エルトリートはアメリカで人気のメキシコ料理チェーンで、日本ではココスと同系列であり第1号店は西葛西だとは聞いていた。
聞いてはいたが、メキシコ料理と言うものに全く縁がなかったせいもあって、今まで一度も伺ったことがない。
だって名前を聞いても全然イメージが湧かないんだもの。(^^)
タコスぐらいは知ってます。
でもトルティーヤとの違いは何?
パリパリのとシットリしたやつの違いは何??
黄色いのと白いのは???
カイピリーニャとピニャコラーダの違いって何だっけ????
カイピリーニャはブラジルのカクテルでしたね。メキシコと関係ないし、・・・・・ピニャはココナツミルク系だった。
サルサソースって・・・・・・情熱的な踊りしか思い浮かばない。
とにかくラテン系はよく分からん。
というのが、かつてメキシコ料理を食べたときのイメージ。
要するに何食ってんだかさっぱり分からんかった。薄い皮に具材を巻いて食べる料理は各国にあるので、そのメキシコ版かぐらいにしか思いませんでした。
あれから少しは進歩したとは言え、メキシコ料理については超初心者であることに変わりはない。
店に入ってメニューを見ると・・・・・・やはり初心者は初心者でした。
ファヒータは写真で分かります。要するにグリルですね。
でも人気のケサディーヤって、人気なのは分かりましたが、そもそもなんざんしょ? タコスとの違いが分からない。
材料と調理法が想像できるものならば、試してみようかという気にはなる。初めて聞く名前でも、見当違いのものは出てこない。でも、何をどうしているのか全く分からないものは頼みづらいものです。
今時こんなに物を知らない客も珍しいのでしょうが、中にはそんな奴もいるということで・・・(^^)
さてさて、見て分かりやすいものを頼みました。
アロス コン ポヨ デ マチャカ と オリジナル ハンドメイド タコス。
アロスとは米のことだそうで、メキシコ風の熱々チャーハンとの説明があります。
チャーハンと書いてありましたが、トマトライスですね。トマトの炊き込み御飯。その上にスパイスペーストに漬け込んでグリルしたチキンをほぐして、炒めた野菜と共に散らしてある。ライス自体の味付けはトマトの風味が生きていますが、意外なほどアッサリしている。
向こうでもそうなのかは知らないが、温泉卵が乗っかっている。辛いのは弱いのに間違ってグリーンチリを噛んでしまっても、卵の黄身が辛さを和らげてくれる。
なんと言っても見た目が良い。旨そうでしょう。
ボリュームもある。これでスープとサラダがついて780円です。割安ですね。
オリジナル ハンドメイド タコスです。
英語表記では Handmade Original Tacos となっています。形容詞と名詞の位置関係が違うのは、文法が違う国の者として分からなくはない。変なところに目が行ってしまいました。
こちらはトマトライス(メキシカンライス?)、炒めた野菜、グリルドチキン、フライドフィッシュに、スープ、サラダとフルーツのヨーグルト和えがついてきます。
プレートに乗っているものを好き勝手にトルティーヤに包んで食べると言うことでしょう。なかなか食べ甲斐があります。結構、旨いです。これも720円と安いです。
冒頭に掲げた、かつて抱いた疑問ですが、タコスは料理名でトルティーヤはその材料でしたね。具材を巻く皮がトルティーヤ。このくらいは分かるようになりました。(笑)
黄色と白の違いも、この日に分かった。
料理の説明のある部分に、『フラワー トルティーヤ』『コーン トルティーヤ』とありました。コーン トルティーヤはすぐ分かる。とうもろこしの粉で作るのかと。
フラワーはFlower (花)とばかり思っていたから、最初は何のことかさっぱり。メキシコ人も花を食うのか? ハタと気付いたら何の事はない、Flour (小麦粉)ですね。要するに小麦粉で作れば白く、とうもろこしで作れば黄色いトルティーヤが出来上がる。
メキシコ料理としてはコーンが基本なのでしょう。しかしこの店はもともとはアメリカのレストランチェーン。アメリカ人向けに小麦粉のトルティーヤをアレンジしたのも成功の一因でしょう。
