36年前に住み着いた
千葉の北総台地は平坦地で
地元の古老は
近所の防風林のことを
山と言っていたので驚き
雑木林を森と言っていた。
その夕闇迫る林で
犬の散歩の途中に
フクロウを見かけたが
最近は見かけない。
鳥は暗くなると
眼が見えなくなる
鳥目だがフクロウは
闇を見通す眼を持ち
夜でも飛べ神秘的だ。
他の鳥に比べて
長いあいだ樹上で動かず
木々の間を音をたてずに
羽ばたき飛翔する。
古代ギリシャの
女神アテナの
お供として
智恵の象徴と
なっている。
あるいは
隠された知識や
魔法や魔力などの
秘密の守護者や
冥界の使者とも
されている。
物静かに暗い森の中を
影のように飛ぶ
群れない孤独な鳥は
知恵を具現化しながら
霊感を与える。
そのフクロウから
インスパイアーされて
いつの間にか
ひらめきで
絵を描いていた。
私が絵を描くのは
二通りしかない
その一つは
イラストレーションで
依頼主から注文されて
その要望に適うように
アイディアを出しながら
喜ばれるために描く。
そして二つ目は
渾沌とした
自意識に苦悩する
自らの魂を
奮いたたせるための
アート絵を描く。
アートとは何か
作品の意味や趣向が問題で
狂気の自己顕示欲の芸術は
恥ずかしく思うが
結局のところ自己表現の
自己満足である気がする。
かぞえで古希になり
リア充だと感じるのは
タソガレているのか
今いる状況を
心安らかに満足し
いつも感謝して
仕事を楽しみ
隠忍自重しながら
一生を善人で
幸福に送りたい。

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