2011/1/24

写真: 柳原義達作品集 講談社
わが師、「柳原義達」先生の作品集の中のブロンズ彫刻(彫塑)「風の中の鴉」です。
先生は、「道標」シリーズで、前期は「鴉」後期には、「鳩」の作品をたくさん残していらっしゃいます。
まさに、「忌」の象徴から「平和」の象徴への転換で、巨匠の心境の変化を聞きたかったのでしょう。
評論家か編集者かに、「なぜ鴉から鳩に変わったのか?」と問われたことがあったそうです。
何か意味のあることを答えて欲しそうだから、
「飼っていた鴉が死んでしまって、鳥屋が「クジャク鳩」を持ってきたから」と、
本当の事を言ったらがっかりするだろうと、「ちょっと困った」
と、おっしゃっていました。
身長180センチ超、ガッチリと肩幅の広いご体格、見事な白髪と上品さは「クジャク鳩」のようでしたが、ウイットに富んだお話っぷりと風格は、まさしく「鴉」のような先生でした。
KIMAの兼題で「初鴉」が出題されましたが、
「鴉」はとても面白い題材なので、今後も挑戦してみようと思います。
1月の「テーマ句会」の席題では、「寒鴉」が出題されましたが、このところの不調で、とにかく失語症、脳みそドロドロで、何にも浮かびませんでした。
愚かなことに、柳原先生の「鴉」のこともすっかり忘れていたのです。
目の合って一歩退く寒鴉
「合ふて」にしなかったのは、「一歩」に合わせたからなのですが、致命傷は主語が曖昧なこと。わかっちゃいるけど・・・
鴉が退いたとなるよう、推敲中。
またしてもイントロが長くなりましたが、「KIMA句会」。
実は、欠席投句でした。
兼題は、「初鴉」「「雑煮」「障子」。
句会前夜まで、ドロドロの脳みそを固めて、絞って、なんとか1滴。
初鴉平らかなりし一丁目
初鴉国際線を垂直に
「国際線」は、散歩に行く公園からの風景で、羽田空港の国際線滑走路なのですが、意味不明でしたね?
「雑煮」は難しい!
塗椀の鶴に湯気ある雑煮かな
二杯目は我儘も入れ雑煮椀
家族皆ジャージで祝ふ雑煮かな
雑煮餅味定まりて生家無し
餅少し焦げて雑煮の香ばしき
と、川柳とも俳句ともつかない類型と駄作のみ。上の2つを投句しましたが、あ〜あ。。。
「障子」も駄作を量産。早めに出来ていた上の2句と、ひねりすぎた1句を投句。
我が影の白きと思ふ障子かな
張りつめていたき一日白障子
乳飲み子の蒼き目蓋障子明く
静魚先生の御推敲を頂き、
人影の白しと思ふ障子かな
張りつめていたき一と日の白障子
といたしました。
「我が影」は、自分を見失っていること、自信がないこと、存在感の希薄さを表現したつもりでしたが、自意識過剰俳句の典型ですね?
ご推敲、ごもっともです。
「張りつめて」は、「障子張り」の様にになってしまうし、「日」と「白」が重なって、すごぶる字ずらが悪い!あれこれ推敲したのですが、しょうがないやと投句。
なるほど、そうですね!
「乳飲み子」は、息子の授乳期に、何度も夜中に起こされ、とにかく泣き止ませるためにおっぱいを飲ませ、白々と明けてきた時のことを、孫の寝顔から思い出して詠みましたが、思い入れがありすぎると、ごちゃごちゃしちゃいますね?
静魚先生からは、このところの不調を見かねて、テーマ句会の帰り道に、
「今が底。これからは、また良くなるからね。」と慰めと、様々アドバイスを頂いたのに、出来栄えはこの程度でした。
先生。ご推敲ありがとうございました。
凡才の私は、皆様の何倍努力しても、なかなか。
先生無くして人魚の俳句が成立しないのが現状のように思います。
俳人としても、心酔していると言って良いくらいにご尊敬申し上げておりますから、作品も大好きですが、先生の推敲、鑑賞には、いつも感服いたします。
句会の様子は、桃兎様のブログ、「桃兎の部屋」からご覧くださいませ。
http://ameblo.jp/emichacha-ameblo/
サイドメニュー、リンクページからどうぞ。

投稿者:ningyomn