マツダスタジアムを見ての印象は、プロがプレーするに相応しい球場ですね。
1イニング19点を見ての鳥谷の仰天ブリには、笑った。
まず、フライが上がった瞬間「ヤバイ!」と思わなくなったのが一番です(笑)市民球場の、右打者によるライトへのHRのうざかった事といったら。市民球場なら、嶋のライトへの打球なんて「やられた!」と思ったのですが、今回は「ライトフライだろう」と安心出来ますよ。
しっかりとした技術で、しっかりとしたスイングからでないとHRが出ない。これが「プロがプレーするに相応しい」と思うので。
あとは、東京ドームと横浜球場をなんとかせんとね(笑)
試合に目を移すと、1戦目は能見と前田健太でした。
この組み合わせを見て、敗色濃厚な感覚を試合前から感じていました。しかし、2−0から関本に4球を出したり、鳥谷の打球がイレギュラーしたりして、前田の状態がおかしかったわけです。そこをつけこんで、3点を序盤に取れた事が大きかったですね。
阪神打線が、右打者をズラ〜っと並べていたわけです。昨年までの岡田元監督ならば「右対左」に拘って、葛城あたりを出していたでしょう。しかし、前田はグライシンガーと同じで、実は右打者の方を苦手にしている傾向がある投手です。そういうデータを元に、しっかりと策を練って攻略したのならば、ベンチワークに「お見事!」と、今年初めて讃辞を送りますよ。
先発の能見が、完封勝利しました。
初回東出に四球を出した時は「またか」と思ったのですが、赤松がバント失敗してくれた事や、栗原が欠場してくれていたおかげで、なんとか0点で抑えられたと。
終始先頭打者を出すなど、常に走者を置くピッチングでした。しかし、決定打を打たせなかった。スライダーやカーブも良かったが、それよりもチェンジアップの制度が、決め球として有効に使えていたのが大きかったのでしょう。それゆえに、速球で空振りも取れたのだと思います。腕の位置を変えたりして、試行錯誤してきた工夫も努力も見られます。大きく遠回りしましたが「やっとプロらしくなった」と思いますね。
杉山も能見を見習って「どうすれば結果を出せるのか?」を試行錯誤しないと駄目ですね。
しかし、広島打線の元気の無さに救われた面もあるわけです。巨人相手ならば、走者を簡単に出す事は、致命傷につながりかねないわけです。ですので、この完封を自信にして、次に活かしてほしいわけです。
次は、走者を出さない投球を目指してほしい。一歩一歩レベルを上げるように。
土曜の試合は「雨天中止」だと思っていたのですが、雨天の中試合強行。ポツポツと振っていたから、強行したのでしょう。しかし、広島としては中止した方がいいと思うのですがね。故障人を、多く抱えているチーム状態なんですから。
本日強行したので、篠田を巨人戦に回せなくなってしまったのは、阪神側として痛い。「篠田を巨人に回せよ」という他力本願が無くなって残念(苦笑)
試合ですが、広島の先発長谷川が、気前のいい男っぷりを発揮してくれました。速球一本待ちという状態で、阪神の打者は中日戦とはうってかわって、ノビノビと鋭いスイングで、ガンガン打ちまくるわけです。
長いシーズンでは、こういう「稼ぎ時」と思わせる投手が、何試合か一人出てくるわけです。こういう投手には、状態の悪い打者は「上げ時」となり、状態の良い打者は、ガンガン打ちまくって稼ぎまくれる、いかにも「おいしい」というやつです。
こういう稼ぎ時の投手が、このロード中に出てきてくれたのは、非常に大きいですね。中日戦では、打線が「死に体」と化していましたからね。これで、打線もちょっと落ち着くと思いますし、そうしないといけない。
心配なのは、こういう稼ぎ時に稼げなかった選手が、金本という所です。
打球がポーンと上がってしまうという事は、差し込まれているからだと。この日の長谷川に差し込まれるというのは、ちょっと重症だろうと感じます。ま〜大差付いたから、集中力が欠けたのかもしれませんが。という事で、金本がこういう状態の時こそ、新井がしっかりとしないといけません。
その新井ですが、ちょっとずつですが、状態は上がってきていると感じます。外角の球に対しての、見送り方が良くなってきました。最後までボールから目を離さなくなってきたと。ですので、体が速く開いてしまう欠点が、修正されてきた事が伺えます。右中間に強い打球が打てるようになれば、数字も上がってくるのでしょうね。
それにしても、葛城が凄かったですね。1本HRが出たので、大分リラックスできたのでしょう。スムーズにバットが出てましたので、自然とヒットコースに打球が転がると。こういう状態の打者には、右左関係なく起用した方がいいと思います。ですので、篠田にも葛城をぶつけてほしいですね。
福原ですが、なんというのか大量援護に助けられたのもあったのか、運が良かったと。1勝するまで不安でしょうから、その不安をこの試合で拭い去る事です。カーブが決め球として使えるようになれば、落ち着いた投球が出来るのですから。それを思い出して、次からは接戦でも粘り勝つピッチングを見せてほしい。
最後に狩野ですが、中日戦での狩野は精彩を欠いている面を多く感じたので、厳しい事を書きました。しかし、広島戦では集中力溢れる姿が目に映ります。リードでも、無駄な配球がだいぶなくなってきました。空振りを取る為の複線を張る配球には、意図を凄く感じるわけです。
中日戦での失敗を反省して、今回の姿に繋げてきたのなら大絶賛ものですね。送球でも、東出を刺した送球は良かった。あ〜いうフォームで投げることを、反復練習して体にしみこませる事です。
経験の浅い者は、練習練習で吸収吸収ですよ。
広島ですが、大量得点差なのに梅津やシュルツを投げさしたのには驚いた。こういうのを見ると、他球団も苦しい台所事情がうかがえる。敗戦登板させられる投手を、1人置くだけで精一杯なんでしょう。
しかし倉を代打起用で、石原を交代させたのにも驚いた。捕手のカードをガンガンきる野球なんて、見たこと無かったので。よ〜分からん、広島野球は。
次の先発はジャンですかね。相手は篠田でしょう。普通に考えると、敗色濃厚です。ただ、今の広島は普通では無い。そこに望を託して、ジャンの好投を期待したいですね。
打線は、昨日の「大量釣れまくり状態」は忘れて、とにかく左腕攻略の基本「センター返し」を基に、コツコツとなんとか打ってジャンを援護してほしいと。

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