukirchenの近くですので、チェコあたりのメーカー製が手軽に入ったのだと思います(Heckelのドラムも殆どボヘミア製だそうです)。
クリックすると元のサイズで表示しますクリックすると元のサイズで表示します
マウスパイプのところはMonkeで交換したそうですので、完全Original,というわけではないですが、美しいですね。彫刻はこんな感じです。
クリックすると元のサイズで表示します
こちらはE♭/D管の(少し暗めですが)
クリックすると元のサイズで表示します
以前イーベイで出品されていたB♭管はもう少しにぎやかな感じの彫刻でした。

0

2007/9/17

S字飾り(ヘッケル・シュネッケ)について  
あまり、アップの写真がないので、上手く説明できるかどうかわかりませんが、所謂S字飾りについて、ちょっと見てみたいと思います。
Heckel系に限らず、"HeckelModel"を謳う楽器はついていたりしますので、あまり意識されることはないかもしれませんが、マニアにとってはかなり重要な部分(トロンボーンの蛇飾りのようなもの)ですね。まず、Meyer先生のB♭管です。
クリックすると元のサイズで表示します
付く位置も関係しますが、形は殆どHeckelと同じ感じです。
参考までに、1920年代のOriginalHeckel(Kranzなし)です。
クリックすると元のサイズで表示します
ほんでもってこっちがHeckel-Windischです
クリックすると元のサイズで表示します
Originalは太目ですが、Windischは少しほっそり、Meyer先生はその中間、
って感じですか。YAMAHAのYTR-935・945(937・947)にもついてますが、
非常にシンプルですね。ま、飾りですので、興味のない人にとっては
どうでもいいんでしょうけど。ちなみにOriginalHeckelでもS字飾りが
ないものももちろんあります。続きはまた。
0

2007/9/8

クランツの彫刻編  
今回は彫刻の飾り部分について、ちょっと考察してみたいと思います。
これまであまり気にしたことがなかったのですが、色々OriginalHeckelの彫刻を見ているうちに、『これって何か意味があるのかな・・・』と思い始めました。
最初はB.C.MeyerのB♭管です(1996年製)。
クリックすると元のサイズで表示します
これは葡萄なのでしょうか?ものすごく細かく彫ってありますが、とても品があります。同じMeyerで葡萄でもD管の彫刻はこんな感じです。
クリックすると元のサイズで表示します
確かこの彫刻は手間がかかるので、めったに彫らない、と聞いたことがあります。次はHeckelです。クリックすると元のサイズで表示しますこれはなんなんでしょう。でも葉の部分がものすごく細かいです。MeyerのHeckelはこれです。
クリックすると元のサイズで表示します
次いで、送ってもらったWindischです。Heckel-WindischB♭管とC管では同じように見えますが、微妙に違いますね。まずHeckel-WindischのB♭管
クリックすると元のサイズで表示します
次いでWindischのC管
クリックすると元のサイズで表示します
Heckelの2代目のはこんな感じのものです。端に植物らしきものが見えますかね。
クリックすると元のサイズで表示します
3代目のも似たような感じです。
クリックすると元のサイズで表示します
飾りの彫刻だけアップにした写真が少ないので、何とも判別付きませんが、ものすごく工数がかかっているのだけはわかります。何でも今では人手不足でやりたくてもできる人がめっきり少なくなったとか。全身Tatooが入ったようなものもピストンでありますが、やはりクランツにさりげなく手の込んだ飾り彫刻は気品があります。見ていて飽きないですね。
0

2007/9/6

Heckel-Windisch  
"Heckel-Windischの写真がありません"と書いたら、コメントくださった方から写真いただきました。ありがとうございました。
1955年頃のB♭管だそうですが、彫刻は3代目っぽいですね。
クリックすると元のサイズで表示します
刻印には"Arno Windisch""Instrumentenbaumeister""vorm.F.A.Heckel""Dresden"
とあります。Theodorあたりは"Instrumentenmacher"ですので、微妙な違いがありますね。Meyerは何もその辺刻印してません。ただ単に"gemacht B.C.Meyer"とだけあります。その辺りが結構面白いですね。
推測すると、『3代目から工房を継いだWindischはあくまで"Windisch"にこだわり、そのため"vorm.F.A.Heckel"とした。つまりF.A.Hckel=Windischなのであり、F.A.Heckelはブランドではなく、その工房でその作り方で作られた楽器を作ったマイスターの名前に過ぎず、今その楽器は”Windisch”によって作られているので、そのマイスターの名前を先に出すものである』といったところでしょうか。
それに対し、Meyerになってからは、F.A.Heckelが半ば伝説化してしまっているので『現代においてF.A.Heckelを刻印できる楽器を作れるのはMeyerしかいないので、ブランドとしてのF.A.Heckelがあり、それを作ったのはB.C.Meyerである』というこれまた高い自意識の表れなのでしょうね。あくまでも推測ですので、間違っていたらごめんなさい。

