
メトロセンター内の中華料理屋さん。
さらに進むともう一件中華屋があるのだが、そちらは昔からある街の中華屋というお味。醤油味が効いた日本の中華飯ですな。
今回はそちらではなく、『紅棉菜館』です。
私、結構好きなんですよ。
この店、龍高飯店に負けず劣らずメニューが豊富。
麺類も、スープ系、焼きソバ系ともに沢山あります。一品料理も定番の酢豚、青椒炒肉絲から日本人に馴染みのない表記の物まで。
全般的に何を食べてもハズレはない。好みによっては
かなりツボにはまる物があると思います。
なぜ好みによっては、なのか。
それは
オイリーだから。
基本的にどの料理もオイリー。油っこい!
油っこいから、それに負けないように味が濃い。
味付けが濃いから旨味も濃い。つまり、旨味調味料も濃い!
私は旨味調味料否定派ではありません。
適度に使って、安く仕上げてくれればOK。
本格的な上湯を使った物なんか作った日には、どれだけ手間と時間が掛かるか知ってますから。値段が跳ね上がるのは確実。毎回そんな物食べるのもどうかと思うし、街場の中華飯屋にそんなこと要求する方が間違っている。
もちろん何種類かの『湯』をとって、料理にあわせて使っているところもあるでしょう。西葛西ではお目にかかったことがないけどね。
あれば教えてください。即行しますから。
また、旨味調味料を使っていないから美味しいというものでもない。
だしの採り方が悪いのか、だしを取るための材料をケチっているのか、旨味が出ていなくて物足らない料理に出会うことも沢山あります。たまにラーメン屋であるでしょ、そういう変なこだわりの店。
もちろん旨味調味料バッチリで何を食べても同じ味にしか感じない店や、ちゃんとスープも取っているのに、これでもかとばかりに旨味調味料をぶち込む
ラーメン屋なんかは論外です。
要するに使ってもいいから美味くしてね、ということですわ。
その意味で言うと、『紅棉菜館』は旨味が濃いとは書きましたが、嫌味な感じはしない。食べた後30分も1時間も口の中に残る感じではない。
何より、あの油っこさとマッチしているのですよ。
だから今日みたいに寒い日の昼飯なんかには丁度いい。
肉細切り焼きそばなんか、熱々のアンが掛かっていて汁物じゃなくても温まる。ボリュームもある。上手くほぐれていない中華ソバがチープな感じで良いです。
酢豚は赤酢が際立ってしまって好みではないですが、それもご愛嬌です。
汁物の野菜そばも美味いリストに入っています。
上海料理なので海鮮を使った本格的メニューも食べてはみましたが、こちらは味が濃いのが災いして今ひとつでした。
上海料理は潮州料理とともに、醤油を味のベースとしてアッサリと仕上げるのが特徴で、そのため日本人にはとっつき易い料理です。内陸系の料理(四川料理、東北料理など)と比べると油の使い方も少ない。
揚子江の河口部で発達した料理ですので、穀物類との相性が良い。この点は小麦粉を主食材とする内陸系の中国料理とは大きく異なります。
また沿岸部で発達した料理法ですから、魚介を使った料理が多いのも特徴です。
しかし、この店の味付けは濃い目なので、基本的な上海料理としての味付けからするとやや違和感がある。
麺類とご飯物を食べる店として利用するのがお勧めです。
香港には上海料理の名店は少ない。かつて上海の金持ちが香港進出とともに呼び寄せた、名料理人と呼ばれた人達は戦時中に四散してしまう。残った料理人達が始めたのが『上海一品香菜館』という形態の定食屋です。近海で取れる魚介や近郊で取れる野菜を使ったおかず一品と飯物。
だから上海料理は北京、広東と比べると一段低い感じで見られていた。その後、伝統的な上海料理が復活し、名店と呼ばれる店も登場します。それでも一般の香港人にとって上海料理は手軽な飯屋としてのイメージが植え付けられている。
紅棉菜館はそんな一般的な感じを受ける料理店です。
ガツンとパワフルな味付け。中華料理4000年のエロスの一端が垣間見られます。
オイリーすぎるとエロスじゃなくて、エロっぽくなっちゃいますけどね。
あっ、まずい物があるのを忘れてました。
水。
モロに水道水ですな。できればペットボトル持参か、ビールを飲むのが望ましいです。
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