8月24日(月)〜9月18日(金)まで銀座のクリエイションギャラリーG8で開催
される東京イラストレーターズ・ソサエティの展覧会に参加出品するための
作品を制作しました。今回は日本の童謡、唱歌がテーマなのでネット検索
して私は野口雨情作詞・中山晋平作曲の「しゃぼん玉」を選曲しました。
展覧会のタイトルは「しゃぼん玉飛んだ」展なのですが、私はナゼか丸い物
が好きなので必然的に多くの曲目から私の脳裏に浮かんだのも「しゃぼん
玉」だったのです。不景気や殺伐とした事件など暗い話題の多い世の中なの
で、心を和ませる童謡や唱歌を通して日本の原風景を振り返り再発見して
一服の清涼水のような展覧会にできればとの主催者の趣旨のようです。
でも、童謡や唱歌は純真無垢で無邪気な内容に思われていますが、偏見
と既成概念を外せば意味深長な謎めいた歌詞にも読め、そのように豊かな
イメージをふくらませて色々なしゃぼん玉を飛ばす事もできると思うのです。
シャボン玉が屋根までとんだ、と言う歌いだしは成長する子供を暗示して喜
ばしいですが、二番の飛ばずに消えたという歌詞は成長できなかった子供
のようで悲しい。一つ一つのシャボン玉は悲喜こもごもの様々な生き様を
あらわしているかのようです。そのように考えると、浮遊するシャボン玉は
この世に漂う霊魂のようにも思えて、その球体表面に浮かぶ油膜の妖しくも
美しい虹色マーブル模様に複雑な人生の儚い夢幻が垣間見えるようです。

「シャボン玉は夢幻玉」Copyright (C)2009 AoiFujimoto. All Rights Reserved.

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