さてワシが乗っている電車はアト3駅のトコロまでターゲットの最寄り駅に近付いていた・・・
ほどなく別の調査員からもうすぐ駅ですとメールが来た・・・
焦る気持ちがあっても到着は変わらない・・・
乗換案内等モバイルツールを駆使して調べたところ、
奇跡的にワシの乗っている電車が最短の到着である・・・
密に連絡を取り合い乗車位置を予測し、一駅ごとに車両の位置を換えて備える・・・
そして到着した瞬間降りて確認しようとするが、
地方都市とは言え流石にラッシュ時には目視は出来ずそのまま乗り込む・・・。
ここからはまずメールで服装を通知してもらい、
それを確認した後はターゲット下車するまで、
携帯電話を通話状態のまま繋ぎっ放しにする事にした、
降りてから電話したのでは到底間に合わないからである・・・。
そしてY駅にてターゲットは下車、調査員の電話越しの
「今降りました!!、○○の看板辺りを通過改札まで約40メートル」
と言う声の情報を可視化してターゲットと調査員を血眼になって捜す!!
見つけた!
先に見覚えある調査員!そしてその5メートル先に帽子を目深に被ったターゲット!
調査員に「のっけからバタバタじゃねぇーか、捕捉したぞ」と声をかけターゲットを捉えた事を伝える・・・。
そして追尾を続行する・・・。
ターゲットは改札を通り抜け地下鉄の路線に乗り換える・・・
乗り換えて3つ目の終点で降りる・・・
ココまでは朝のバタバタからは打って変わって非常に落ち着いた尾行だ・・・
何せターゲットの視界にも意識にも調査員である我々は入っていない事が確信できるからだ・・・。
しかしながら充分距離を取りあくまで気は緩めず尾行を続ける・・・
ココで何故かターゲットは歩行スピードを緩めているのに気付く。
スピードを合わせて進んでいるのだがどんどん距離は縮んで行く・・・
ついにはターゲットと我々が最後尾になりそうなので、
ワシは一気にターゲットを追い抜く・・・
そして改札を出て券売機付近に人待ち顔で立つコトにした・・・
エスカレーターで地上にある一か所しかない改札まで距離はあるが
それでも中々調査員もターゲットも現れない・・・
すると携帯電話で通話しながらターゲットが改札を通過し、
程なく調査員も現れワシに向かってトイレと言ってるのを
読唇したのでその行動を気にも留めなかった・・・
さて改札を出て暫く地下道をゆっくりとした足取りでターゲットは歩き始める・・・
直線にして約300メートルはあるだろうか?非常に尾行がしづらいポイントだ!
突然曲がって階段昇って地上に出て建物に入られでもしたら見失ってしまう可能性が高いからだ・・・
かといってラッシュも過ぎて閑散とした地下道を詰めて尾行するのは認識される危険性がある・・・
この距離感は尾行する探偵にとって一番大切な感覚である。
100メートル以上の距離を取り、曲がった瞬間に猛ダッシュ!!
これしかない!・・・暫く追尾してターゲットが曲がる
その瞬間猛ダッシュするワシと調査員!!
我々が曲がった瞬間視界に入るはずの距離感なのに、
居ない!!
しかし、階段を駆け足で昇っているハイヒールの音が
カンカンカンカンッと地下街に鳴り響く!
!?急いで階段を駆け上ると駆け上るターゲットを視界にとらえた・・・
スピードを緩め視界から消えないギリギリの距離感で地上へ出る・・・
ターゲットは振り返っていない・・・警戒行動ではないらしい・・・
少しホッとしつつ繁華街へ向かって歩くターゲットの尾行を続ける。
しかしこのターゲットの行動は既に計算され尽くされており、
ワシらは既に術中にハマっていた事を後々思い知るコトになるのである!
それはファイナルへ続く!!!

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