気まぐれな時計のリズムはメトロノームでとらえられるのか?  











性急で乱雑な、まるで最期の煌めきのようなビートに群がる羽虫のような俺の心音、歯をカチカチ鳴らして、食らいつく場所を探している、硬すぎるか、速すぎるか、それとも不味すぎるかーおや、顎が疲れてきたみたいだな、欠片ひとつも飲み込めず、哀れなものだ…目を閉じているとそんなヴィジョンがとめどなく流れ出してくる、それはただの妄想なのか、それとも示唆か、それとも思い出話なのか?どのみち俺はこれから眠る以外にすることはないのだ、連続性ー連続性だって信じているけど、本当は途切れ途切れだ、生身を削るような作業を四六時中続けるわけにはいかない、飯を食うために日銭を稼ぎながら、やれやれと椅子にもたれかかる時間を使っているだけだ、そのたびに思い出しながら、研ぎ澄ませながらー立場がどうだの、肩書がどうだのと、自分の心を賭けられない連中が言い訳めいた話をしてる、そんなの俺にとってはもうどうでもいいことだ、俺は俺のやるべきことにひたすら首を突っ込んでいくだけさ、いったいなんだってそんなに、カテゴリーって名前を首輪に自ら首を差し出していくんだい、最低限の暮らしが保証された人生ってそんなに魅力的なものかい?いや、俺だって諸々の理由で、そんなものを欲しがったころもあったよ、けれどそんなもの、結局なんの意味もないんだって気づかなくちゃ…きっとそのことで運命的な一行を無駄にすることだってある、俺はそう思うんだよな、なあ、殊更に、そうー歳をとると成長ってやつを自覚したがったり示したがったりするような連中がいるけれど、ねえ、こう思うんだよ、人間ってものは別に成長したりなんかしない、死ぬほど追い求めたなにかに特化していくだけなんだよ、それがたぶん本当なんだ、だって、ご覧よ、そんな主張を続けてる連中なんて他人に絡まなくっちゃなにも出来ないだろう、自分の中に確固たるものがないからそんな真似をしなくちゃいけないのさ、俺はそんなものただただ馬鹿らしいと思うぜ、大事な時間の無駄遣いってやつさ…そう、本当にねーおそらくだけど俺だって、自分がなにを追い求めているのかなんてまだ完全には理解出来ていない、昔よりはずいぶん輪郭がはっきりしてきたようには思えるけどねーでもそれは一生分かることはないんだっていうことはなんとなく分かってきた、それがなにかを知ることが命題じゃないっていうかさ…変なたとえだけど、自分の心臓が動いているのが見えないからって生きてるか死んでるか分からないなんてことはないだろう?だからそれはそれでいいのさ、生きて動きながら追い求めている以上、少しずつかたちを変えている部分もあるだろうしね…なにが言いたいかっていうと、もうくだらないことはしたくないって、それだけさ、残り時間もあとどれだけあるか分からないしねーといって、こんな歳になっても特別ひどい不調もべつにありはしないけど…なんて言うか、あんまり遮二無二唾飛ばすのもなんか違うなって思うしさ、どちらかと言えば無駄な力を抜いて、指先にすべてを任せてみたほうがいいような気がするね、突貫工事に出来ることなんか限られているだろう?時間をかけるべきさ、時間をかけて、ゆっくりと練り上げたものを静かに差し出すべきなんだ、やかましいものだけが情熱じゃない、激しい炎じゃなくても、すべてを燃やし尽くすことは出来るさ、俺が示してみせたいのはそういうものなんだ、どこそこ公園の猿じゃあるまいし、目の前の餌のことで血が出るほど争うなんて馬鹿みたいだろー?いや、だけど、こんなスタイルに依存しているようじゃ、まだ俺の中にも少なからずそんな要素が隠れているのかもね…まあいいさ、どこからがこうで、どこまでがこうだなんて、あれこれ制限を設けても仕方がない、形式的なこだわりは本質を殺すものさ、有名な宗教を例に挙げるまでもないだろう?イマジネーションにおける制限なんて、生きてるか死んでるかってことだけさ、他にどんな仕切りも要らない…美しい話じゃなくたってかまわない、どこに誰に伝わらない話でもいい、自分自身がそれに手応えを感じるなら、それで万事OKだ、あんまり年寄りみたいなこと言いたくはないけどさ、詩人は歳を取ると、その言葉はどんどん自分にしか分からないものになっていくんだ、自分だけの言葉に、同じ面をした自分だけの言語になっていくのさ、そういうもんだぜ、だから俺は思うんだ、自分がこれだと思うことをやり続けていかなくちゃいけないんだって、コンビニの棚に並べる商品を作ってるわけじゃないんだ、俺以外のことなんか知ったこっちゃない、気に入れば手を叩いてくれればいいし、気に入らなけりゃこき下ろしてくれりゃいい、だってそのどちらも俺には関係がないことだからね、そういうものを、こう…人目につくところにさっと置いてみることもさ、俺はなんだか面白くってしかたがないんだよな。











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