07.2.13の6ヵ国交渉妥結と共同文書は イラン攻撃目的で同時2正面作戦を避けるためだ
―イラン侵略の第3次大戦が差し迫った!
更新:07.2.15;16;17;20;21; 25
朝鮮の核開発に関する6カ国交渉は07.2.13に妥結、共同文書に調印した。これは05.9.19の6ヵ国北京共同声明を具体化するものだと、米韓代表は指摘したが、それは、朝鮮の核兵器廃棄と朝鮮半島の非核化、韓国による電力支援、米国の朝鮮攻撃・侵略意図の否定表明、米朝平和共存の実現、米朝、日朝の国交正常化、東北アジア安全保障での6ヵ国の協力が主要内容だった。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/n_korea/6kaigo/ks_050919.html
今回の共同文書は、(1) 60日以内に寧辺核施設の稼働を停止・密封し、韓国が重油5万トンを支援する。(2)全核施設の申告と使用不能化など追加措置に対し重油95万トン相当の約4億ドルを、中韓米が1億3,300万ドルずつ均等負担してエネルギー・経済支援を行う。これで中国はインフラ整備、韓国はエネルギー支援、米国は食料支援する。ロシアは債権を帳消しする。(3)日朝国交正常化など5分野の作業部会を設置する(中国が議長の朝鮮半島非核化部会、米朝国交正常化部会、日朝国交正常化部会、韓国が議長の経済・エネルギー協力部会、ロシアが議長の北東アジア平和・安全機構部会)―が内容だ。
これは94年の米韓枠組み合意の復活を土台にして、中国が保証国になった国際的合意である。これは米国一極支配の崩壊、多極化を象徴している。
しかし共同文書に保有核弾頭の廃棄やウラン濃縮施設への言及がなく、朝鮮は核施設の一時稼動停止に対する100万トンの石油支援が共同文書の内容だと発表したこと、ブッシュ政権による朝鮮のテロ支援国家指定の撤回意向に対するネオコン、共和党の反対が強いこと、ブッシュの本音の不透明さとありうる動揺などから、94年合意、05年北京共同声明と同様に、双方の駆引とブッシュ政権の実行回避、逆行で共同文書実現の見通しが不透明で危ぶまれている。
日朝関係では朝鮮が、第2次大戦時の日本による数十万人の朝鮮人強制連行と日本での奴隷労働、多くの死者、遺骨の非人道的扱いという経過から補償を要求しており、金正日総書記の拉致事件謝罪表明にも拘らず、日本人拉致問題は解決済みと主張していて、拉致問題解決による国交回復に固執する安部路線は袋小路化が予想されている。その上今回の出来事が示したように、米国一極支配の崩壊、多極化の進行、東北アジアでの中国の影響力の強まりから、今後在韓米軍の縮小・撤退、沖縄はじめ在日米軍の縮小・撤退に向う情勢変化の可能性の増大から、対米従属に固執する無能な安部自公政権の国際的孤立化を展望する観測も出ている。
http://tanakanews.com/070216eastasia.htm
ブッシュ政権のイラン攻撃・第3次大戦強行が差し迫った!
