2009/5/26

俺はそのまま死ぬ気はない(Visions Of War)  














むしり取られた神経から泣声ばかりが漏れる、濃縮された諦観の長雨だ、半分萎えた視神経が見つめたがるのはいつも俺自身の完全否定に繋がりそうな朽ち落ちた景色ばかりで、穿孔、穿孔、穿孔、穿孔、受け入れられるのは何も無い穴ぼこばかり
お前の神経は何だ、どれもこれも、オーバーヒートをやらかしたみたいに赤く焼け焦げちまいやがって、何を肯定しようとしている、そんななりで、そんな有様で、どんなものにオーケーを出そうとしているんだ、穿たれた、穿たれた、穿たれた痕跡ばかり、お前を安らかに見せる原因など爪の先ひとつも見つけられはしない
死体安置所でお前の身体をいじくりまわす検死医どもの薄笑いが目に浮かぶようだよ、お前はこの上ないセンセーショナル、お前の細胞のひとつひとつに生きとし生ける物たちが大喜びだ、むしれ、むしれ、むしれ、むしれ、死んでからの裂傷などたいして目立つような有様ではない
ゴ、ゴ、ゴ、ゴ、と、目玉の奥で何かが鳴っている、出て行こうとする、出て行こうとする、出て行こうとする感情の必死さだ、お前の心がお前の身体を否定しているのだ、お前の心がお前の身体を、お前を構成する細胞のプログラムそのものを、憎め、憎め、憎め、憎め、許して忘れることの出来る出来事なんてそうそうないはずだろうがよ、綺麗な顔をしようとするな、憎しみが渦巻いているのならそれがお前の表情そのものさ
俺は殺人を犯したいんだ、出来ることなら名指しで宣言したってかまやしないぜ、なぶり殺しにしてスカっとしたいんだ、アンタ、どうして顔をしかめる、そんな感情を抱いたことが一度もないなんて、はたしてアンタ宣言出来るのか?ああ、なるほどアンタは都合よくポジティブなんだな、俺のこの、俺のこの弱弱しい眼の色が判るかい、これがどんな感情を含んでいるのか?俺は生まれ変わろうなんて思わないぜ、生まれ変わって、光の下を歩こうなんてそんなに思わない、だって俺は憎しみを充分に愛しているから、憎しみが、神経を焼こうとするほどにそれをこらえてきた俺を知っているからさ、俺は殺人を犯したいんだ、憎しみが昇華するにはそれしか方法がないとしたらさ
指先まで粘っこい炎に焼かれているのを感じるんだ、それを思い出すとき、それを思い出す時にさ、俺はあの瞬間やあの瞬間を許そうとは思わない、あれを許そうと思ったことなど一度もない、俺は憎む、憎む、憎む、それが俺の血肉を満たしてきた、憎しみや、苦しみが
聖者のように生きた者だけが人生を肯定できるわけじゃない、そんなことも理解しないで俺は産道などくぐり抜けて来たくはない、100万の火薬庫をくぐり抜けて、赤くただれた肉体の痛みが教えてくれるものを真実と呼びたい、そうとも、俺はお仕着せの真実などにはてんで不感症なんだ、感じることが出来ない、感じることが出来ないぜ、何人もの手垢でそいつはベトベトになっているんだ、無条件に受け入れ体制が整っている奴らなんて自分の掌が汚れていることにもたいして気付けやしないのさ
爆弾を落とせ!激しく吹き飛ばしてしまえ!人間の破片が道々を埋め尽くすまで、投下、投下、投下、投下!オペラグラスで見つめるのだ、飛び散っていく、世界、爆弾を落とせ!破裂が見たい!ハード・ロックみたいな果てしない爆撃を眼下に繰り広げてくれ、吹き飛んでいく、吹き飛んでいく、吹き飛んでいく、俺の潜在的な、憎しみ、苦しみ、悲しみ、生まれてきてよかった、たくさんの死の花で俺の人生は飾られるのだ、穿孔、穿孔、穿孔、穿孔、受け入れられるのはいつでも何もない穴ぼこばかりだ
おろして、おろして、おろしてくれ、爆撃機の通り過ぎた破壊の道路の上に、死体の血を存分に吸ってくるから、おろしてくれ、俺をそこへおろして、もったいぶらないで、我慢出来ない、今すぐ欲しい、モラルが欲望に勝ることなどない、血が流れればすするさ、そいつが俺のモラルであり、勝利であり、死であり、生であり、成就であり、結末なのだ、焦げ臭い、赤黒い血液がまだ温かいうちに、さあ、さあ、パイロット、俺をそこへ
はっ、はあ!俺はたまらなく愉快になるんだ、俺のこうしたくだらない話に本気で眉をしかめるやつらがいる!俺は冗談を言ってるだけだぜ、冗談を言って、ほんの少し愉快な気分になろうと目論んでいるだけなんだ、判るだろう、殺したいって思ったことあるだろ?無いのか?お前らは回教徒か?いや、多分あるぜ、回教徒だって、多分、回教徒に限った話じゃないさ、神が絡めば鉄砲撃っても聖戦だものな、そこで死んでるものはおんなじなのにさ、殺したいって思ったことあるだろう、認めちまえよ、認めちまいなよ、お前が大切にしてる綺麗な世界なんて、指のひと突きで壊れちまう程度のものさ、俺は殺人を犯したいんだ、なあ、お前、





殺されるって思ったこと、ないのか?














