『旅2日目前半〜怒涛の「Can you speak English?」テオティワカンで写真撮られまくりの巻〜』
本日のメインイベントは遺跡テオティワカン。
まずは朝食をとるために1Fへ。エレベーターホールのところで、従業員の男性が斜めにキャップをにかぶり「飴はいるかい?」とバスケットに入ったすごい色のロリポップをすすめてきました。
実はこの日4/30はメキシコの「こどもの日」にあたるそうで、昔こどもだった人にも…てな具合でアメちゃんをすすめてくれたというのです…が、これから朝食ということもありますので、ここはお断りしまして…てか、その色よ(笑)。
働いているひとたちを見ると、基本、男性はキャップ着用(ちょっとツバを斜めにやんちゃboy風がトレンドのようです)、髪の長い女性はツインテール…という徹底したいでたち。もちろん、受付のお姉さんもスーツのコンシェルジュもです。みんな真面目に働いています…。
朝食はビュッフェスタイル。メキシコの定番という豆や肉の煮たもの、卵料理、パン、ヨーグルト(フルーツと大麦入り←これとても美味しかった。大麦の食感ぷちぷち)、果物はパパイヤとスイカを頂きます。朝からたっぷりですね。
さてさて。
朝9時。
昨日のうちにHちゃんがコンシェルジュのエドガル(午前はいない、伏し目がちにハニカミ担当)にお願いして頼んでいてくれたテオティワカンへのガイドがホテルに迎えに来てくれました。
ガイドのホルヘさんは見るからに愉快そうなおじさんです。そして車はホンダ。
Hちゃんが助手席、Nちゃんと私は後ろに座り、いざ出発!
メキシコの街並みを眺めながら約1時間半のドライブ。
私たちのメキシコシティから郊外へ向かう車線はスイスイなのですが、反対車線はかなりの渋滞。ホルヘさんによると、働くための場所、いい学校、いい病院…はやはりシティに集中しているのだそう。一極集中です。遅刻必至な感じがすごくするのだけれど…
途中、山全体が住宅地みたいなところが続く場所があったのですが、これは造成された住宅地などではなく、メキシコの人たちが出来る限り中心地近くに住居を構えようと、勝手に山を切り開き家を建て、これまた勝手に電気を引き込み住んでいるのだとか。やはり逞しい…
あまり上手に撮影出来てないのですが…
いくつもの山が住居におおわれているような感じです。
そうこうしているうちに、テオティワカンのピラミッドが見えてきまして、その周辺の街へ入ります。
一気に車はスピードを落とします。
定期的?に車がガッタンと障害物を乗り越える揺れ。その障害物、スピードの出し過ぎを強制的に止める為に道路に出っ張りが作られているんですね。
日本でも居眠りとか速度超過を防ぐ目的でガタガタさせている道路ありますが、その障害物の高さが全然違います(笑)かなりの出っ張りなので、それこそスピードを出してその道路に車を進入させようものなら、車がボイーンと飛んで行きます。(もしくは車の底をガリガリっと擦ってしまうか…)
Hちゃん曰く、メキシコ人はこれくらい乱暴にしないと言うことをきかないらしい(笑)
思えばかなりの確率で見る車ボッコボコ。(ちなみに、ホルヘさんの車は大丈夫)
入場料を支払って、その広大な宗教都市の遺跡へと足を踏み入れた私たち。
「世界ふしぎ発見」とか、映像や画像で見てきたそのピラミッドの生もの(?)目の前にして、なんとも言えない感慨深さがあります。
感動もそのままに、実際ピラミッドを見ていく前に、先にトイレなどを済ませておこうということで(落ち着いて歴史に触れるために必要な行動ですね)公衆トイレのあるところへ。
…が、トイレにはオレンジ色のそろいのユニフォームを着た大量のこどもたちでごった返しています。
聞けば「こどもの日」はこういう公共の施設の入場料がこどもたちは無料、学校で遠足にきているようです。
小学校3年生くらいでしょうか?外国人の私たちをチラチラと気にしながら、引率の先生に何やら言われながらトイレの中もにぎやかに。
手を洗おうと洗面台に向かうと、私よりも先に洗面台に居たこどもが大量に液体石鹸らしきものを手に出して盛んに手を擦りあわせて泡をたてています。私が隣に並ぶとチラッと私と石鹸を交互に見てきました。
まるで「お前は石鹸で手を洗わずに水洗のみで外に出るつもりではなかろうな?!」と言われているような気がして、…そんなに言うなら(言うてはいない)洗いましょか?と、そのボトルに入った液体石鹸を手に少し出し、泡をたてて水洗…。
一気に手の油を全部とられました。がびーん。
あれは本当に手を洗う石鹸だったのでしょうか……激・泡立て手洗い娘の手の皮膚がおばさんは心配です。
そうそう、このテオティワカンにも物売りが色々います。
ホルヘさんからは「少しでも気にするそぶりをしたら出口までついてくるからね」と、注意をうけていますので、私たちは基本無視ですけども。
遠足のこどもたちは物売りからおもちゃを買ったりしていましたね。
トイレ付近に居たこどもたちに流行っていたのが、矢のおもちゃ。男の子たちが背中にカラフルな羽のついた矢を背負っていました。
しかもその矢、実際に放てるようになっていて、人に向けてしている子は(おそらく)いませんでしたが、広いところでは矢が飛び交っていました(笑…あぶないよ)。
テオティワカンは、紀元前2世紀頃に創建され発展し7世紀頃に謎の滅亡を迎えたとされる古代都市です。
発掘調査が済んだのはまだ半分程度、私たちが行った時も調査中でした。
まずは住居や儀式を行う場所などを見ます。
壁画には、いわゆる「人」や「器物」など単体の具象的なものはほぼ描かれていません。いくつかの動物、虫、植物などがあわさった偶像(というべきなのか?)が。神や自然を表していたり、また力のある神官を表していたりするのだけれど、そういうイメージ(インスピレーション)は幻覚から得ていたりするため、彼らにとって幻覚を呼び起こすような植物はとても重要なものだったそうです。(目に見えないものへの畏敬の念がそうさせているのだとか)
たとえばこれは雨乞いをする神官。
神が入って来るので住居にはドアがなく、そしてシンメトリー。(写真わかりにくい)
月のピラミッドに上ります。ちなみに、ホルヘさんは「行ってらっしゃい!」といって上りませんでした…。