今回の6ヵ国合意は、史上最大の双子の赤字による経済的危機、イラク占領の失敗、議会と世論での劣勢、ブッシュ支持率28%の凋落で追い詰められ、余裕のない米ブッシュ政権が、イラン攻撃による第3次大戦に力を集中するため、東西同時の2つの戦争の2正面作戦を避ける都合で、朝鮮との妥協に走った結果と見られる。
ブッシュ政権とネオコンは、イランの外交官らの違法な拉致・監禁を再三敢行したが、イランが挑発に乗らず、今度はイラク侵略の口実だった大量破壊兵器保有のデマ宣伝と同様にイラクのゲリラへのイランによる武器・弾薬の直接提供をあれこれ宣伝している。しかしそれは、07.2.13にペース統合参謀本部議長が訪問先のジャカルタで「イラン政府の直接関与を必ずしも意味しない」と言明したほどの大デマ宣伝である。翌日にブッシュは、イラン革命防衛隊のアルクッズ部隊が迫撃弾など高性能爆弾をイラクの武装勢力に密輸していると誇大デマの主張をしたが、それをイラン指導部が承認しているかは知らないと、自信のない発言をした。だがブッシュは「米軍部隊を守り、対処する」と言明して、イランとの事実上の戦闘開始を予告した。ブッシュは、民主党に協力を呼びかけた。
しかし米議会下院は07.2.16に、イラクへの米軍増派反対決議を賛成246(共和党議員17) 対182で可決した。ペロシ議長は「戦闘終結、米兵帰還の方向へ舵を切るシグナルだ」と指摘した。増派予算の制限措置も準備中だ。これでブッシュ政権は大打撃を受けた。
こうした困難から、ブッシュらは、イスラエルのイラン攻撃を期待し、戦闘が起って米軍がイ軍を支援して第3次大戦へ発展すれば、米議会と国内の劣勢な力関係を逆転できると期待している。
イスラエルは最近、エルサレムにあるイスラムの聖地―岩のドームの破壊工事を開始して、抗議・反対するパレスチナ青年グループをイスラエル警察が襲った事件が起った。これでイスラエルはイラン、シリア、レバノンのヒズボラ、パレスチナのハマスと、イスラム世界全体に戦争を挑発した。他方では国際社会に煙幕を張るため、ライスの音頭でオルメルト、アッバスとの「平和」会談を行ったが、不調に終わった。
そこへ米ブッシュ政権はまた打撃を受けた。英BBC放送の07.2.20の報道では、英ブレア首相はイラク南部の現在の英占領軍約7,100人のうち約1,500人を今夏までに撤退させ、年内に計3,000人撤退させると、議会報告する方針でブッシュに通告した。ブレアは2.21に英下院で1,600人の撤退を発表した。
ブッシュはあせっている。英BBC放送の07.2.19の報道によれば、米ブッシュ政権はB2ステルス爆撃機による地中貫通爆弾「バンカーバスター」で、ナタンツの核施設や中部イスファハン、中西部アラク、南部ブシェールの地下25mの核関連施設を爆破する計画で、イランの空軍基地、海軍基地、ミサイル施設、司令部など軍関連施設の大半も標的にしている。第3次大戦が近づいた。イランの革命防衛隊は2.19に07年3度目の大軍事演習を実施した。07.2.25付の英サンデータイムズ紙は、米軍の司令官らはイラン攻撃に反対で、ブッシュが攻撃命令を出したら4〜5人の将軍と提督が辞任する決意だと報じた。開戦には議会の承認決議が必要で、ペンタゴントップの有力部分のクーデター計画も今なお生きているようだ。開戦でドル暴落と世界経済恐慌、米国経済の崩壊が必至となる。
正常な判断力を失っているブッシュらは、イラン核攻撃の先に新約聖書の「ヨハネの黙示録」に従って、対露先制核ハルマゲドンを予定している。露軍の新型ICBMトーポリMは米軍レーダーで検知・補足・撃墜できないので、米軍は戦略的劣勢にある。そのためすでにブルガリアとルーマニアに米前進基地を造った。そこから中距離弾道弾が打てる。今度はポーランドとチェコの首相が07.2.19に、自国での米迎撃ミサイル基地設置の受入れ決定を発表した。このMD(ミサイル防衛)は先制核攻撃のあとの報復攻撃ミサイルを打ち落す攻撃兵器だ。第3次大戦と「先制核ハルマゲドン」へ向けて危険な情勢が形成されている。
平和愛好者は、米イ枢軸によるイラン核攻撃の第3次大戦という地球のグローバル規模での犯罪と安部政権の加担を阻止する闘いに決起しなければならない。そうすれば、地球と宇宙、生命体の創造主、その管理・指導下にある様々な先進文明惑星から援助が与えられるだろう。
前田 進 jcfkp201@ybb.ne.jp

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