フライドフィッシュも、アメリカ的です。私はこの、マクドナルドのチキンナゲットのような衣の揚げ方が嫌いなのですが、アメリカに行くとよく見かけます。ヨーロッパの料理法とはちょっと違った揚げ方。
ただ、この店が完全にアメリカンテイストかと言うとちょっと違う。
温泉卵を使ったり、味付けも全般的に抑えてある感じがするので、日本人向けにアレンジされていると思います。チキンだって肉質が柔らかい。でも米がジャポニカ種じゃないところなんかは、完全なる日本人仕様にまで変えていない証拠。
メキシコらしさまで失うような過度のアレンジではないようです。
食べやすいんです。味もなかなか。
でも食べやすいだけに、インパクトはあまり感じない。
タコスのような料理では皮の味も大切ですが、具材かソースの味付けで変化を持たせないと飽きがくる。逆に言えば、変化があれば大変楽しめる料理です。
その点で言うと、ランチプレートの具材の味付けが濃くないので、ソースで変化を楽しみたいところ。それにしてはソースが1種類しかないし、量が少ないのは寂しい。
この点はちょっと残念でした。
お代りを頼めばよかった。
残念なのがもう一つ。入った時間が早かったせいなのですが、スープが充分に温まっていなかった。ウォーマーを使っているのだと思いますが、全体が熱くなるのには随分と時間がかかるもの。そのぶん早めの客に合わせて、もう少し火を入れる時間を早くしてくれたら嬉しい。
しかしエルトリートの楽しさと言うのはランチプレートじゃ分からないでしょうね。まだランチしか食べてない私が言うのも変ですけど。
テーブルにおいてある分厚いメニューを見るとそう思います。だってマルガリータをピッチャーみたいなので出してくれるんですよ。これを見て気がつきましたよ。
みんなで楽しく、がんがん飲んで、どんどん食べる。
これでこそ良さがわかる店だろうと思いました。
アボカドを潰してトマトやスパイスと混ぜて作ってもらう、ディップのようなガッカモーレを頼む。これをチップにつけながらビールを飲む。
ナチョスやケサディーヤの盛り合わせとか、サボテンのピクルスなんかも頼んじゃう。
そのうちマルガリータでも飲みたくなりますよ。
いろいろな料理を頼んで、最後はファヒータ。トルティーヤで巻いて、いろんなソースを試してみる。チキンにはこれが良い、ライスを巻いてこのソースでもイケル、なんて皆でワイワイやる。
話も弾むし、酒もすすむ。
店内は広いから、多少の盛り上がりは迷惑にならないでしょう。
一品のメニューを見ると2000円を越えるものもありますが、見る限りでは1人用ではないようです。みんなでシェアすれば、結局1人あたりの単価はそれほどかからないはず。
コース料理もありますしね。
やっぱり、夜に再訪しないといけないな。
チキン、ビーフ、トルティーヤを軸にしてバリエーションを持たせている構成ですが、ディナーメニューのほうがはるかに種類が豊富です。当然のことですが、ランチはその一部分をお徳用として出しているに過ぎない。ディナーメニューを見てしまったので、妄想が先走っちゃって今食べているランチじゃ満足できなくなってしまったのでした。
お昼に楽しむならファヒータランチにした方が良かったかも。昼飯にしては量が多そうだけどね。満足感バッチリでしょう。
スタッフの接客は丁寧だし、好感が持てる。
大きな窓から明るい光が入る店で食べるランチは気持ちが良い。
週末だったので、小さなお子さんも含めて、家族連れのお客さんが多くいました。家族みんなで楽しそうにランチを食べている光景を見るのはいいものです。
父 『ほら、日本のお料理じゃないでしょ? メキシコのお料理だよ。』
娘 『メキシコって、知ってるよ。みんな帽子被って、タオル持ってるんだよ。』
父 『みんなじゃないと思うけどなぁ。パパも行ったことないけど。』
隣のテーブルでは、こんな会話をしていました。
なんか微笑ましい。

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