2008/7/15 23:58
告発のとき diary

はい、「告発のとき」です。
この映画はものすごく見たかったんだよなあ。
なんと言っても監督。ポール・ハギス。
彼はミリオンダラーベイビーや硫黄島からの手紙、父親たちの星条旗というクリント・イーストウッド作品の脚本、007・カジノロワイヤルの脚本を担当した、今の時代に最も素晴らしい脚本がかける脚本家だ。
彼の監督第一作目は「クラッシュ」でこれは初監督にしてアカデミー作品賞を取ったものすごい映画です。
それも彼が書いたから。
あの映画はすごかった。
構成が通常のルールを取らなくても人は始終引きつけられたのだから。
そのポール・ハギスの第二作品目!
そりゃあ見たいでしょ!
当然ハリウッドでも注目な作品なわけで、俳優はギャラが低くても出たいと思う作品であることは脚本の製作段階でわかること。
アカデミー級の俳優が集まりました。
主演は言わずと知れたトミー・リー・ジョーンズ。
あの皺くちゃな年季の入った顔にはものすごい説得力がある。
シャーリーズ・セロン。
ここのところ、ノーメイクの元中毒患者なども演じ、かなり本格的な女優になってきた女優だ。
奥やん役にスーザン・サランドン。
この人の演技の素晴らしさは言うまでもない。
今回もあのノーメイクのしらっ茶けた疲れた顔の大きな目から流す涙にはもうそれだけでオスカー候補になってもおかしくなかった。
それだけでなく、他の映画で主演をはれる役者がこぞって出ている。
スピード2主演のジェイソン・パトリック、スパーダーマンの悪役青年ジェームス・フランコ(若きジェームス・ディーンも演じた)、先日のノーカントリーで怖い犯罪者に追いかけられるお金を盗んだおじさん(名前忘れた。でも今度ブッシュ映画の主役“ブッシュ”を演じる)などこの人たちが脇役でも出たいと思う映画なのだ!!!!
ね!見たいでしょ!
日本の題名が「告発のとき」と変に昔見た裁判ものみたいになっているけど、原題は「エラの谷で」というのだが、ゴリアテとダビデの話が劇中に出てきて、これが今回の映画のメッセージになっていて、ゴリアテとダビデが戦った場所が題名になっているのだ。
この映画は今のイラク派遣が若者をどのように豹変させているのか、アメリカをどう変えてしまっているのか、それは非常にヤバイ状態なんだということを伝える。
僕が映画のテーマをこうやって書くと、いくつかそういう映画あるじゃん!って思うかもしれないけど、この映画はすごく地味に作られながらもものすごく思いメッセージを伝え、心に残し、あとからふつふつと沸いてくる。
どうやっても忘れられない映画。
テーマだけでなく、そういう内容を映画という3次元×1秒24コマ×2時間の超複雑な媒体で完璧に描くのは軌跡のレベルでしか実現されないのだ。
映画は産業であるために、より複雑になってあらぬ方向に行ったりもするから。
それをこれだけ高い完成度で作り上げるのは、やはり脚本の良さだ。
結局のところ、ポールハギスがすごい!
本当に見て欲しい。
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