2019/7/23

月の下、ふたつの孤独  小説








 周辺の木々が溶け込んでいるせいで、夜の闇は微かなグラデーションを描いていた。かつては堅牢だっただろう鉄の門は、血を被ったみたいに赤く錆びて、左側は門柱に繋がる可動部分のところから壊れて落ちていた。その奥に続く上り坂は、四方八方に伸びた草が作り出すトンネルに覆われてどこまで続いているのか判らなかった。小さなマグライトで辺りを照らしてみたが、それがどんなものの入口なのか教えてくれるものはなにもなかった。いつもならそこで引き返していただろう。でもその時の俺はなにか、そのまま帰りたくない気分だった。二年前から突然始まった不眠、夜を凌ぐための散策にもそろそろ飽きていた。このあたりで少し、気分を上げてくれるような凄いものを見つけてみたくなっていたのだ。適当な長さの木の枝を拾って、前方を払いながら少しずつ進んだ。主の居なくなった蜘蛛の巣や、折れた枝や落葉が積もりたいだけ積もった路面を、小さなマグライトひとつで歩くのは骨だった。けれど、不思議なほど引き返す気にはならなかった。はっきりとは言えないが、もともとは二車線程度の舗装道らしかった。テーマパークだろうか、と俺は予想した。それにしては山奥過ぎる気もしたけれど―果たしてそれは予想通りで、半時間も歩くとありがちな夢の国へのゲートが見えた。失笑を呼ぶような貧相なキャラクターが巨大な看板に描かれて俺を見降ろしていた。十年近くこの土地に住んでいたけれど、そんなものがあるなんて知らなかった。俺は廃墟好きで、インターネットでもよくそんなものを見るけれど、おそらくそんなサイトにも取り上げられたことはない場所だろう…それに、廃墟サイトも以前ほど盛り上がっていないし。ともあれ、眠れない夜の余興にはもってこいの場所だった。俺は子供のように浮かれた気持ちになりながら入口を潜った。ゲートのところに閉園の挨拶が残されていた。必死で読んでみようとしたが、ほとんどが掠れて読めなかった。「19」という西暦の最初の二文字が読めただけだった。そんなもの、なにも判らないも同然だ。

 様々な有名どころの美味しいところだけを取ろうとして、すべてが中途半端に終わっているようなアトラクションの数々だった。けれど、電気を止められ、二度と動くことなく錆びついていくだけのそれらはたまらなく魅力的だった。無機物の死体は腐ることはない、人間と違って。彼らはおそらく生涯よりも長い死を生きるだろう。楽し気に彩られた動物を模した乗り物の表情は、そんなことを語りたくて笑い泣きをしているみたいに見えた。開けているせいで月の光を遮るものが無く、散策には困らなかつた。土産物屋やレストランに入り込んで、休憩をしながら二時間ほどが過ぎた。

 メリーゴーランドのゴンドラに乗り込んで休んでいる時だった。背後のガラスがノックされた気がした。風かなと思って振り返ると、汚れた窓からこちらを覗き込んでいる女が居た。ぎょっとしたが、足音がしたので生きているんだと思った。
 「なにしてるの、こんなとこで。」
  女はそう言いながらゴンドラの中に入って来て、俺の向かいの椅子に腰かけた。顔の輪郭を覆うくらいのボリュームのないショートヘアーで、切れ長の鋭い目をしていた。
「なにって…暇潰しかな。」
 「良い子は寝る時間。」
 「生憎不眠症なんだ。」
 あらら、と女は目を大きく開けた。まだ二十歳にはなっていないだろう。
 「本当に居るんだ、そういうひと。」
 俺は苦笑した。
 「俺もそう思ったよ。医者に言われたとき。」
 ふふふ、と女は楽しげに笑った。
 「おじさん名前は?」
 「湯江。」
 ゆえ?と女は首を傾げた。
 「それ、苗字?」
 俺は頷いた。
 「名前は?」
 「升。」
 「みのる。」
 「変な名前。」
 俺は同意した。
 「役所とかでよく聞かれる―外国のかたですか?って。」
 今度はあはは、と笑う。失礼なもんだが、悪気は感じられなかった。
 「仕方ない。」
 「そうだね。君の名前は?」
 「優衣。」
 「苗字は?」
 「捨てた。」
 「ふうん。」
 いろいろあったんだろうな、と思って俺は何故か聞かなかった。優衣は、それが気に入ったようだった。少し親密な感じになってにんまりと笑った。
 「とっておきの遊びがあるんだけど、やってみる?」
 「それって…」
 「いやらしいおじさんが考えるようなことじゃないよ。」
 俺は苦笑した。
 「それなら、やってみよう。」
 優衣はさらに俺を気に入ったようだった。

