わたしたちは死体のようにただ希望を受け止める  




















薄暗い部屋に降り積もるものは
決して言葉には変えられないものだから
静かに瞳を閉じて
それが浸透するのを待ちなさい
あなたは自らそれを
うたにしようとしてはならない
血に変わる前に解きほどいたら
あなたのなかで塵になって死んでしまうものだから

詩人であるために
綴ってはならない時がある
渦巻くものを抑え
放ってはならない時が
あなたは鏡を見つめ
自分の目が歪んでいることを知るだろう
どんな真実を望もうとも
聖者のように生きることは不可能だ
あなたは水を流し
それを顔にあてるけれど
疲弊した肌は決して以前のように輝きはしないだろう

冷たい夜に
緩やかな兆しだけが更新される
それは
ほんの僅かな希望であり
ほんの僅かな未来である
見失わぬように
逸る心を殺し
いまはそれが
あなたを知るのを待ちなさい

わたしたちは選ばれる
その指先が
本当に綴るべき言葉たちに
それは種のように蒔かれ
芽吹くように生まれる
あなたがただ
急ぐだけの物書きでないのなら
その時を取り逃すことは
間違いなくないだろう

敗北を恐れるものたちは
ただただ沈黙を怖がり
意味のないものばかりを
テーブルにぶちまける
殴りつけるためだけの
貶めるためだけの意味のない言葉
よくお聞き
如何に昂ろうとも
如何に荒ぶろうとも
恐怖に支配されたあなたの矛先は
自分の足元に穴を空けるだけの些末な泣声だ

聞きなさい
聖者のように生きることは出来ないが
美しいものを作り出すことは出来る
自分の命のために心を開き
こだわりに囚われず
水が流れるように
そこにあるものを思いつくままに並べなさい
それがどんなものか
あなたは判らないかもしれない
けれど
不安になってはいけない
本当に何かを知ろうとする時は
必ず
途方もない時間がかかるものだから

理由や
意味や
韻律や
規律を
いますぐに求めるのはやめなさい
それはあなたの
あなたのための真実の邪魔になる
あとで如何様にも出来ることが
あなたの指を妨げる枷となってはいけない

この先、たくさんの時間をそうして老いてゆくたびに
わたしたちは真っ白な荒野に立つだろう
途方もない景色の中で
わたしたちは呆然とするだろう
詩人であるために
綴ってはならない時がある
わたしたちは、あなたたちは
なんのために手を上げたのか
たったひとつの心を大切に書くために
本当に必要なものは果たしてなんなのか?

わたしたちはもう
真実をあまり必要としなくなるだろう
真摯な疑問符がそこに続く限り
それがわたしたちの




正当な
理由となるだろう








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