しずかちゃんは幸せになれるのか。第三者から見れば、出来杉を選ぶべきところをのび太を選ぶダメンズウォーカーのしずかちゃん。
しずかちゃんのお父さんの「人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人」であるのび太と、雪山遭難時にしずかちゃんは「そばにいてあげないと危なくて見ていられない」と、のび太との結婚を「こないだの話、おっけーよ」と決めています。
幸せは人によって違うけれど、掴む幸せは、殆どが一過性に過ぎないと思っています。一つ満足を得ればまた次の欲求に気づくだけ。それは今と環境を変えて幸せだと感じるのは短期間だということ。マズローじゃないが、日本で生活できていると言える状態であるならば、日々の瑣末な喜びや楽しさのなかに幸せはあるんだと思います。他人と比較なんかしても何も始まらない。
その観点から、しずかちゃんの幸せも見えてきます。
のび太はしずかちゃんが好きすぎて、将来自分と結婚したらしずかちゃんは苦労するんだと言ってわざと嫌われようとします。短絡的に考える男性なら一度くらいは考えることです。それほどまでに、自分のことをずっと好きでいてくれて、なおかつ、お父さんの言葉どおり他人の幸せと不幸に真剣に向き合うのび太、いつもついていたくなるほどドジなのび太、一緒に暮らし、一緒に苦労するなど日々のび太との瑣末な生活を幸せと感じることに気づいたのでしょう。
ちなみにしずかちゃんはのび太と結婚後は専業主婦らしく、それなりなマンションに住んで、子供をしかっているシーンくらいしか見かけないところをみると、生活に困るわけではなさそうです。やっぱり幸せなんじゃないかと思います。
あらためて、幸せは「なる」ものではなくて「感じる」ものだと考えさせられます。

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