暑中お見舞い申し上げます。
はじめから変な話で恐縮だが
今から50年以上前に上京して以来
洋式便器を使用するようになり
それまでの屈む和式便器では
足が痺れて手を洗いに行くと
転びそうになった。
いろいろと思い出すと
昔のお手洗いの周りには
南天手水(なんてんちょうず)と言う
南天の木が植えられてあり
その南天に掴まり倒れずに済んだ。
南天は不浄を清めるとされ
江戸時代の「和漢三才図会」には
南天を庭に植えれば防火や
厄除けになると記述され
南天の木で作った箸は食中毒を防ぎ
無病息災を願う縁起物となった。
南天は難転に通じることから
難を転じて福となす
縁起の良い木とされ
魔除けとして庭に植えられ
実は冬に欠乏する小鳥の餌になる。
南天の花言葉は
幸せ、私の愛は増すばかり、
福をなす、よき家庭とあり
円満な家庭を象徴する。
南天の実には紅白で縁起が良い
赤色と白色があり
白色の実(白実南天)は咳止めの生薬
「南天実」(なんてんじつ)に
用いられるようだ。
初節句や七五三など慶事の
赤飯や鯛料理に南天の葉を添える
江戸後期からの日本の風習があり
南天の葉には防腐成分が含まれ
赤飯の腐敗を抑える作用があるようだ。
冒頭のお手洗いの周りの南天手水は
お手洗いの水がない場合に
抗菌力のある南天の葉や枝で手を清める
不浄よけになった。
難を転じて福となす南天夫婦雀絵を
水晶院から描かせていただき
豪華な金箔貼りの護符
「南天招財符」になり
下記画像では判読不可能だが
絵の背景に御経文も見られ
発売が楽しみだ。

nantenfufu,
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