吉村教授の講演会を54名の参加者を得て無事終えることができた。参加していただいた皆さん、スタッフの皆さん、ありがとうございました。 講演は、日本古代史の現在の到達水準を示す内容の濃いお話しでした。われわれが持っていた常識的古代史認識を覆す数々の指摘があり(たとえば、小野妹子や大海人皇子の読みや大王の存在など)、ヤマト王権の成立や東(ヒムガシ、アヅマ)をめぐっての古代の具体的世界認識の差異から、王権にとって東国とは何かよいう具体像に迫った。
白村江の戦での敗戦をきっかけに国際的緊張の中で律令国家確立を急務とした流れや王位継承の変化を通して壬申の乱の内因を追究された。
壬申の乱を経て成立する天武朝が、天皇体制の確立期であり、壬申の乱の歴史的意義は軍事体制の確立をともなう律令制国家の樹立にあるとされた。
日本史を教えている私にとっては、日頃の勉強不足を痛感しつつ、久々に勉強し直すまたとない機会となった。日本古代史の学界の動向を含め、最新の知識に触れることが出来、意義深い日であった。
吉村先生、本当にありがとうございました。


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