繁華街に入っていくターゲットは少し振り向き、
徐々に不可解な行動をし始める・・・
まずは繁華街のど真ん中にある小さな神社に入っていく、
もちろん躊躇出来ない(通り抜けできる可能性がある)のですぐさまアトを追う・・・
そうすると手を合わせターゲットは拝み、
すぐさま振り返って戻ってくる・・・「!」
ここで初めて調査員とターゲットは顔を合わせる事となってしまう・・・
そしてしきりにキョロキョロして携帯片手に会話しながら歩くようになる。
どこか迷っている様子に思える・・・距離を徐々にとり慎重に様子を見る
今度は上を見てキョロキョロしつついくつかの路地を曲がって、
とある雑居ビルに入っていく・・・
ワシらはあえてスグには近付かず数分たってからビルに様子を見に行く・・・。
そのビルにはパブやスナックが多数テナントとして入っており、
こんな時間に開いている店は無さそうだ・・・が、一つだけ中国輸入雑貨代理店
などというオフィスらしいテナントがある・・・ほぼココに間違いないであろう
エレベーターもそのフロアで停止している・・・
5分ほどその付近で様子を見て、クライアントに報告しようとした矢先
ターゲットがそのビルから出てくるではないか!?
そしてどんどんワシに向かって近づいてくる・・・
振り返って逆方向に歩く訳にもいかず、とっさにワシはすぐ近くの自販機に硬貨を投入し飲み物を購入する・・・やり過ごすぐらいの時間をかけたが、
なんとターゲットはワシの前で立ち止まり「○○町はこの辺ですか?」
と話しかけてくるではないか!
「いやぁ〜ココは地元じゃないので分かんないです」などと当たり障りなく答えた。
が、もちろんこれでワシの追尾は不可能になった・・・。
ココからはもう一人の調査員に託すしかない・・・
その場をさりげなく離れターゲットとは逆方向に歩いていき視界から消えて
もう一人の調査員に電話で説明する・・・
離れた場所から調査員は様子を見ていたらしく「警戒行動ですか?」と聞く・・・
「間違いないナ」とワシは答えつつ尾行をまかせ近くの喫茶店に待機する・・・
すると程なく調査員から連絡があり、場所が割れたらしい・・・
変装をすませ連絡を受けた場所へ向かう・・・このビルのドコかです・・・
だがまたしても雑居ビルで住居やテナントが混在しているビルで判別が難しい・・・
仕方なくビルの出入り口が見える場所に車両で張り込むコトにする・・・
30分ほどして出てきたターゲットにワシらは驚いた・・・
ん?服装が違う・・・
スカートからパンツルックに帽子も脱ぎロングの髪はアップにされている・・・
しかしながらその端正で美人な顔立ちが災いしすぐに認識できた。
さて調査員が降りて追尾して行こうとするが、
すぐさま振り返りこちらへ向かってくる・・・
調査員はそのままやり過ごし、どんどんこちらへ向かってくる・・・
ワシは運転席にいたが少しずつシートを倒しタヌキ寝入りを決め込もうとした・・・
が、コンコンとガラスを叩かれ目を開けるとターゲットが電話を片手に
ちょっとこのヒトと話して下さい!などと話しかけてくる・・・
「あぁ・・・さっきの・・・どうしました」と冷静にとぼける・・・
それでも携帯電話を無理矢理押しつけて来るので、
「何言ってるの?なんで知らない人と俺が話するの?」と言いつつ
エンジンを掛け話を切り「気持ち悪いから行くよ」と
強引にその場を離れる・・・。
さてここからはまたもう一人の調査員が尾行するが、
アトで聞いた話ではぐるぐる歩き回り最終的にまた雑居ビルに入って行ったという事であった・・・
確実にワシがバレてしまっているため別の調査員を手配し、
その雑居ビルに向かわせる・・・
数時間経過し、そのビルのある料理屋で働いている姿を確認できたという報告を受けた・・・。
さてその帰りも大変だったらしい・・・
さてこの調査で何故ワシがバレたのか皆目見当が付かなかったのだが、
皆さんは分かったであろうか?
答えは次回の、「回顧録」で・・・。

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