階段は案の定、急です。
登るとテオティワカンを一望することが出来、この中心の大通りは死者の道という名前がついていて全長5キロほどあるそうです。ちなみに手前が発掘調査中のところ。
続いては死者の道を歩きながら太陽のピラミッドへ。
時間を追うごとに人が増えます。
こどもの日の恩恵をうけているキッズたちもどこからともなく増えています。
歩いていると、ひとりの黄色ユニフォーム娘(と、そのグループ)が
「Can you speak English?」
と、尋ねてきました。
ホルヘさんによると、観光で訪れている外国人に英語でインタビューをしなさいという宿題がこどもたちには出ているようで、しかも、その様子を動画で撮影しなくてはならないらしく…。
例えばこどもたちの数がそれほど多くないのであれば少しくらい(拙い英語でも役に立つなら)協力してあげたいところですが、この数!!(写真には写っていないが、他にも赤ユニフォームキッズ&青ユニフォームキッズが大量にいる)
どう考えても観光客が不利。

(遺跡の説明を聞いている風のキッズたち。君たち、本当にあの先生の声が聞こえておるかね?)
ひとりに応えたら後どんなことになってしまうかは容易に想像がつきますし、私たちにもスケジュールがあるので、かわいそうですが「のー、あいむそーりー、ごめんねぇ〜」と言ってお断りしました。「Oh…」と、残念そうなこどもの顔。
その後も数メートル毎に別のこどもたちと
「Can you speak English?」
「のー、あいむそーりー」
「Oh… thank you…」
の繰り返し…。
途中、欧米からやってきたと思しき心優しき男性がメヒコキッズの英語インタビューに応えてしまい、多くのこどもたちに囲まれ、その後、逃げるようにその場から立ち去るところを見ましたけども…。
誰や!こどもの数と観光客の数の比率も考えずにこんな宿題を出した大人は!!
すると、今度は青ユニフォームのグループが近づいてきて同じく
「Can you speak English?」
と尋ねてきました。
例に漏れず「ごめんねー」とお断りすると、こどもたちは自分たちの持っているカメラを取り出して「一緒に写真を撮ってくれ」と私たちの横に並ぶのです。
写真を撮るくらいなら一瞬ですので、まあいいかと承諾すると、パチッと一枚撮って「Thank you」と、立ち去って行きました。
その後もあちこちでパチリ、パチリ、と写真を頼まれる始末。
ホルヘさん慣れた様子で彼らの動向について「英語でインタビューした動画は消えたけど、写真は撮っています…と宿題を誤魔化す為に写真を頼んでるんだよ」と、遺跡以外も分かりやすく解説。
おお…メヒコのこどもたちのズルを手伝ってしまった…。
恐らく、この遠足の後、先生に提出された課題の多くに私たち3人が登場することでしょう。
そして、遠く離れたこの中南米の地の教育者に「どんだけ写真撮らせとんねん!」と舌打ちされていることでしょう。

