2010/5/25

大学時代の友人でありアーティスト仲間の彫刻家、「真壁 廉」ご夫妻から、お茶会のお誘いを頂いた。
お茶会は、どなたからお誘いを頂いても気が重い。
作法を知らずにお茶会なんて!
たしなみとして、ちょこっとだけでも習っておけばよかったぁ・・・まだ遅くはない・・・そう思うけど、習い事の優先順位に入らない。
廉さんの奥様「宗麟」さんは、気が重いと言うと、「私のお茶席は気軽に来てくれればよいのよ〜〜〜ん」と、軽口にお返事をくださる。
「まず、楽しんで!お作法なんて後からトコトコついてくるのよ」とも。
宗麟さんの「笑涼庵」のお茶会、
今年は、西郷山の菅刈公園内の和室で催されました。
「西郷さん」に敬意を表し、大のお気に入りの。「犬の模様の帯」を先ず選び、
2〜3日、真夏の様な暑い日が続いていたので、単の優しいクリームベージュの訪問着を合わせました。
宗麟さんのお茶席は、「気軽な格好で」「決まりにとらわれずに、着たいお着物で」
が、コンセプトのひとつでもありますから、ジーンズOKですし、大いに着物を楽しむ事もできるのです。
でも、いい歳をして「101匹わんちゃん」ですから、
白い襟で地味めに、とは言え華やかさも欲しいので、白い刺繍の入っている半襟を選び、夜中にチクチク縫い付けました。
準備万端。気がかりは、「大荒れの雨」の天気予報・・・。
あ〜あ!またしても「雨女」!!
朝から、大雨!
今更替えられないから、レインコートを羽織って出発。。。
タクシーに乗ったお陰で、予定より早く着いちゃった。
お玄関で、廉さんの新作の彫刻に出迎えられ、しばし、ながめる。
そこここに置かれた彫刻作品だけでなく、お道具や棚に至るまで、鉄を叩き溶接した、廉さんの作品。
これには、本当に感服しました。
そうそう、お茶券も廉さんのデザイン。
それは、グリーティングカードの様に、開くと抹茶椀が立ち上がるという楽しさ。
(ちなみに昨年はグラフィック的に凝った結び文の形)
そのお茶券を受付に渡し、
廉さんのお茶会のお部屋に案内されると、入り口寄りに皆固まって座っている。
廉さんも「本当はさあ、お正客になるんだけど、いいよ、そんな事気にしないで、てきとうに詰めちゃって」
皆で笑って、和やかにお茶会が始まりました。
ところがところが会が始まると、場違いな感じの若い男性(ちょっとイケメン)が入ってきて、「はいこれ」とペットボトルのお茶や食べかけの袋菓子を突き出す。
廉さん:「何やってんのアレン」
アレン:「だって、裏でお菓子持っていけって」
廉さん:「ダメだよ、引っ込めて!」
「いやいや〜。失礼しましたぁ」
〜と、ドタバタ。
なんと彼はマジシャンで、
ボッと、火をつけた中から、廉さんの作の香合(金張りの蝉の幼生の形)を出現させたり、お客さんが名前を書いてシャッフルしたカードが、開封していないペットボトルに入っているという、マジックを、披露してくださいました。(彼のマジックのCDのプレゼントまで)

「お茶を楽しむ」「楽しませる」「楽しんでいただく」
楽しみ過ぎか?の演出に、笑い声が絶えない、ドッヒャ〜なお茶会なのでした。
そして、
お隣のお部屋での、奥様の宗麟さんのお席もまた、堅苦しさはなく、良い時間を過ごす事ができました。
「お棗」は、我が師、松田祥幹先生の作品、
床の間には、友人のフォトアーティスト、鵜島氏の「写真掛け軸」と、
なんとなく身内の感じがあったからかもしれませんが、
なにより、宗麟さんの、親しみのある語り口が、作法を知らない私が言うのもなんですが、「おもてなし」の心をしっかりと、伝えていたからに違いありません。
折角のお庭は大雨で楽しめなかったけれど、なんだか、おなかがいっぱいになったお茶会でしたア♪

投稿者:ningyomn