銘柄ごとに意匠を凝らした酒瓶のラベル。そこには蔵元の誇りが込め
られていて、日本酒は保守的な様だけど、焼酎は遊び心が溢れている。
焼酎ラベル制作の発端は去年の暮れに未知の人からの一本の電話から
始まったのです。テレビ出演でおなじみの動物学者で中国文学研究家
の實吉達郎先生著「中国の鬼神」新紀元社刊の拙作挿絵の一点「太白
金星」(たいはくきんせい)をラベルに使用したいと言ってきたのです。
それから年が明け、今年1月に蔵元の人達が拙宅へお越しになり、意外
にも全く別の酒名「てんてこ舞」のラベル絵を依頼されたので驚きま
したが、2月にそのラベル絵を数点描き送信しました。でも、その酒名
が既に商標登録されていたからとの理由で、その絵は取り止めになり
困惑しました。実は、その蔵元から「てんてこ舞」が発売された事を
サイトで最近知り、何か不都合な事情があったのだろうと思っている。
替わりに「古代の滴」ラベル絵を依頼されていたので、制作して2月に
送信いたしましたが、蔵元の要望で色々と絵の内容を変更修正などし
ているうちに夏が過ぎてしまいました。それでも、その絵のギャラが
支払われたので、その焼酎は商品化されたのだろうと思っていました。
ところが、9月に蔵元の担当者が来宅されて、「古代の滴」の肩ラベル
を依頼され、まだ商品化されていない事を知り唖然とした。急遽その
肩ラベルも描き送信いたしましたが、9月中に再び担当者が来宅されて
その肩ラベルの雲型デザインも要望され、その時に当初の「太白金星」
を依頼されたので、今度は胴と肩ラベルを一緒に描いて送信しました。
太白とは古代中国での金星を意味し、太白金星は中国盛唐の酒仙詩人
李白701年〜762年のことで字は太白、号は青蓮居士。中国詩歌史上に
おいて、同時代の杜甫とともに最高の存在とされる。奔放で変幻自在
な詩風から、後世「詩仙」と称される。と、ネットに解説されていた。
太白金星は冒頭の「中国の鬼神」本文と挿絵のタイトルですが、この
焼酎の原料芋も「太白」という名前だそうで、それで焼酎名も太白金
星となった様です。再び変更って事にならなければ良いがなぁと思う。
そして、再度のご要望で「太白金星」の仙人の笑顔を渋い顔に変更し
たり、酒杯を芋に持ち替えたりなど色々と描き直し、蔵元へ10月1日に
下記図を送信いたしましたが、ご検討に時間がかかっているようです。

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