水分をとりすぎない!
私たちの体には、熱を産むメカニズムがもともと備わっています。にもかかわらず、なぜ、
現代人の体温はどんどん下がっているのでしょう?
その理由
D水分のとりすぎ
「ミネラルウォーターをたくさん飲めば、健康になれる」と
思っていませんか?
テレビや雑誌などで、たくさんの医学者や有名人などが「入浴やスポーツの前後にはたっぷり水を補給しましょう」とか「美容には1日1〜2リットルの水が必要」などと言うものですから、
飲みたくないもないのにガブガブ
飲み、逆に体調を崩す人が増えています。
もちろん、のどが渇いて心の底から「水が飲みたい!」という場合は飲んでもかまいませんが、「血液がサラサラになるから」「やせるから」「美肌にいいから」など、根拠のない思い込みで無理やり流し込むのは危険です。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」。
たとえば、植物を育てるとき、水をやりすぎるとどうなるでしょう?根腐れして、やがて枯れてしまいますね。
また湿気が多い日や、雨がしとしと降る日は、不快指数が上がり、気持ちがゆううつになったり、体がだるくてやる気がなくなったりします。
これは、
水分過多によって体が冷えるためです。
さらに、過剰な水分は
「冷え」だけでなく、
「痛み」をも引き起こします。
「雨が降って寒い日は、頭が痛くなったり、膝や腰の関節が痛む」という経験はありませんか?
雨に濡れると体がゾクゾクすることからわかるように、水は体を冷やします。体が冷え続けると、体のあちこちが痛むようになります。
「痛み」は、
「体が冷えていますよ、放っておいてはいけませんよ」というサインなのです。
冷房が効いた部屋にずっといると頭痛がしたり、寒い季節に生理痛、または神経痛などが悪化するのは、
「冷→痛」の悪循環が働いているためです。
体が冷えると、私たちの体は「病気にならないように」、または「病気を治そうとして」体内の余分な水を排出して体を温めようとします。
風邪を引くと鼻水やくしゃみが出たり、寝冷えをすると下痢をしたり、片頭痛がひどくなると嘔吐したり、大病をすると寝汗をかいたり、老人が夜中に何度もおしっこで目が覚めるのは、すべて「体内の余分な水分を捨てて体を温め、健康を保とう」とする自然な反応です。
何らかの形で水分を排泄できればまだいいのですが、排泄できない場合、体にどんどん水分がたまり、さまざまな症状が引き起こされることになります。これを漢方では
「水毒」といいます。
めまいや耳鳴りなどに悩まされるメニエル症候群、むくみや肺水腫の症状を伴う、うっ血性心不全の諸症状などは、代表的な水毒症状です。
リウマチもそうです。リウマチの人に「あなたは、お茶や果物が大好きでしょう」と尋ねると、みなさん、「どうしてわかるのですか?どちらも大好きです」と答えます。
お茶はビタミンCやカテキンを多く含み、果物もビタミンやミネラルが豊富なのでる意味では健康食品ですが、お茶の99.6パーセントは水分ですし、果物も「水菓子」と呼ばれるように、90パーセント以上は水分でできています。
つまり、あまり体を動かさない人、汗をかかない人が日ごろからお茶や果物ばかりとっていると水分過剰になり、体が冷えて、「痛みの病気」にかかりやすいのです。
「水さえ飲んでいれば健康になれる」「果物は体にいい」という思い込みは危険です。
適度な量なら薬になっても、
過剰になると「水毒」という「毒」になることを忘れてはいけません。
「食べ方を変える」と病気が治る!石原結實の「体温革命」より

0