イラストレーションのサイズは圧倒的にA4内の小さな絵が多く、私の場合は
どういうわけか特に細密な表現の絵を依頼される事が多いのです。細密画
は制作時間がかかり、失敗すると修復困難で大変な事になります。そこで、
依頼主の注文イメージの確認と、できるだけ効率的に仕事を進めるために、
最初にパソコンのペイントソフトで下図としてのラフスケッチを描き、添付メ
ールで依頼主へ送信し、絵の内容を確認してもらっています。その時の描
き直し修正などはペイントソフトなら容易くできます。ラフスケッチといっても
簡単な絵ではなく、出来るだけ本制作絵に近い描き込みを心がけています。
そして、本制作に取り掛かりますが、そのままパソコンでデジタル細密表現
で完成する場合と、そのデジタルなラフスケッチを再現するようにキャンバス
に絵の具で描きながら細密に完成する場合があり、後の場合が多いです。
細密画には乾きが早く重ね塗りが容易なアクリル絵の具で制作しています。
私のスキャナーはA4なので、そのサイズに一致するF3号以内のキャンバス
に描いた絵は高画質でパソコンに取り込みできます。それより大きいサイズ
の原画はデジカメ撮影して画質は劣りますがパソコンに保存し電送します。
今、依頼されて描いている絵は商品化される前の企業秘密なので詳細な絵
の内容はここに書けませんが、F3号のキャンバスボードを使用して円形画
面にアクリル絵の具で風景画を描いています。昨年10月にP8号のキャンバ
スで描いた絵と同じ風景画を描く注文だったので少し驚きましたが、今回は
その絵を小さな円形の画面に描き直すので超々細密な表現になりました。
依頼されて描く絵のほとんどが商品化に到らない事が多いのですが、今回
の風景画も商品化されるか、没になるのか私にはわかりません。毎回面白
い企画の絵を依頼されているので商品化実現を楽しみに制作しています。
私は仕事で普通に描いている事ですが、何かのご参考になれば幸いです。

拙作「大黒天」絵の左はラフスケッチ、右は絵の具描きの本制作絵です。
ちなみに、「大黒天」絵は2006年2月に制作し、2008年1月に風水複製画と
して販売され、なぜか商品化には驚くほどの時間がかかっているのです。
画像をダブルクリックすると少し拡大されてご覧いただけるようです。

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