あんた最近むちむちしてきたわよ!と妻に言われてしまった。買い物などで車の運転をする以外は外出することもなくパソコンにへばりついている日常生活なので運動不足で皮下脂肪と内臓脂肪が溜まり太ってきたのだろう。ヤバい!来月には健康診査がある。それまでには元の体重に戻せるようにダイエットしなきゃと焦った。
ところが私は運動の趣味はなく、運動と言ったら家の掃除や洗車などをするくらいだ。残るは食生活の改善しか方法がないと思った。じつは健康オタクの妻はダンベル体操をしながら自分の体重を毎日量り、カレンダーに書き込みしている。それで私も妻に強要されて体重計に毎日乗るはめになり確かに数値は増えていると痛感した。
これまで習慣的に一日三食を摂っていたが、昔の日本人は江戸時代頃までは一日二食だったと何かで読んだことがある。考えてみると肉体労働の少ない私にとっては食べ過ぎであり、これでは余分な体脂肪が付くのは当然だと納得した。まず身体に付いた余分な体脂肪を運動しなくても消費することから始めなければならない。それには食べ過ぎないことであるから思い切って朝食を抜くことにした。昼食と夕食やおやつは普通に摂り、朝と夜は飲みもの以外は口にしないことにした。
それまで朝一番にコーヒーを沸かし食パンにジャムやピーナツバターなどを塗り果物と共に食べていたが、朝はマグカップに白湯をちびちび飲みながらパソコンをする習慣に改めた。朝の空腹感も徐々に慣れて、むしろ蓄積された体脂肪が消費されていく体の爽快感があった。さらに朝の充分な水分摂取で朝食を摂らなくても快便なのには驚いたが、今までと異なり何を食べても昼食が大変美味く感じるようになり、好きなコーヒーは昼食時に飲むようにし、アルコールは夕食後に時々おつまみ無しで少量飲むことにした。
そういう食習慣に生まれて初めて改めたが、初めのうちはなかなか体重が下がらなかった。しかし三週間後くらいに久し振りに会った長男が私の顔を凝視するので何かなと思っていると「痩せたね!」と言う。私は「ダイエットしているから」と答えながら内心「やったー!」と叫んでしまった。確かに体重計の数値も元の値まで下がっていた。おじいちゃんいいなぁ、と高校生の孫はつぶやいたが、彼女は部活や自転車通学で体力がいるからエネルギーの貯蔵庫みたいな体脂肪は必要でダイエットしないほうがいいよと慌てて言い訳した。
食事回数はその人の生活習慣に合わせれば良い。食欲ではなく空腹であるから食べ、一日二食で内臓は充分な休養を取ることができ体の負担も軽くなり自分の身体に対する思いやりだと思った。
若者ことば
Dangerous!,Copyright(C)2016 AoiFujimoto. All Rights Reserved.

0