 数分後、俺たちはジェットコースターの乗り場に居た。それほど大きくはないコースターが、俺はどうしてまだここに居るんだろうというような顔をしてもう来ない客を待っていた。優衣はその車両の前に降りた。
 「あたしが走って逃げるから、おじさんは捕まえて。鬼ごっこ。」
 「マジかよ。」
 優衣はにやにやした。
 「怖い?」
 「そりゃ、怖いよ。錆びてるぜ、このレール。」
 「それは大丈夫。あたし毎日ここ走ってるけど、どこもおかしくないよ。色が変わってるだけだよ。」
 優衣は挑戦的な笑みを見せた。判ったよ、と俺は言った。
 「お前を信じて、やってやる。」
 そう来なくっちゃ、優衣は叫んで、レールの上を全速力で駆け始めた。

 月明かりに照らされた廃遊園地のジェットコースターのレールを俺たちは躍起になって走った。優衣は時々振り返って、俺がきちんとついて来ていることを確認した。俺は初めこそ恐る恐るだったが、吹っ切った今となっては全速力でも走れるようになった。ただ、日ごろの運動不足は如何ともしがたい。時々立ち止まって呼吸を整えなければならなかった。俺がそうなると優衣は走るのをやめて、窺うような仕草をした。もう追いかけっこじゃないな、と俺はまた苦笑した。というか、優衣のほうも初めからそのつもりではないみたいだった。追いかけっこは、このあとになにかを見せるための口実だろう。俺の目にはさっきからループ・コースが見えていた。あそこで優衣は、なにかを仕掛けるつもりなんだ。俺は立ち上がり、また走り出した。優衣も満足げにまた先を急いだ。毎日走っているというのは本当だろう。体力も、足さばきも見事なものだった。ループまでそんなにはかからなかった。そんなに大きなコースじゃない。普通に乗ればあっという間のものだろう…驚いたことに、優衣はレールに手をかけてそこを上り始めた。嘘だろ、と俺は呟いたが、その確かな動作に考えを改めた。まいったな、本気だよ…付き合うと言った以上、俺がそこで尻込みするわけにはいかなかった。決して上れないほどのものではないだろう。覚悟を決めて、優衣の後を追った。優衣はあっという間に頂上に達した。そして、これまた驚いたことに、そこから地上へとダイブした。
 「おい!」
 俺は恐怖も忘れて出来る限りの速度で頂上へと上った。そこから優衣が飛んだ辺りを見下ろしてみたが、そこはちょっとした林になっていて地面を見ることは出来なかった。さすがに飛び降りる気にはなれなかったが、なにかがおかしかった。優衣は自殺するようなタイプに思えなかった。それとも、俺にそれを見せることが楽しくてはしゃいでいたのだろうか?なにかがおかしい。俺は迷った。なぜか、あまり迷う時間はない気がした。優衣のしたことをそのままなぞってみるしかない。でも本当に―?時間に追われ、考えるのが面倒臭くなった。いま思うと本当に馬鹿げたことだが、俺はイチかバチかでそこからダイブした。

