きのうは
バレンタインデーだったのを
忘れていたが、
カミさんが毎年
何かしらプレゼントしてくれるので、
あ、今日なんだ・・・と、
思い出した。
息子たち三人にも
家にいる頃は、
毎年、チョコをあげていたので、
今年も東京で同居してる
アキとナッちゃんにも
荷物とついでに送ったのかもしれない。
フレンチの三國シェフの
監修したチョコクッキーだったが、
彼がまだ30代の頃、
大阪の『ジャンティー・アルエット』
というフレンチ店で
フェアをやった時に
カミさんと出向いて、
テーブルに挨拶に廻ってきた時、
言葉を交わしたことがある。
料理も人柄も
ものすごくアグレッシヴだったが、
その彼も70近くなり、
YouTubeで見ると
雪ダルマみたいに
パンパンに丸くなったものである(笑)。
1月の閉門蟄居中に、
まだオミクロンの
"マンボー"が出る前に、
チームYAMAKIYAでの
新年会を「多可橋」で催した。
ちょうど
ひと月前ほどだが、
画像ファイルに残ってたのを
呼び出してはみたものの、
だいぶんとその印象は
薄れている。
どれほど、
覚えているのか、
記憶をリトリーブ(想起)させてみたい。
◎笑(しょう)…4,000円
◎和(なごみ)…6,000円
◎豊(ゆたか)…8,500円
◎匠(たくみ)…12,000円
◎極(きわみ)…17,500円
・・・という5つのコースがあり、
「なごみ」とした。
「突き出し」は
胡麻豆腐にキャビアが
添えられていた。
「八寸」は、
小袖玉子にノドグロの揚げ物
牡蠣のしぐれ煮、
タケノコ。
出汁巻きは
はんなりした上品な味。
揚げたてのカリリとした
ノドグロは滋味深かった。
甘辛く炊いた牡蠣も
絶品であった。
ここから
懐石の華となる
「椀刺し」・・・
つまり、「煮物椀」と
「お造り(刺身)」となる。
たしか、
「湯葉豆腐のすり流し」
だったような気がする。
その出汁かげんは
ピタリと決まっており、
飲み干した時に
ちょうどよい加減になる
塩梅だった。
吸い切った時に、
思わず、ほぉ〜と、
美味しい息が漏れた。
ε= (•̀ .̫ •̀ ) ホ〜ッ
「お造り」は、
紋甲イカのウニ巻きが
口中でとろけるような食感で
甘味も十分に拡がった。
〆鯖では、
キリリと引き締まり、
仕舞いは中トロが
ズンと舌先に旨味を直撃してくれた。
「小椀」は、
屑を張った
京風の野菜の"炊いたん"。
冬の路地物の
滋味が感じられた。
「強肴(しいざかな)」は
生湯葉の衣で揚げた才巻海老。
ずんだ餡を被ったのは
穴子だったか忘れてしまった。
京人参のご飯に
汁に香の物。
甘味は
「白玉汁粉」。
そして、〆のお薄が供された。
まさに、この一碗を頂くための
茶懐石であったわけだ。
一同、満足至極であったことは
言うまでもない。
コロナ禍で
鬱屈した日々を
市中の山居のような小座敷で
気の置けない仲間たちと
目と舌の美味を堪能し、
身も心も癒しを得た。
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『鉄人の思ひ出』5
在学中に、『短期療法』の学界が福島大学で開催された。
当然ながら、小野先生が誘致された責任者であられたが、実際の事務局の運営は助教授の先生方が手分けして当たられていた。
懇親会のパーティーのスピーチで
「私は何もしなくも、ちゃーんと心理教室の皆さんでしっかりやって下さり、ありがたいものです」
と、酒杯を片手に、お茶目な笑顔を見せられていたのが印象的だった。
そうは言いながらも、ご自身が翻訳出版されたド・シェーザー博士も学界にお招きされて、そのホスト役を買って出ておられた。
我われ下々の院生が(笑)、ゼミで一年間、輪読学習したド・シェーザー氏「本家本元」の謦咳に接することが出来たのも、小野先生のご尽力の賜物であった。
学界では、先生は主催者であるにも関わらず、すこしも本部でじっとしてはおられず、様々な研究発表が行われている各教室を順繰りに巡っては、若い研究者の発表に聴き入って挙手までされて質問をされていた。
その姿にも、やはり、研究者、心理学者として、真摯に向き合う模範を示されていた。
先生は、自分が修論を書き上げたM2(修士課程2年生)の時に、定年退官を迎えられた。
修論は、ほとんどが副査のK先生がご指導下さったが、仕上がりに目を通された小野先生からは、ただ一言、
「いい論文だから、ぜひ『学会誌』に投稿してみたらいいよ」
と仰って頂いた。
そして、最終稿も念入りにチェックして頂き、査読も済んで掲載されると、逸早く、お葉書を下さり、
「巻頭を飾るに相応しい立派な論文です。おめでとう」
と祝辞を頂戴した。
思えば、M1の入りたての頃、第一回目の中間発表会で、けちょんけちょんに先生方にやられて、目がテンになって、学食で
「学問は、キビシイねぇ・・・」
と、笑顔で仰られた事が、今にして思えば、研究者としての矜持をお教え頂いたような気もするのである。

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