時々何の理由も無く弄ばれてしまう  








自戒的な項目を幾つか、カラの皿の上に並べて、はたしてそれは幻想の様なものかと自問してみたんだ
白い皿は、蛍光灯の光を弾いてわずかに蒼く、色褪せた天井の一角にまで反射を提示する
ハードディスクの通電の軋みと、窓の外死んだ水田に潜む虫たちの鳴声のシンクロ
取るに足らない共鳴を掴みたいなら、突拍子も無い時間に何かをしようと思案するのが一番さ
夕食の後からこっち、軽い吐気が喉の奥にあって…きっと何もかも急ぎすぎて掻き込んだせいなんだけど
横になって身体を休めたら駄目になりそうな気持ち、俺にちょっと興味のある誰かなら判ってもらえるかなぁ
下手に形を整えた爪で胃壁が掻き毟られてるみたい、跳ね飛ばされた猫の死体が詰まった排水溝の様にある一点で塞き止められている
そういう時の内臓は、俺の知る限り一番活発に活動するよ、耳がごわんとなって、時々何もかも聞こえなくなる
秒を分割したようなわずかの間、それはまるで扉の向こうへ足を踏み入れたような感覚さ、でも
すっかり行っちまったらきっと戻ってこられないようなところなんだろうな
そういえば夕食の途中でさ、一匹の小さな蛾がスープの中に飛び込んできたんだ、葱の根元の様な白い羽根の蛾だった
あれはきっとスープの熱のせいだ…蛾は驚くほどあっけなく動かなくなった、俺、ひどく腹ペコだったから
そいつの身体をスープから外してそのまま夕食を続けたんだ、もしも俺が詩人と呼べる程度の繊細さを持ち合わせているとしたなら
生きてるうちに救い上げてやれなかったものかなんて考えがこんなに胃袋を締め付けているのかもな―冗談にしても少しも気が利いてないや
さっき便所に行ってきたんだ、便座をおろしてしばらく突っ伏していた、(もう駄目だ)と、覚悟を決めたが
不思議とそのまま吐気は引っ込んだよ―なんて、少し休みながら続きをそんな風に綴ろうとしていたら
ぎゅーっと、本当に腹部を何かに掴まれたみたいに―詳細は割愛するけどとにかく酷いものだった
そんなことの後だからこの詩もこの辺で切らざるを得ない、本当はもっと長いものを考えていたからとっても残念だけど


ああいうときは鼻を摘んだほうがいいって判ってるのにいっつも忘れちまうんだよな










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