太陽のピラミッド。
こちらのピラミッドは、どうやら学校によってはこどもたちは登ることを禁止されているようです。(ふざけあって落下したら危ないから)一人の男の子が私たちのかげに隠れてピラミッドに登ろうとしましたが警備員に見つかって、戻されていました。
月のピラミッドよりも段数が多く、皆さん休み休み登ってらっしゃいます。ホルヘさんは、また「いってらっしゃーい」と笑顔でお見送り。オイッ!
月のピラミッドは立ち入りが禁止されていて頂上まで上がることが出来ませんでしたが、太陽のピラミッドは可能。
多くの観光客は、そこで足を休めて眺望を楽しんでいます。
また、頂上には花もないのに種類の違う蝶々がひらひらと飛んでいて不思議でした。(きっとこれは…!)
私たちも写真をそのから眺めることのできる景色を堪能し、写真を撮り…、ピラミッド登頂可能な学校のキッズたちの宿題のズルを手伝い…。
暫し、ゆっくりしたところでピラミッドを降りました。
この地で、ホルヘさんがしきりに仰っていたのは、メキシコの人たちは(歴史的なアクシデントの末に)スペイン語を話してはいるけれども心は祖先と同じアステカであると。
大地、自然、宇宙を崇め奉っていたご自身の祖先たち、そしてその叡智に対し、ものすごく誇りを持っていらっしゃるのだと、いうことがとてもよく分かりました。
続いては、ちょっとしたお土産屋さんで休憩。
ここは古代都市が栄えた要因のひとつである黒曜石の民芸品なんかが作られていたりするところ。
まずは店主のフェリペさんが、古代よりメキシコの人々にとって欠かせない植物「アガベ(日本ではリュウゼツラン、メキシコではマゲイと呼ばれる。また、たくさんの種類がある)」について色々な説明をして下さいます。
アガベは食用になり…(これ蜜のとこ)
針と糸になり…(先がめっちゃくちゃ尖がってて、繊維はめちゃくちゃ強い)
紙にもなり…(「ようこそ」って書いてくれました)
テキーラにもなり…
ということでテキーラの試飲。(乾杯の仕方を教えてもらったのに忘れてしまった…!ああ…!)おいしい。
他にも、アガベから作られたお酒で、メスカル、それから日本ではお目にかかれないプルケ(発酵している。シュワッとした感じ)も頂きました。
ちなみにここで頂いたメスカルはアガベを食べる芋虫(グサーノ)入り。お酒そのものの味はすごくスモーキー。なかなか面白い。
あと、フェリペさんによる黒曜石講座。

黒曜石にも色々な種類があり使用用途も多数。
サービス(?)で、メキシコと言えば!!で日本人がイメージする衣服と帽子を着用させてもらってアガベの前で写真をぱちり(成田でアエロメヒコの入り口に居たしんちゃんのいでたち)
…と言ってもこんな格好をしている人は今、メキシコにはいませんけど。
お昼ご飯は、ホルヘさんおすすめのアステカのお料理が食べられるレストランへ…
屋外(屋根つき)で頂いたのですが、席からピラミッドが見えるというステキなロケーション。
数々のお料理…
メニューの名前は忘れてしまいましたが(メモる前に食べちゃった)とにかくおなかいっぱい!になりました。。。
ということで、旅2日目前半はここまで〜!!長かった〜〜
次回更新はまたもやいつになるかはわかりませんが…
『旅2日目後半〜苦しくて2015・聞こえぬ口笛の巻〜』
を予定しておりまーす。

ウチワサボテンのお花、かわいい!!

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