折角送ってもらった写真ですので、もう少し載せます。
クリックすると元のサイズで表示します
これはHeckel-Windischではありませんが、WindischのC管です。
クリックすると元のサイズで表示します

書きたい話題はまだ付きませんが、今日はこんなところで。
0

2007/9/3

F.A.Heckel トランペットについて(彫刻編その2)  
前回は2代目の彫刻を紹介しましたが、今回は3代目のTheodorAlwinの彫刻です。残念ながら、Heckel−Windischの写真がないので、彫刻を比較することはできませんが、3代目の彫刻はあっさりしていますが、飾りがものすごく凝ってます。
こんな感じですクリックすると元のサイズで表示します
これも3代目ですかね。クリックすると元のサイズで表示します
こんなシンプルなのもありました。
クリックすると元のサイズで表示します
これも結構綺麗ですが、飾りがシンプルですね。クリックすると元のサイズで表示します
見ていて飽きません。Heckelで修行したWagenrなんかも同じような字体で彫ってます。Windischも自分の名前の場合、やはり似たようです。
こちらG.A.Wagner
クリックすると元のサイズで表示します
ほんでもってこっちがWindisch
クリックすると元のサイズで表示します
マイヤー先生は自分の名前はこんな感じ
クリックすると元のサイズで表示します
ですが、"Heckel"の場合は2代目踏襲ですね。
興味深い世界です。
0

2007/9/1

F.A.Heckel トランペットについて(彫刻編)  
折角Heckelの写真が増えたので、彫刻についてちょっとまとめます。Heckelの初代はご存知ヨハン・アダムですが、実際にF.A.Heckel社となったのは、2代目フリードリッヒ・アルヴィンです。3代目はテオドール・アルヴィン、そしてその工房を継いだのがアーノ・ヴィンディッシュ、そして現在の工房継承者がベルント・C・マイヤーです。

初代の楽器は、一度だけドイツ・イーベイに出品されましたが、ものすごい金額になりました。彫刻自体は"Adorf Heckel"といたってシンプルでした。Adorfというのは、管楽器製作でぬきんでた才能を持つHeckel一族の出身地といわれています(ファゴットのHeckelもここの出身で、ヨハン・アダムと同族、とのことです)。残念ながら写真はありませんが、2代目が所謂"Koeniglich Saechsesch Hochlieferant(ザクセン王室御用達)"の称号を得る直前の彫刻と思われるのが、これです(1880年頃)クリックすると元のサイズで表示します
王室御用達となると、所謂"王冠"つきとなりコレクターの間ではものすごく価値のあるものになります。磨いてませんが、くっきりと残っている写真がこれです。クリックすると元のサイズで表示します
王冠なしのものもあります。クリックすると元のサイズで表示します
クランツなしに彫られる場合はこんな感じです。クリックすると元のサイズで表示します
いずれにせよ、現代ではあまり見ることのない、凝ったもので、手間のかかる作業だったことは想像に難くありません。今回の写真は殆ど2代目フリードリッヒ・アルヴィンの頃のものですが、3代目になると若干趣きが変わってきます。現在のMeyerは2代目のものを踏襲してますね。これが現在の彫刻です。クリックすると元のサイズで表示します
ちょっと大きいですが、これもやはり手間がかかってそうですね。さすが細かいマイヤーならではです。他のメーカーはパーツを仕入れて組み立てるだけですが、マイヤーは細かいパーツまで自分で手作りするそうです(さすがにロータリーは買いますが)。文字以外の飾りにもこだわりがあるそうで、またそちらは追々アップします。
0


teacup.ブログ “AutoPage”
AutoPage最新お知らせ