言わずと知れた西葛西のインド料理店。
結論から言うと、結構美味いよ。インド人が多い西葛西にあるべき店。
カルカッタはベンガル湾に面した大都市で、1912年にデリーに遷都するまで140年間英領インドの中心地でした。インドで唯一地下鉄がある反面、300万人とも言われる路上生活者がいる街。
乳製品と多種多様なスパイスを使用する北インド料理やタンドール料理で超有名な西インド料理とは違い、東インド料理となるカルカッタの料理はナッツ類や乳製品をあまり使わない。
はずなのだが・・・・・『スパイスマジック カルカッタ』にはタンドールがあった。バターをシッカリと使っている料理も多かった。
う〜ん、かなり北の影響を受けているのかな。
インド人の料理人がいるのに、あまり東っぽくないなぁ。
なんて思わないでください。
西インド料理で使うタンドールがあまりにも有名な為に、タンドール料理がないと本格的なインド料理店だと思わない日本人が多い。だからインド料理店側はどこでもタンドール釜を置いて、タンドーリ・チキンやシシケバブ、プロウンティッカなどを出しているのです。
各地方の特色を出したインド料理店が増えるといいなとは思いますが、お客である日本人の偏った見方がある以上、営業的には仕方がないですね。
ということで、地方色は無視して美味しいインドの料理を楽しみましょう。
地方色が薄れているといっても、立派なインド料理を出します。
日本のカレー専門店では、たまねぎを真っ黒になるまで炒めて甘味を引き出し、トマトやヨーグルトを入れて煮込む時にスープストックを使うところがほとんどです。このスープストックには鶏がらと野菜だけでなく、店によって豚のゲンコツが使われたりしています。要するに旨味を最大限に加えようとしているのでしょう。
しかし、インドではスープストックは使いません。煮込むときは水です。
それでもコクのあるカレーに仕上がります。具材の旨味と特色を最大限に引き出す調理をする為です。スパイスは多量に加えるのではなく、適量に。具材によって配合を変えて、鍋に加える順番も決める。
東中野にある『
カレーリーフ』と言う南インド料理店の店主は
『スパイスの配合なんかいくらでも教えてあげるよ。秘密はそこじゃないんだ。炒め方、煮込み方で具材の旨味を如何に引き出すかなんだよ。だからレシピがあっても、僕の味は出せない。』
と言って憚りません。
カルカッタの料理もスープストックは使われません。それでもシッカリと旨味とコクを感じる料理になっているのは、スパイスを使い慣れたインド人ならではと言うことなのでしょうか。一つのスパイスが突出することもなく非常にバランスがいい使い方だと思います。チキンカレーは鶏の滋味が感じられるし、野菜カレーもなかなか良い。
こってりとしたカレーが欲しい人はディナーのアラカルトで、バターチキンマサラを頼むといいでしょう。
ナンも美味しいですね。
欲を言えば、特色がハッキリしない点。
ムガール帝国の宮廷料理の流れを引く北インド料理のゴージャスなスパイス使いでもなければ、南インドのサラリとして素材の旨味で勝負するインド料理でもない。魚や豆の扱いに特色のある東インド料理でもない。タンドールはあっても、全体としてはやはり西インド料理ではない。
ピントはぼやけてはいる。もう少し、カレーの種類によって味のバリエーションをハッキリとさせても良い。
それでも、やっぱり、チェーン店なんかにはないインド料理を楽しめます。
細かいことは気にしない。インド全体を見渡して食べちゃいましょう。
定食である『カルカッタターリー』を頼めば、大抵の人は満腹になるはず。3種類のカレーとタンドーリチキン、ケバブ、サモサ、ナンとサラダがついてきます。女性には多いくらい。
頼むときには『高いかなぁ』と思っても。食べ終われば安さが判りますから。
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