土曜日の昼下がり。
連れが今ごろ風邪をひいていて喉が痛く、パスタなら何とか食べられそうだと言う。シチリアに行こうか、ルーチェにしようか、それとも
プチダイニング 遊に行こうか。
そこで思い出したのは、
とんかつ 田の近くに出来た
イタリア&アジアンダイニング OKURA。あとから知ったのですが、葛西にある
TOKYO SOUL DINERの2号店なのですね。
メニューにある赤座海老のリングィーネを、一度は食べてみようと思ってたんだっけ。
パスタソースには、まとわせる物と吸わせる物があります。単純に乳化させてパスタと合わせれば良いと言うものではありません。魚介を使うソースの場合には魚介から出る出汁がポイントになるので、パスタに吸わせた方がいい。吸わせたうえでアルデンテに仕上げてくれると、もう堪りません。
赤座海老のリングィーネを頼もうと思っていたのは、エビの頭から出た出汁をしっかりと吸わせたパスタを食べたかったからなんです。
赤座海老はフレンチだとラングスティーヌ、イタリアンならスカンピと呼ばれています。私の好物。チーズとパン粉、オリーブオイルを振りかけてグリルしても旨いし、頭の味噌を活かして濃厚なソースに仕上げたパスタにしても美味しい。
たまに手長海老と表記している店があります。
手長海老とは川エビの一種で、よく唐揚げなどで出される。赤座海老は確かに手が長いですが、海のエビ。海エビを川エビの名前でメニューに書くのはおかしい。お客が言うのはかまわないけど、プロが自分の扱う食材の名前を間違って書くのは頂けないなぁ。
脱線してしまいました。話をOKURAに戻しますね。
場所は
こちら。

入口は目立ちます。
ランチメニューが立てかけてある。
赤座海老のリングィーネが載っていない。
まぁ、多少高くてもアラカルトで頼めばいいや。
とにかく入って飯を食おう。
階段を上がって店内に入ると、右手がホール。左手にテラスと座敷がある。
吹き抜けのテラスはこれからの時期は気持ち良いでしょうね。ペット連れの人はこのテラスに通されるらしい。
赤ちゃんや小さな子供連れの家族客は座敷に誘導するのでしょう。他の客から隔離されるみたいですが、お母さんからしたらその方が有難いでしょうね。他のお客さんに気遣いながら世話をするのは大変ですから。
店内はダークな色調でまとめられ、天井には真っ白な扇風機が2機回っている。扇風機と言ってもリゾートに良くあるお飾りの扇風機。バリをイメージしたそうですが、分からなくはない。
ホールにはテーブル席3つとカウンター。カウンターの向こうは一段高いオープンキッチン。一段高いのでオープンキッチンの中は見えません。
アラカルトを頼もうと思ったら、昼はランチメニューだけとのこと。残念ながらお目当てのリングィーネは頼めませんでした。
頼んだものはエビとアスパラのクリームスパゲッティ、マグロとアボカドのカリフォルニアライス。

スパゲッティには小皿のサラダがついてきます。サラダには半分の生春巻きが入っている。
ソースはトマトソースにオリーブオイルと生クリームを合わせ、チーズを効かせたもの。香りが立っているので、コクを出すためにバターを溶かし込んだか、または後から加えてると思う。チーズもバターも、そこそこ使っている。かなり濃厚なソースになっています。
でも、なかなか美味しい。量もある。そう言えば、隣りの女性が頼んだ鶏肉のグリエ 照玉ロコモコも量があったなぁ。
このスパゲッティはよくソースを吸って味が染み込んでいた。これは延びているのとは違います。
変な店で食べると濃厚なソースとパスタが合わせてあるだけで、味が分離しちゃってる。OKURAはきちんとパスタにソースを吸わせてありました。

マグロとアボカドのカリフォルニアライスって初めて食べました。
カリフォルニアロールのようなアメリカンなマグロ丼だろうと思って頼んだら、その通りでした。
御飯は黒米を混ぜて炊いてあるので、所々濃い小豆色に染みている。その周りにマグロの切り身。上には晒し玉葱とアボカド、そして海苔。
プレートにはバルサミコベースのドレッシングを使ったサラダも乗っている。
小皿の中は出汁醤油とワサビ。
何の説明もないので、どうやって食べるのか分からなかった。
出汁醤油に少しワサビを溶いて上からぶっ掛ける。あとは混ぜ混ぜしながら食べました。まぁ、この食材の組合せで出汁醤油を使えば不味いわけはないですね。
いかにもアメリカ人が食べそうな日本食。
サラダの野菜は美味しかったですね。これは良かった。
色目は綺麗です。色が薄めのマグロとほんのり小豆色の御飯がグラデーションになっている。薄緑のアボカドが乗って、上から真っ黒な刻み海苔。真っ白いお皿の上で料理が映えます。
お洒落ですな。

思い出してみると、アジアンなメニューはそれほどなかったなぁ。
看板になっているパスタも種類もそんなに多くないんだよね。
それと、一品1000円取るんならクラフトの粉チーズをドンと置いて行くのは考え直した方がいいと思うんだけど。
・・・・まっ、いいか。
最近よく聞くダイニングと言う業態を式で表すとこんな感じでしょうか。
(レストラン+バー) X お洒落 = ダイニング
料理もお酒もまずければ話になりませんが、そこそこ美味しければいい。最大のポイントはお洒落なことです。
従ってターゲットは女性。この日の男性客は、私と家族で来ていたお父さんの2人だけ。あとは全て女性です。
1人で行かなくてよかった〜。
ドリンクメニューはすごいですね。
流行の芋焼酎の品揃えも大したもの。女性客と一緒に来た男性も充分楽しめます。
森伊蔵、村尾、魔王、爆弾ハナタレなどの希少な焼酎から始まって、全部で40種類ぐらいあるでしょうか。
麦焼酎、米焼酎の他に大概のカクテルも出来る。スコッチは少ない。
価格設定は強気だと思います。酒の値段も、この界隈のバーより高め。
でもターゲットと思われる20台の女性なら、馬鹿飲みするわけでもないでしょう。お洒落な雰囲気で、それなりに美味しい料理とお酒があれば、友達と楽しい時間が過ごせる。楽しい時間を過ごしているときの料理は美味しいに決まっている。このループを継続できるかどうかが鍵ですね。
確かに、西葛西にはなかったタイプのお店かもしれない。
だからこの価格設定でも、女性には受け入れられるんじゃないでしょうか。
ちなみに、この日。上記のものとハーフ&ハーフ、アイスティを頼んで、私が払ったのは2982円でした。やや高いと思うが、所詮200〜300円の違い。良い時間が過ごせれば気にならない程度の違いではある。
週末の昼下がり、パスタを食べた後にビールをゆっくり飲みながら過ごすにはいい店だ。
でも、パスタを食べるだけならルーチェの方がお得だと思う人が多いのかな?

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