ゴールデンウィーク中は依頼された新作宝当箱のデザイン画を描き、その
他に以前から気になっていたパソコンで描いた猫顔をモチーフにした画題
「聖白猫」をP12号キャンバスにアクリル絵の具で描きなおしていました。
なぜかと言うと、デジタル作品なのでプリントして展示するよりも、以前から
持っていたレトロな白銀の額縁に入れて展示するためにリ・メイクしたので
す。絵の具描きの方がマチエールなどの一品制作の味わいを生かす事が
でき、新たなイメージの着想で描きなおして、画題も「福猫」に改めました。
猫は古代エジプト以来神聖な動物とされる一方、魔性のものともされていま
す。現実の猫顔は孤独で少し陰気な感じがしますが、そのイメージを変える
ため、実物よりも大きくシンプルでポッフ・カルチャー的構図にしました。猫は
笑う事はできないですが微笑んでいるようにし、鼻もいつものハートの形に
描き、心温まる絵にも考えたのですが、同時に視線を射る黄金色の両眼に
して、力強さのある魔力を表現するような絵になるように願って描きました。
周囲に浮遊する珠は「玉響・玉霊」(たまゆら)から着想を得ましたが、宗教
的なものとは全く無関係です。これは少し怖いような面白い不思議な魅力が
あり、宇宙空間の球体原理を意図していて、なんとなく心穏やかになります。
写真に写り込まれるオーブとも云われているもので肉眼では見えませんが、
ストロボの反射でデジタル・カメラに写るので何かが存在するのは事実の
ようです。私には幸福を招く魂響のように感じられ、両眼も描き込みました。

「福猫」Copyright (C)2009 AoiFujimoto. All Rights Reserved.

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