帰国一ヶ月前だ。まだ赴任地の情報はない。
仕事のほうは最後の仕上げで急に忙しくなったが、その流れで6月上旬に日本へ出張でちょっとの間帰ることもできるようになったし、中旬には最後のパラワンへの出張も予定された。
これからのあらゆることに「最後の」という言葉がついてくるようになる。
1月以来晴天続きだった当地もそろそろ雨季の到来を感じさせる気候になってきた。
この国を離れることと、現在の仕事からはずれることについては大方気持ちの整理はついたが、日本の一体どこでなんの仕事をすることになるのかという大きな疑問をぶら下げたままでまだ心が落ち着かない。
しかし経験上残りの一ヶ月はあっという間に過ぎるのであせらずともよかろうと自分を落ち着けることにした。
残された期間でやるべきことをすべて完璧にやりぬけてみせる。

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