2010/3/30

昨日は桜に雪の欲張りな美しい景に遭遇し、しばし息を呑みましたが、今日は青空。
まだまだ空気は冷たくて、ぽかぽか陽気が恋しいですね?
今月のKIMA句会。
お休みしました。
KIMA句会の様子を楽しみにしてくださっている方々は、サイドメニューから、「桃兎の部屋」をご覧くださいませ。
とってもステキで、美しい、お勧めのサイトです。
さてさて、句会。
お休みしましたが、投句はいたしました。
今月は、大阪のバザーに参加しましたし、大作を描き始めたり、急ぎの仕事が入ったり、じっくりと俳句に取り組む時間を持たなかったので、ポツポツ詠んでいた句を、慌てて六句集めて投句しました。
いつもなら、歳時記で、範例に類句があったらチェックをして投句を控えたり、推敲したりと、句会前日は大忙しなのですが、なんとなくポヨヨ〜〜〜ンと、投句してしまいました。
かえってそれが良かったのか?
自分では、冒険のつもりで出した句を、先生が大変褒めてくださったと、桃兎さんのメールとブログで知りました。
ブランコ高く口遊むのは鳥語 人魚
破調は、投句の時、ちょっとドキドキします。
破調の根拠がしっかりとしていないと、ただの「つぶやき」ですからね?
この句は、「ブランコ高く」で、前へ(高く)漕ぎ出して、
「口遊む(くちずさむ)のは鳥語」で、後ろに引いている、ブランコを高く高く漕ぐイメージなので、
「ブランコを漕いで鳥語を口ずさむ」
「ふらここや高く漕ぎ出し鳥のごと」
なんて、正調にしてしまうと、ひどくつまらない句なのです。
とは言え、「鳥語って、何?」
とか、「造語の上に破調になっているのはいかがなものか?」と、鑑賞されそうな気もして、投句をするは少々勇気が必要でした。
もう一句、破調にしていた句、
「残る鴨ジグソーパズルはバラバラ」は、
バラバラのジグソーパズル残り鴨 人魚
として投句しましたが、先生の撰に入っていたので、正調にして正解だったのかしら?
句会をお休みしてしまうと、そういうことが解らないので、やはり、出席したかったなあ・・・。
もちろん、あとで伺えば済む事なのですが、句会は旬のもの。(と私は思います)
その時のその会で光る句もありますし。撰者の鑑賞をその場で聞くのは、やはり、句会の醍醐味だからです。
もっとも、良い句は、ずっとずっと後でも良い句なのですが。
ブランコを飛び降り第二反抗期 人魚
これは、昨日歳時記を見ていたら、類句が有りました。
作ったときは「やった!」と思ったので投句したのですけれど・・・類句はいけません。
「ブランコ」というと、女正月に、韓国のお祭りだったと思いますが、巨大なブランコをサーカスの様にガンガン漕いで、鮮やかなチマがファーっと膨らんでいる映像を思い出すのです。それで、こんな句を詠みました。
立ち漕ぎのチマの膨らみ半仙戯 人魚
でも、点が入らなかったようです。
そもそも「ぶらんこ」は中国では、「鞦韆」といって、女性の玩具。
春、暖かくなってからの遊びで、ブランコが「春」の季語になったとか。
上記の様なお祭りがあるのですから、きっと、旧正月の宮廷の遊びだったのでしょうね?
兼題は、「残り鴨・春の鴨」「ふらここ・ぶらんこ」のほかに「雛祭り」
うやむやの母のオルガン雛祭り 人魚
アルツハイマーの症状が出始めた頃の姑の楽しみがオルガン。
教師だった頃を思い出したのか、(それまでは聞いた事が無かったのですが)よく弾きながら唄っていました。自分が薄れていく病への恐怖を忘れられたのでしょう。あっという間に、何も解らなくなってしまいましたが、オルガンと歌はしばらく続いて、「♪あかりをつけましょ」と、きっかけを唄うと、オルガンの指が動くのです。
同じフレーズのくり返しだったりもするのですが、嬉々として弾く姑が可愛らしくて、何度も何度も唄いました。
「呆けし母」なんて、言いたくないので、「うやむや」。
これなら、「おかしみ」があって、楽しげな雛祭りの景でもあるでしょう?
オルガンの音って、聞き様によっては、ちょっと間抜けているし、ペーソスも感じられる。この句は、そんなふうにしたかったんです。
ほかに、
春の鴨スワンボートの影の中 人魚
仲間の鴨たちは、もう居なくなり、残り少なくなった数羽の鴨が小さなスワンボートの影の中に浮いている景です。ありがちな句ですね。
ボートは夏の季語なので、スワンボートは季重なりかな?
許される範囲かと投句しちゃいましたけれど・・・
「鳥語の破調」より、こちらのほうが冒険でしたぁ。
「春の鴨沈黙の出口を探す」が理屈っぽいからスワンボートを出したのですけれど。
来月の兼題は、「啄木忌・チューリップ・暮春」ですって。

投稿者:ningyomn