きのうは、
福大理科クラスの同級生で
ギター部仲間でもあるアキオ君が、
梁川吹奏交響楽団の定演で
音楽堂に出演するという
招待券を頂いたので
聞きに出かけた。
ところが、
いざ、街に出てみると、
《絆祭り》のパレードで
市内の至る所が交通規制で
大迂回を強いられてしまった。
ふだんなら、
我が家から音楽堂までは、
4号線を直線で15分ほどで行けるのを
大渋滞を避けるのに、
なんと西口まで線路を越えてから
再度、東に線路を潜って
福高前を通っていくようだったが、
それでも渋滞していた。
なので、
ふだんの倍の
30分以上かかってしまった。
開演1時間前に着いて、
どうにか音楽堂内の駐車場に
入ることができたのは
ラッキーだった。
開演まで、しばし、
後部座席を広くして
リビング代わりに
音楽を聴きながら
持参した論文を読んで過ごした。
勝手知ったる音楽堂なので、
こないだは受付る側にいたが、
今回は「楽屋見舞」を
受付に手渡して言付けた。
終演後に
山口の銘酒《獺祭(だっさい)》
(純米大吟醸 磨き50)で
労を癒してもらえれば…である。
個人的には
吹奏楽団よりも
管弦楽団の方が好きだが、
それでも、
50名ほどのブラスの音圧が
会場の最後部座席にいても
感じられるほどの大迫力だった。
皮切りの
ホルストの『第一組曲』は
初めて聞いたが、
第三楽章のマーチは
ブリティッシュな感じで佳かった。
懐かしの
『鉄腕アトム』のテーマ曲は、
ブラスにぴったりで、
なんだか幼い頃の
希望にあふれた昭和の時代を
想い返えさせられた。
オペラグラスでも持参しないと
後部座席からは
団員の顔は判じ難かったが、
デジカメのマックス・ズームで
「アキオ君」を捕らえることができた。
先日の手紙によれば、
自身のチューバも購入したという。
6回のリサイタルで、
いつもステージ上から見ていた
最後部のアルミ・パイプに
初めて触れてきた。
その造形が、
壇上のオルガンのパイプと
対置してデザインされているものと
今回、初めて気がついた。
「I love 音楽堂」である(笑)。
水無月となったので、
玄関の室礼を改めた。
花は庭の春菊と姫女菀、
青葉は南天。
花入は、
修学旅行の引率で
中国で土産に頂いた
彫刻を施した土瓶である。
在京中に
京都五条坂で求めた
清水焼の丸皿を敷いてみた。
初夏ともなると、
なるたけスッキリしたいので、
掛け軸には
四角い色紙ではなく、
細い短冊にする。
文字も暑苦しくなく
二字のものにしてみた。
土湯の湧き水を汲んできて
端渓硯と松煙墨で書いたものである。
「涼やかな風音を聞く」
ということと、
茶釜が湯に滾(たぎ)って
シューシュー鳴るのを
「松風」というので、
その音(ね)を愛でる、
という意味もある。
雅号の「鑑穂(あきほ)」は、
鑑順(あきみつ/次男)と
夏穂(なつほ/三男)から
一字ずつ取ったものである。
老いの楽しみのひとつに、
莫山先生が仰った
「下手の方が味がある」
という「詩書画」を
また始めてみようと思っている。
山の清流や湧水を求めてきて、
音楽を聴きながら、
端渓硯で古墨を磨り、
その墨香に酔いながら、
二十年来寝かせてある画仙紙に
詩書画を創り、それを茶室に飾り、
自画自賛しながら
こころ穏やかに茶を立てて喫茶する。
これを文人趣味という。
ギターだ、ピアノだ、ヴァイオリンだ、
という、西洋カブレのバタ臭い、
鹿鳴館時代のような欧化趣味の
対極にある「侘び寂び」の
“やまとごころ”の世界観である。
カミさんとの
サンデー・ランチで、
郊外の蕎麦屋での
「親子丼と蕎麦セット」
だったので、
