去年今年誓いを半歩前へ置き 人魚
五日は、KIMAの初句会でした。
暮れから久しぶりに狭いマンションの部屋に家族5人がひしめき、2歳10か月の孫の相手で、楽しいやら、疲れるやら・・・。
あっという間に年が明け、あっという間に独居老人に戻りました。
それでも、ささやかな目標を心に誓い、2013年の発進!
さてさて今年の俳句はいかがなりますやら?
金曜日の夕方夫を羽田で見送り、ほっとしたのもつかの間、暮れから俳句の「は」も頭になかったので、先ずは俳句頭へと思う間もなくウトウト。
土曜日の朝から、必死で詠みましたよ。
お着物で行こうと髪をアップにしたものの、あれよあれよと時間ばかりが過ぎていき、ワードローブで最初に掴んだスーツを着て(これがきついったらありゃしない・・やばい!)何とか滑り込みました。
十数句の中から、電車の中で短冊に書き写し、何とも気に入らない数句を外したり入れたり、最後に上5だけが頭に有った「老猫の」の句を、目黒駅からの道々、歩きながらまとめ
それが一番よく出来た感触。
揚句は、先生の並選でしたが、「老猫の」は、してやったり!♪
特選を頂戴し、今年の俳句はスムーズにスタートを切りました。
そういえば、昨年の締めの句会(荻窪句会)も、特選でした。
去年今年、誓い新たに精進いたします!
人魚特選
結論を言ふときマスク外しけり 結女
人魚選
幕末の皿に数の子高く盛る 留以
透きとほるやうな笑ひや水仙花 静魚
古伊万里に松千両や年新た 桃兎
雪降りて大アリクイの無念かな 真魚子
パパイヤの香る路地にも冬来る 毬
水仙や身を寄せあひて余白なき 真魚子
今回は、変わった句を頂きました。
特選は、別れ話の男女を想像してしまいましたが、そんなことを考えたのは私だけのようです。
大アリクイは、「無念」という大げさな表現が大アリクイと微妙にあっていて面白い。
「幕末の皿」も、強い語韻と、一見お正月らしくない語彙ですが、むしろ、武家文化の終末、動乱の時期というより、新たな文化への出発のようにに思えて、お正月らしく感じられ、更に、高く盛られた数の子を想像しますと、華やかで豪華な印象のする面白い句です。
パパイヤは、南国にいながら冬を見つけようとする作者の心意気に1点!
「透きとほる笑顔」は、ゆるぎない。高貴で上品。こんな女性になりたいものです。
そして、こんな風に花を詠みたいものです。
「身を寄せあひて」は、過去に見た、ひしめくように咲いている半島の水仙を思い出して頂戴しました。思い出と重なると、古い歌を愛おしく思うのと同じような感情が湧いてきて、思わず点を入れてしまいます。(思わずなんて失礼な表現でごめんなさい)

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