2006/11/7

終いに唾を吐く趣向  








ひっきりなしに死んでは戻ってくる亡霊どもに心を奪われて
俺はかけがえのないものになりたいと思った
誰かにとってとか自分のためにとかそんな簡単なことではなくて
ただただかけがえのないものになりたいと思った
閉じても閉じても隙間風が忍び込む窓から
昨日の夢のように抜け出して
やたら黄色い満月の下に座して
かけがえのないものになりたいと思った
願望なんて名前をつけたら
年端もいかない子供には敵わないし
夢なんて名前をつけたら
一生かかっても届かない気がした
ひっきりなしに死んでは戻ってくる亡霊どもは
きっと永遠の解釈を間違えたのだなぁ
きっと褒められたことじゃないのだけれど
きっと誰も頷いてはくれない選択だったのだろうけれど
何度も終わろうとする彼らのことがつたない歌のように愛しいと感じる
もしもみんなに許してもらえるとしたなら
俺は間違いなくあんたたちのようになりたいよ
ビルの屋上から、電車のホームから、肌寒い波打ち際から
懸命に終わることだけを考えて真摯に
自分の敗北を刻みつけてみたい
でもそうするには抱えすぎてしまったんだよね
一番の美徳は往生際の悪さだってすでに気づいてしまったから
醜い心のまま日陰を這っていこう
あんたたちの代わりにそこを歩こう
確かに生きるという確信なんかなくても時間は好みを放っぽっていくものだ
だったら別にいちいち答えなんか出さなくたっていい
大事なものは残るし
いらないものは消えるのみだ
今日は一日中ひどい頭痛がして、早くに休むつもりでいたのに
つばをうまく飲み込めなくて目が覚めてしまった
両肩に石ころが詰まっていて
寝返りを打つたびにごろごろと痛い
ひっきりなしに喉が渇いて、だけど
便所に何度も行くのは億劫だから何も飲まないままやり過ごしたい
いつか押し殺した分だけ悲鳴が慢性化している、それは間違いなく内側から蝕むだろう
もしもみんなに許してもらえるとしたなら俺は間違いなくあんたたちのようになりたいよ
だけどそんなことあるわけもないから
負債の数に怯えながら日捲りに手をかける、希薄な音はまさしく俺の毎日そのもの
少しは覚えるものだと思っていた
うまくやり過ごすためのおまじないとか
なかったことに出来るような気の利いた仕草とか、いやあ
てんでまったくあのころと変わったこたあないね
進化も退化も笑えないようなところに来ちまった
だったら何も考えずにひたすら継続するのみさ、理屈っぽくなる真夜中には
これが何かをもたらすかどうかなんて考えなくていい
理屈っぽくなる真夜中には理屈だけは口にしちゃいけない
それは出生のように懐に隠しておくこと
脳髄の辞書を開いてこれに色をつけよう、少しは面白く読めるように
少しは
あの愛しい亡霊たちの愚かさに添えるように
擬似的に自殺しよう
擬似的に自滅しよう
擬似的に
無視できないような愚かさを試みてみよう、遺書で韻を踏んでみせれば本気とは思われないから大丈夫だよ
深く沈みこむファンファーレだって時には必要なのさ
躁鬱病の牧師は十字架に笑われる、信心深い保健所の職員は甘噛みがもとで死ぬ
チューニングメーターは真ん中で止まるのがもっともなお話
ほらまた誰かの残留思念が徹底的に敵わないものであろうとしている、俺以外にあれの意味を理解している奴が何人いるだろうか
俺は観念的に脳味噌をぶちまけているようなものだからそれをおぼろげに知ることが出来るのだ
レクイエムのディスクをトレイに乗せるより
気の利いた一行でも書き連ねて見せてよ
鎮魂なんてきっと嘘っぱちだから








何度も生まれてくる奴だって居るっていうご時世だってのにさ









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