うどん県ですか?そば県ですか?
のっけから変な質問をしてしまいましたが、県民性や気候風土により、よく食べるのが、うどんか蕎麦にはっきりと分かれると聞いた事があります。
日本海側1県おきの、美人説や、うどん県そば県の説を友達に話すと、そんな事は聞いた事がないと、笑われてしまうのですが、私が勝手につくった訳ではありません。・・・念のため。
さて、わが故郷、島根はというと、これはもう間違いなく蕎麦県です。
島根でよく食べるのが、割子(わりご)蕎麦といい、3段或いは5段になった手の平サイズの器に蕎麦が盛ってあり、つゆを直接かけて食べます。
(今日昼に食べた割子蕎麦です。茶碗に盛ってあるのが、蕎麦の実を混ぜて炊いた、これこそ本当のそばめしです。)
子供の頃、体調が悪い時に蕎麦を食べ、吐いてしまった経験から、蕎麦は苦手な食べ物でした。しかし、ロシアから帰国し、無性に蕎麦が食べたくなって、子供の頃のトラウマを抑えながら食べてみると、「こんなに美味しい食べ物があったのか!」とビックリした記憶があります。
今では、1日に一度蕎麦を食べないとなんとなく寂しく、お酒の後のラーメンの様に無性に食べたくなるのです。
蕎麦の原産地はシベリアのバイカル湖付近で、寒冷地の植物です。その付近に住んでいた民族は早くから食べていたと思われますが、その他の地域に顔を出したのは比較的近年で、7百年前、モンゴルの成吉思汗(ジンギスカン)の軍勢が欧州に遠征するときに携えていったのが、文化圏にデビューした始まりといわれています。
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昨日、平成2年発行の川島四郎著「たべもの心得帖」を読んでいると、面白い記事がありましたので、紹介します。
「日本人は蕎麦と聞けばすぐスルスルすする麺類のおそばのことしか考えませんが、蕎麦の一番理想的な用途は黒パンです。世界中で蕎麦の黒パンを主食として用いている国は、東西ドイツとソ連です。両国とも過ぐる世界大戦でしたたかやっつけられましたが、後に雄雄しく立ち上がり、ものすごい底力を現しつつありますが、主義のことは別として、この質実剛健な国民気風と、強靭な国民の体力は、この蕎麦の黒パンから出発しているといっても、過言ではありません。
先年、東京オリンピックにソ連の選手も大挙してやってきましたが、パンはお国ぶりの黒パンを持って来ています。ソ連のレスリングの選手8名が日本に来ましたが、羽田の飛行機場に降り立った時、どの選手もみな小脇に抱えていた物があります。それは、ソ連自国で作った黒パンで、飛行機の中でこの黒パンを食べつつ飛んで来たのです。真っ白な湿った焼麩(やきふ)のような頼りない白パンしか日本にないことを知って、これでは力がでないというので、わざわざソ連本国から黒パンを小脇に抱えてきたのです。」
現在の黒パンはライ麦が主原料で、蕎麦粉を混ぜているかどうかはわかりませんが、いずれにせよロシアではグレーチハ或いはクレーチカと呼ぶ、蕎麦の身を茹でたお粥のようなものを食べているのは事実です。
以前、自然な食生活をおくっていれば、体は必要とするものを欲するという様なことを書きましたが、蕎麦も、そうだったんでしょうね。
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