 落下のあいだ、いろいろなものが脳裏を通り過ぎた。そこには、不眠症の原因になったのだろういくつかの出来事もあった。そんなことはもう忘れていた。過去は俺から無くなっていた。おそらく、未来もそうに違いない。これが正しい選択なのかもしれない。このまま―そこまで考えたところで、俺は着水した。ゆっくりと川底に着き、反射的に蹴り上げた。ようやく水面に辿り着き、岸を見つけて這い上がった。そこに仰向けになって気持ちを落ち着けていると、優衣がどこかから現れた。当然、俺と同じようにずぶ濡れだった。優衣は年齢の判らない笑みを浮かべて、月の光を遮りながら俺を見降ろしていた。そして、飛んだんだ、と小さな声で言った。俺は誇らしげに頷いて見せた。冗談のつもりだったが、優衣は笑わず、俺に寄り添うように寝転んだ。
 「飛んでくれたんだ。」
 ああ、と俺は言った。
 「絶対、なんかあるんだろうと思ったんだ、なぜか。」
 優衣は少しの間俺の顔を見ていたが、やがて口元を両手で隠しながら笑った。なぜかそれは泣いているみたいに見えた。

 少し休んでから俺たちは歩いて、とある建物へついた。着替えがたくさんある、とのことだった。従業員のための施設らしい。俺たちは一番現実に近いクリーンスタッフのものを着た。もちろん少し離れて。それから優衣に誘われて展望台へ行った。草に塗れながら静かにフェイド・アウトしていく冴えない遊園地の全貌がそこに在った。手すりにもたれて俺はそれに魅入った。死んでいく遊園地。それと意味のない人間。
 「こっち見て。」と、優衣が言った。俺は優衣の方を向いた。
 「あたしと一緒に、ここで生きて。毎日追いかけっこして。誰にも知られずに、二人だけで生きて。」
 俺は黙って優衣の目を見た。それは悪くない選択に思えた。上手くは言えないが、そんな人生があってもいい気がした。世界はキュークツ、そんな歌があったことを思い出した。俺がすぐに答えないので、優衣は不安になったのか、いろいろなことを言った。果樹園もあるから食べ物には困らないとか、お風呂はさっきの川だとか。月はずいぶんと高くなって、色を失くそうとしていた。夜明けまできっと数時間程度だろう。









