外は寒い北風ですが、窓ガラス越しの陽射しの暖かさの中で
昼寝する猫の様子に春の兆しが感じられるようになりました。
毎年届いていたある知人からの年賀状が今年はこなかったので、
どうされたのかと安否を気にかけながら知人情報の整理をし、
ついでに、お年玉付き年賀葉書の当選チェックをしました。
毎年お年玉切手シートが何枚か当たる、ささやかな幸運が嬉しい。
幸運というと、「水神」という画題で蛇の絵を描いていたら、
乾燥して静電気パチパチの関東に先日三日続きの雨に雪まで降った。
乾いた大気に湿気が含まれ静電気のショックが少なくなった様子。
やはり、蛇は雨乞いを叶える幸運の神に関係あるんだと、
勝手に納得をした自分がなんとなくおかしかった。
東日本大震災と原発の被害からの「日本再起」を祈念して
来年の干支の縁起の良い蛇の絵を色々と最近制作しています。
イコノグラフィー(図像学)とイコノロジー(図像解釈学)や
動物シンボルの意味、そして祈念と願望などを込めて描いています。
蛇は脱皮しながら大きく成長することや、
長期間食べられなくても耐えられる強い生命力から、
「死と再生」「不老不死」などの象徴とされています。
それで、蛇は神秘的に考えられて
昔から神聖なご神体として祭られたり、
白蛇は神様の遣いや弁財天の化身とも云われて
信仰の対象として崇め畏れられている。
白ウサギのように目の赤い白蛇は突然変異で劣勢遺伝のアルビノ、
自然界の生存は稀なので山口県岩国市では天然記念物にされている。
特に神格化される白蛇はホワイトライオンやホワイトタイガーの
ように正常な遺伝情報により白化した白変種で目は赤くない。
日本の民間信仰では蛇は農作物を荒らす鼠を食べるため豊穣の神、
弁財天は水の神でもあるので恵みの雨をもたらす神とされる風習が
ある。蛇が棲み付いた家や蔵は、財運に恵まれると信じられ、
蛇(巳)を持つと、実(巳)入りすると云われ
蛇の抜け殻をお財布に入れて願をかけるおまじないもある。
雪深い北陸の子供の頃に田舎の蔵下石垣に蛇がたくさん棲んでいた。
夜はつまらないのでコタツに入りながら口笛を吹いていると、
夜口笛を吹くと蛇がくるよ!と婆さんに注意された。
冬の蛇は冬眠してるから、来る訳ない迷信だよ!と恐れて言ったが、
白蛇神なら来てくださいと、心ひそかに思った。
厳しい冬にも枯れず、積雪の重さに耐えて、
ゆがて雪を弾き飛ばす、しなやかな強靭さを秘めた笹竹に、
縁起の良い白蛇神が守護するように巻き付いた「寒竹」という地酒の
ラベル絵を制作しました。ご覧いただければ幸いです。

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