昼が「米・そば」だったから
夜は「パン」にしようということで、
近所のグリムで
サンドイッチとキッシュを
買って帰った。
そしたら、
カミさんが
「ワインでも飲みたいねぇ・・・」
と言うので、
以前、精神科医で音楽家の
S先生から頂いたグラン・ヴァンの
『ランシュ・ヴァージュ 2009』を
開封してみた。
高価な逸品なので、
ほんとうは、
カミさんの誕生日の5/4に
新時代「令和」記念と共に
開ける予定だったが、
どーいうわけか機を逸していた。
なので、
時機到来で、
ありがたく味わわせて頂いた。
ボンビー・カウンセラーに
身を落としての二十数年は、
とんと高級ワインには
縁がなかったが、
教員時代のバブル全盛期の頃は、
世はまさにイケイケ状態で、
その煽りも喰らって、調子こいて(笑)、
給料日やボーナスのたびごとに
四大シャトーやグラン・ヴァンを
飲み漁っていた。
その時の奢りが祟って、
きょう日の耐乏生活がある(笑)。
「因果応報」とは、
よく言ったものである。
かつて、
ワイン後進国だったアメリカでは、
セレブからは
「ランチバック」の愛称で
呼ばれていた。
グラン・ヴァンだけあって、
ポイヤックらしい
ボディがしっかりした
ヘビータイプの
ボルドー・ルージュである。
葡萄種カベルネ・ソーヴィニヨンに
由来するアロマがしっかり聞け、
スワリング(くるくる回す)して
空気に触れ合ったグラス内からは
複雑で豊かなブーケ(成熟香)が
立ち上った。
十年を経て目覚めた
"バージュの丘"のレディーは、
メドック格付け5級にも関わらず、
たしかに「スーパー・レディー」であった。
アマゾンで調べてみたら、
2009年はグレート・ヴィンテージとされ、
「パーカー・ポイント98点」と
レイティングされている。
これは、
「ほぼパーフェクト!」
という評価である。
なにしろ、この娘(こ)の
出自がべら棒にいい。
シャトー(畑)の北側には
ムートンとラフィット、
南側にはピション・ラランドとバロン、
そしてラトゥール・・・と、
グラン・ヴァンに囲まれてるのだから、
このお嬢さん、
セレブ中のセレブなのである(笑)。
その著書をテキストとして
熱烈勉強してきた
ワインの“神様”的評論家
ヒュー・ジョンソンは、
「ポイヤックの花形のひとつ。
強靭で芳醇。見事に濃密。
ブラック・ベリー香が佳し」
と大絶賛の
4つ星を献じている。
彼の星一つで
ネゴシアン(ワイン業者)が
右往左往する、
と言われるほどの
ジョンソン先生が
4つも星を付けたんだから、
スゴイこと間違いない。
総じて、
ポイヤックのグラン・ルージュ(赤)は
タンニンが豊かで、
熟成が進むと“まろみ”が増し、
粘性を感じるような厚みがあり、
パワフルながらも、繊細で、
気品がある。
かつて、
イギリス王宮や貴族たちが
「クラーレット(Claret)」
と呼んで愛でたように、
宝石のルビーや
“ビジョン・ブラッド”のような
深紅の鮮やかな赤も
魅惑的である。
ふだんはビール党のカミさんも、
かつてはグラン・ヴァンをも
ご相伴に預かっていたので、
さすがに“バージュの麗人”の
高貴さに感じていたようだ。
スーパーのメルシャン・ワインみたいに
ガブガブ飲みするカミさんに、
ついつい、
「これ、レストランなら、
ワン・グラス8千円位なんだかんね・・・」
と言うと
「ひぇ〜!!」
とオッ魂消る
ボンビー夫婦でありましたぞなもし(笑)。
( 。>艸<)-3 ンメェ〜 オイシ〜(人'∀'*)☆*:.。

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