                                      了


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2019/7/19

僕らはいつも自分だけの譜面を探しているように  












僕らの切り損ねた爪は廊下の板の隙間から果てしのない奈落へと落ちて行った、僕たちはなすすべがなく、神経症的な音楽の中野先生のピアノに合わせて「帰れソレントへ」を各々のパートに分かれて歌うのが精一杯だった、先生のピアノの譜面台にある八分音符の尻尾は僕らの喉仏を貫けるほどに研ぎ澄まされていて、おかげで僕たちは音楽の授業があった日の夜はいつも、毒薬を嚥下するような小さな音を立てて先生が踏みつけるダンパーペダルの夢を見た、音楽室だけは常に空調が稼働していて、それはおそらく楽器がたくさんあるからなのだけど、夏の教室に慣れ過ぎた僕たちはたびたびそのせいで鼻の具合を悪くした、先生にはわからないんだ、だって彼はずっとそこにいるんだもの―アキは歌が苦手で、それでも口パクをしていると先生にはすぐに悟られるから(なんでも全員の声を記憶しているという話だった)、すごく小さい声でメロディを追っていた、歌がヘタだからこれで許してください、と暗に懇願しているボリュームだった、音楽の授業はなぜいつも歌わされるばかりなのだろう、とそんな彼女を見るたび僕は思うのだった、歌が苦手な生徒は楽器を覚えるとかにすれば誰も嫌な思いをしないで済むのに―あるいは体育の授業のように見学が許されるとか、とにかく楽しくない音なんてタイトルに反しているといつも考えていた、無数の穴が開いたボードに囲まれた部屋の中で朗々と声を張り上げている人には、アキの気持ちなど決して理解出来ないのだろう…僕は先生の歌い方が嫌いだった、実力だ、集中力と確かな感性だ、先生の歌声からはそんなものしか感じられなかった、それは先生の声でありながら、先生自身を語るものでは決してなかった、他の上手なだけの誰かと取り換えが利くものだった、そんなものが正しい歌であるはずがない、正しい音楽であるはずがない―でも、便宜的な正しさによって統一された小さな社会の中でそんなことを思っても仕方のないことだった、広い校舎の中で、そのイデーに支配されていない場所はトイレぐらいだった、だから僕らは休み時間のたびに無意識にそこに向かって歩いていたのだった―昼休み、僕が校庭のベンチに腰を掛けて食堂の入口で売っている小さなパンを食べていると、三日に一度くらいの割合でアキが通りがかって、ちょっとした話のついでに並んで昼食を食べて行った、特別な話は別になかった、たわいもない共通の話題、小テストや担任のことを話しただけだった、僕らはともにそういう話をするのに最適な相手だった、いまにして思えばなにかしら共通の感覚がそこにはあったのだろう、そしてどうしてかわからないのだけど、僕は彼女と昼休みに話すと、不思議と五時間目をサボタージュしてしまうときがあった、もちろん単位というものがあったから毎度毎度というわけにはいかなかったけれど…それは僕自身とても不思議に感じている現象だった、何ヶ月もそれについて頭を悩ませてみた結果、おそらく僕があまり学校で人と話をしないせいなのだろう、という結論に至った、だから、たまにアキと話をするとなんというか―そこで暮らすために構築したリズムみたいなものが少し乱れてしまうのだろう―そんな考察は当たっている気もしたし、まるで間違っているようにも思えた、でもそれ以上突き詰める材料もなかったし、根気もなかった、だから僕は未確認飛行物体の研究をするみたいに、時々そうやってアキと話をした、放課後は時々所属している映研の部室でゴダールを観た、もちろん、高校生にゴダールなんてちゃんと理解出来るわけはないのだけれど、名作と呼ばれるものをいろいろと観た結果、それがなんだか一番心を惹きつけたのだ、それはきっと内容がどうとかではなくて、台風の後の不思議な色の夕景が忘れられないとか、そんな感覚に近いものがあったのだと思う、他の部員もまめに顔を出すやつは少なくて、僕と同じように時々やって来ては自分の好きな映画を観る、という感じで、部でありながらその活動は非常に個人的な、身勝手で自由なものだった、僕たちが卒業してから映研は廃部になって、部室は物置になったと一度だけ電話をかけてきたアキに聞いた―そんなことを思い出したのは週末の夜遅く潜り込んだバーのテレビで流れていた「気狂いピエロ」のせいだった、いや、もしかしたら、それを観ながら飲んだジン・ロックのせいだったかもしれない、金を払って店を出てから、不意にアキの声が聞きたくなった、電話番号は覚えていなかった、尋ねたことすらなかったような気がする、雨が降っていたけれど傘を買う気にはなれなかった、今夜はもしかしたらダンパーペダルの夢を見るかもしれない。











