2009/5/6

死の花・言説アドレサンス  













蠱毒の蠢きを
舌の先で舐めながら
に、いち、にの
拍子で噛みちぎる


春の息吹
散らかした喰いかすは
この世の
死体めいている


目を開けぬまま息絶えたアドレサンス、生温いうめきを隠した喉笛が今夜初めて精通の猛りを打ち放つ、おお、おおお
古い世代のこの俺、新しい放出を知る、呪いの挙句の浄光、乱れまくって俺許される
腐敗していなかった、閉じ込めたままの昔、生温いうめきが、ほんものの熱に変わる瞬間、快楽と呼んで差し支えない、ほどの
満ち足りた呪具のなれの果て、成就だ、成就だ、俺は報われた
暗がりから日向へのひとっとび、俺が求めていた跳躍だ


誰にも判らなくて結構だ
誰にも知られなくて結構だ
俺は死骸にくちづけをする、俺は死骸にくちづけをする、俺は死骸にくちづけをする、俺は死骸に
たくさん死んだ、たくさん死んだ、たくさん死んだからこそこの世の俺が満ちる…犠牲の上に胡坐をかく瀬戸際の命だ、月の無い夜を眺めながら
俺は灰色こそを認めてここまでやってきた、その結果がここにあるのだ
答えなど求めるものではない、答えなど手にしてしまったらひとたび踏み外せば二度と帰っては来れないのだ、どちらともない
迷いとも覚悟とも知れぬ領域こそが真実なのだ


閉じた窓の、向こうから忍び寄る曇りの風はまるで怒りを解くための呼吸のようで、俺は嘲笑するのだ、俺の為にそれらの出来事がかつてあったので、同じようにほどいてやるのだ、呪いか、呪いか、お前もやはり呪いなのか
俺はさまざまな呪いを見た、そのほとんどは俺の中にあった、だから俺はそれを生きることに決めたのだ、俺は逆さ十字架のようなものだ、腹のうちにそれしかなければ、抱いて生きることこそが健全というものだ
怒り、血、穢れ、辛苦…俺はそれを喰らい溜め込み、押さえつけ、痛み、下し…気の利かない連発銃のように勿体をつけたテンポであちらこちらにばら撒いていくのだ、奥底にずっとため込んでいたものなどはガチガチに凝固しているから
誰かがそれを頭に受けて倒れたりはしないかと


期待しながら


小鬼ども!暴れる時が来たぞ!隙間から潜り込み、呪など知らずにいた者どもの皮を剥いでやれ!悲鳴をここへ届けろ、悲鳴をここへ…負を屠って生きるこの俺のところへ…ああ、かぐわしい恐怖の匂いだ、胃袋が破裂するまで注いでくれ…呪いの生まれるわけを知ってるか、あらゆる断絶、あらゆる絶望…そんなものをなめてきた者たちが生きるためにひねり出した力なのだ、呪いを知らない者達にはそれが判るまい、皮を剥げ、小鬼ども、皮を剥げ…呪いを知らない者どもの皮は薄くて破れやすいぞ


ああは!死体まみれだ!取り囲むものものがすべて死滅している!臭気はない、臭気などまるでない、いつから死んでいたのか、いつからそこでどいつもこいつも死んでいたんだ、臭いの無い死は静かなものだ、俺は死体こそ愛せる、形があり、臭いがない、死体…命の入れ物こそをどこまでも愛そう、果てしなく愛そう、こいつらは絶望を知らない、それはもうすべて終わってしまったから…呪いは成就するのだ、こんな風に
土に埋められ、餓えの挙句に首を刎ねられた犬の魂は声なき声を上げながら登っていく、ありがとうよ、ありがとうよ、犬ころ!お前の餓えは俺を満腹にした…!


非情だろう、どうだ非情だろう、非情過ぎるだろう、死、というやつの在りかたは?それは絶対だ、それは絶対なんだ、この世で絶対と呼ばれうるのは、非情なるもの、それだけなのさ
飴玉をなめるように眼球を転がせ、舌の上で…


真実は快楽だ、俺はそのために生き続けてきた
非情なるものの確かさが放つ甘美な汁を、アドレサンスの陰茎で余すところなく受け止めるのだ、おお、放出、放出、放出…!快楽に名前をつけろ、快楽にお前だけの名前、お前だけが求められるものを、お前だけの呼び方で読んでやれ、呪いの成就、呪いの成就、俺の魂の精通、本当だ、ここにあった…


俺の脳天から、目玉から、すべてを埋め尽くすほどに吐き出されたあらゆるもの、死の花の、声なき世界の至極もっともな美しさの、ああ、散れ!散れ!散れ!散れ!!!!俺の舌先だけはお前に受け止めていてほしい



アドレサンス
俺は
生き続けるのだ
















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