2006/3/6  23:21

アカデミー賞だ!分析してみる。  diary

今日はまず「ブロークバックマウンテン」を見た感想から。
静かに物語りは進んでいくが、題材である古めかしい代表のカウボーイと新しい偏見とモラルの同性愛問題を絡めたストーリーはどんどん深みを増していく。
静かだけど退屈することはない。
ストーリーについては書かない主義だが、見終わっていろいろと感じるところは大きかった。
ラストシーン近くになるとこの映画の妙技「微妙さ」という表現のすばらしさには感嘆するばかり。
父親が息子の同性愛のことを知ってたような、知っていないような、知っていることをはっきりとさせない言葉を使い、脚本の上では何も語っていないのだが、映像で表現されたものでは観客の中に「知っていたんだろうな」という思いを浮き上がらせる微妙さがあり、これがアメリカ映画としては稀に見る表現方法だと思う。
よーく考えると、全編を通してこのシーン、この微妙さ、あいまいさ、それでいて意味がある、見ているものに同じ物を感じさせるために着々とシーンを2時間積み上げてきた累積があることに気づいた。
こういった微妙さを出せるのはアジア人(中国人)監督であるアン・リーであるからだろう。
最後には同性愛・・・というか、この二人の純粋な愛を偏見なしで認めてあげたい気持ちになるだけのものがある。
主演はヒース・レジャーとジャーヘッドにも主演したジェイク・ギレンホール。上昇中の二人だ。どちらもすばらしいが、ヒース・レジャーの田舎訛りはその人物の実直さとかたくなさをうまく表現している。

見終わったとき、すでにアカデミー賞は決定している時間。
映画館を出たあとに「どっちが取ったのだろうか・・・?」と思いを巡らした。「ブロークバック」と「クラッシュ」のどちらかしかない。ということだ。「カポーティ」はまだ見てないけど。
僕の推論は、「僕個人はクラッシュのほうが脚本の緻密さがあり、見終わったとの衝撃、考えさせられるもの、深く人間の本質をついたものがあり、取る(しかも監督は初監督作)。しかしアカデミーは文学的なものを好む傾向があり、例えば、実在の人物や史実を有名俳優と有名監督でお金かけて作ると受けやすいが、ブロークバックはそういったいかにもスタジオ映画ではないものの、文学的なドラマがある。ブロークバックのほうがアカデミーの好みの問題で取ってしまうかもなあ」というものだった。

いざ、帰ってネットで調べてみると、この通り
作品賞がクラッシュで僕としてはこっちのほうが嬉しかった。今までにないアカデミーのタイプだったので。
それは素晴らしいほが取ればいいのでどっちでも良かったのだが、結果全般を見ると気になることもある。
結論から言うと、「これ!」といったこの1本がないってこと?
「今年はこの映画が本との良かったし、これが全部取っちゃったねえ。」というのが、ない。
全部内容の濃い小粒な映画だったこともあるが、監督賞がブロークバックのアン・リー、しかし主演は「カポーティ」のフィリップ・シーモア。
通常このあたりは監督の力が素晴らしいので映画は素晴らしいものになり、作品と監督賞は同じ場合が多い。また、作品が凄いと、主演のインパクトがすごくなり、演技が引き出されたものとなる。そしてこの2つも同じ場合は多い。・・・必ず、というわけではない。
これが全部違う。
さらに助演は上の3つとも違う「シリアナ」。
ちなみにハリウッドはまだ男性至上主義なのかそんなつもりはないのかもしれないけど、作品賞にノミネートされる映画はたいがい男性が主役。だから今回も作品賞5つの全ての主役、ストーリーを引っ張るのは男性。
だから主演女優、助演女優はノミネート10人中2人のみ。なので、ここも違う映画が取っているので、いわゆる主要5部門は全部!違う映画なのだ!  

やっとオリジナル脚本賞と脚色賞で争っていた2つの映画がそれぞれ取っている。しかしここでも2つで分けている状況。編集で「クラッシュ」がひとつ差をつけた形だ。
ちなみに「SAYURI]が数で言うと3つ取っていて「クラッシュ」に並ぶが、これはきらびやかな映像が綺麗だった、という意味で、内容とは関係ない。

最終的には、今までのアカデミーっぽくなく内容の濃いミニシアター系(日本的言い方)の映画にアカデミーが行ったと言うことは進展なのかもしれないが、分散したところに「本命がいないからみんなで分けなさい」とアカデミー賞が言っているようで、ちょっと寂しい。

でも僕としては「クラッシュ」か「ブロークバックマウンテン」のどちらかが総ナメしてもよかったと思う。 

2006/3/6  20:11

アカデミー賞!!  diary

告知:
今夜のダイアリーは「ユウジの勝手にアカデミー賞!」
かつて映画に本気で出たかった(後、挫折)ユウジが今しがた見た「ブロークバックマウンテン」の感想を含め今日のアカデミー賞の結果に思うところがてんこ盛り。
夜中、リリース。



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