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2019/7/14

知ろうとするそのときにだけ大きく見開けばいい  











過去はまやかしで現在は一瞬、未来は与太話で人生は蝶が見る夢、塵芥掻き回しながら汗みどろの俺はなにもかも知りながら徒労を繰り返す、滑稽だって?では教えろ、懸命さとはどのみち、そうしたことでしか先へ進めないのではないか?「こんなものは無駄だ」とこぼしながら、有り余るときにはなにもせず、結局はほとんどのものが水泡に帰していく、よれたサランラップみたいな水面に、ひとりごとのような弾ける音がする、ひとつ、ふたつ…まるで楽譜を忘れた楽団の早過ぎる終演だ、そのあとのメロディーは辿られることがなかった、では教えろ、懸命さとは所詮、後ろめたさの贖罪に過ぎないのか、なにかを選ばなかった、なにかを選んでしまったそのことで生まれたいくつもの軋轢への…理由など求めることに意味はない、そう、何度も言ってきたことだ、理由には意味はない、行動し続けることだ、けれど―理由をないがしろにしてしまうこともまた愚行だ、あやふや過ぎる動機には腑抜けた意思しか語ることは出来ないだろう、ふたつの極の間を絶え間なく行き来することだ、速度を変え、視点を変え、感情を変えて…あやふやな、曖昧なものでありながら、見失ってはならない線というのは必ずある、ヒトの骨格のように確かなもののことだけはきちんと感知していなければならない、俺たちは生きながら骸骨にはなり得ない、だから内側を剥き出しにしようとする、人生に食い込み過ぎた連中の末期症状だ、俺は震えている、全身を駆け巡る微弱な生体電流に感電している、そういうことは必ずある、探し過ぎた爪は痛みを感じるものだ、そうは思わないか?ある種の確信めいたものに到達するには途方もない時間がいる、おまけにそれは流動的に過ぎる、流れを失うな、けれどある時にはとどめなければならない、そんなものの扱い方など子供の内にわかるようなものじゃない、確信のある連中なんか捨て置いておくことだ、彼らは楽な手すりを掴んでよっと一度這い上がっただけなのだから…進んだのか?どこへ?上に登ったのか、前に進んだのか、後退したのか、地下へ潜ったか―本当にどこかへ行こうとしている連中にはそんなことまるで理解出来ない、なぜなら彼らの動力は懸命さだからだ、強迫観念とも呼べそうな羅列の欲望にさいなまれて、血眼になりながら吐き出している、どうだ、このリズムか、この旋律か、歌おうとしているもののことは、いつだって俺が一番知りたがっている、放電だと例えられたことがあった、それは俺はとても気に入っているよ、放電、まさにそれだ、言ったろ、震えているって―おそらくはそいつらの軌道を俺は書き写そうとしている、言葉による現象の模写だ、その目的により俺の思考は俺の全身をくまなく駆け回る、綴るのに必要なのは決して、頭と指先だけではない、己個人、それすべてが必要になる、そうでなければよく出来た嘘になってしまう、だから俺は、すべての糸が絡まることを悪いことだとは思わない、真理を端的に言い表せるのは、おそらく神と呼ばれる年寄りだけだろうさ、神はひとつの大きな概念に過ぎない、ヒトによって翻訳された神など俺は信じようと思わない、目を閉じてみろ、そのときお前を覗き込んでくるのが本当の神だ…俺は電流を化けさせながら、その神に祈り続けているのだ、お前の真実を晒せ、お前の真実を寄こせと―神は黙っている、どんなアクションも寄こすことはない、そうさ、いつだってそうなんだ、あれは俺たちをただ眺めているだけに過ぎない、ただそれが、俺たちよりもほんの少し長い時間そうしているってだけのことさ、つまりだ、それは思考であって思考ではない、意識的でありながら無意識の領域にあるもの、知覚出来ているのか出来ていないのか―そんなもののために俺は生きているんだ、お題目が必要なものじゃない、生まれたときに始まり死ぬときに終わる、なあ、一生遊ぶことが出来る代物さ、それがわかるから止めることが出来ないんだ、いまは二十二時過ぎで、カーテンで隠された窓の向こうでは静かな雨の音がしている、こんな夜が何度あっただろう、そして、これから何度訪れるのだろう、俺は指を止めてカーテンを眺める、答えは風の中、って、よくいったもんだよな…それは一瞬で通り過ぎてしまうってことさ、初めて聴いたときにはそんなことわからなかった、きっとディランは俺よりもずっと早くそのことに気づいていたんだろうな、なんて考えながら少し前から俺はずっと、このしたたりを終わらせてくれるものを探している、もう少しでそれはやってくるだろう、そうすれば俺はすべてをしまい込んで、なにかを成しとげたような顔をして眠ることが出来るだろう―もしかしたらそれは、俺自身よりもあんたのほうが、強く感じることが出来るかもしれないな。






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