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タグ:  殺人

2009/5/6

死の花・言説アドレサンス  













蠱毒の蠢きを
舌の先で舐めながら
に、いち、にの
拍子で噛みちぎる


春の息吹
散らかした喰いかすは
この世の
死体めいている


目を開けぬまま息絶えたアドレサンス、生温いうめきを隠した喉笛が今夜初めて精通の猛りを打ち放つ、おお、おおお
古い世代のこの俺、新しい放出を知る、呪いの挙句の浄光、乱れまくって俺許される
腐敗していなかった、閉じ込めたままの昔、生温いうめきが、ほんものの熱に変わる瞬間、快楽と呼んで差し支えない、ほどの
満ち足りた呪具のなれの果て、成就だ、成就だ、俺は報われた
暗がりから日向へのひとっとび、俺が求めていた跳躍だ


誰にも判らなくて結構だ
誰にも知られなくて結構だ
俺は死骸にくちづけをする、俺は死骸にくちづけをする、俺は死骸にくちづけをする、俺は死骸に
たくさん死んだ、たくさん死んだ、たくさん死んだからこそこの世の俺が満ちる…犠牲の上に胡坐をかく瀬戸際の命だ、月の無い夜を眺めながら
俺は灰色こそを認めてここまでやってきた、その結果がここにあるのだ
答えなど求めるものではない、答えなど手にしてしまったらひとたび踏み外せば二度と帰っては来れないのだ、どちらともない
迷いとも覚悟とも知れぬ領域こそが真実なのだ


閉じた窓の、向こうから忍び寄る曇りの風はまるで怒りを解くための呼吸のようで、俺は嘲笑するのだ、俺の為にそれらの出来事がかつてあったので、同じようにほどいてやるのだ、呪いか、呪いか、お前もやはり呪いなのか
俺はさまざまな呪いを見た、そのほとんどは俺の中にあった、だから俺はそれを生きることに決めたのだ、俺は逆さ十字架のようなものだ、腹のうちにそれしかなければ、抱いて生きることこそが健全というものだ
怒り、血、穢れ、辛苦…俺はそれを喰らい溜め込み、押さえつけ、痛み、下し…気の利かない連発銃のように勿体をつけたテンポであちらこちらにばら撒いていくのだ、奥底にずっとため込んでいたものなどはガチガチに凝固しているから
誰かがそれを頭に受けて倒れたりはしないかと


期待しながら


小鬼ども!暴れる時が来たぞ!隙間から潜り込み、呪など知らずにいた者どもの皮を剥いでやれ!悲鳴をここへ届けろ、悲鳴をここへ…負を屠って生きるこの俺のところへ…ああ、かぐわしい恐怖の匂いだ、胃袋が破裂するまで注いでくれ…呪いの生まれるわけを知ってるか、あらゆる断絶、あらゆる絶望…そんなものをなめてきた者たちが生きるためにひねり出した力なのだ、呪いを知らない者達にはそれが判るまい、皮を剥げ、小鬼ども、皮を剥げ…呪いを知らない者どもの皮は薄くて破れやすいぞ


ああは!死体まみれだ!取り囲むものものがすべて死滅している!臭気はない、臭気などまるでない、いつから死んでいたのか、いつからそこでどいつもこいつも死んでいたんだ、臭いの無い死は静かなものだ、俺は死体こそ愛せる、形があり、臭いがない、死体…命の入れ物こそをどこまでも愛そう、果てしなく愛そう、こいつらは絶望を知らない、それはもうすべて終わってしまったから…呪いは成就するのだ、こんな風に
土に埋められ、餓えの挙句に首を刎ねられた犬の魂は声なき声を上げながら登っていく、ありがとうよ、ありがとうよ、犬ころ!お前の餓えは俺を満腹にした…!


非情だろう、どうだ非情だろう、非情過ぎるだろう、死、というやつの在りかたは?それは絶対だ、それは絶対なんだ、この世で絶対と呼ばれうるのは、非情なるもの、それだけなのさ
飴玉をなめるように眼球を転がせ、舌の上で…


真実は快楽だ、俺はそのために生き続けてきた
非情なるものの確かさが放つ甘美な汁を、アドレサンスの陰茎で余すところなく受け止めるのだ、おお、放出、放出、放出…!快楽に名前をつけろ、快楽にお前だけの名前、お前だけが求められるものを、お前だけの呼び方で読んでやれ、呪いの成就、呪いの成就、俺の魂の精通、本当だ、ここにあった…


俺の脳天から、目玉から、すべてを埋め尽くすほどに吐き出されたあらゆるもの、死の花の、声なき世界の至極もっともな美しさの、ああ、散れ!散れ!散れ!散れ!!!!俺の舌先だけはお前に受け止めていてほしい



アドレサンス
俺は
生き続けるのだ
















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