飯豊連峰、入り門内沢へ定例スキー。
毎年、滑り納めとして石転び沢や門内沢に通っているが、今年は仕事や子供の学校行事などで土日に山行時間がとれず、6月になってしまった。飯豊山荘までの車道が開通する直前がベストなのだが仕方がない。雪質には期待せずに出掛ける。
丸森尾根経由で門覚沢をからめたプランも考えたが、丸森峰までの尾根上にはまだ残雪が多そうなので、ピッケルを持つ程の状況ではやめとこう。とベーシックに入り門内沢のピストンとした。
湯沢手前の駐車場に車を停め、バナナをほおばりながら準備。石転びへ行くと言うテレマーカーを見送る。
いつもながら砂防ダム上のブナ森にはなんとも言い得ない良い心地がする。ほぼ一年振りの道ではあるがそんなに月日が経った気がしない。近年は山行日数も減っているし、どう言う訳だろう?デジャヴの様な気分。飯豊に入り始めて20年+を経た。はたまた年齢のせいか。一汗かき、沢水をほおばる。至福の時間。
地竹原の先で雪渓に乗る。が、すぐ先の本流中央部に大穴が口を開けており、気を引き締めて雪面に気を遣いながら歩く。石や泥、小枝が散在する時期となった。滝沢の出合はまだしっかりとしていた。
梶川の出会いもまだ問題なし。ただ、梶川を渡ってすぐの夏道脇に大岩があるが、その沢側が口を開け始めていたので要注意。
今年は妙な雪渓の残り方はなく、夏の渓相を思い出しながら歩く。間もなく入り門内沢の眺望が広がる。雪の量はまずまずであるが、稜線の雪堤が小さいのか?小屋直下から雪が繋がっていない様だ。
平日にも関わらず、石転びには既に十数名程の登山者の粒が確認出来る。
さぁて、門内沢には誰も見えず貸切か?峡彩山岳会さんの報告にあった“縦溝”とはいか程のモノか!
門内沢は枝沢が多く、景色の変化があって面白い。左岸の梶川峰から落ちて来る沢。
右岸の幸七尾根から“ドスドス”とブロックが転がって来た。順調にシール登行を続ける、北股岳〜ギルダ原から落ちて来る沢が合わさる。今はクラックがいくつか横断していたが、時期が良ければ滑り込めそうである。しかし、行うは難し。
傾斜も徐々に出てきた。さて問題の“縦溝”であるが、これはまるで畑の“ウネ”だ!!間隔は50cm〜1m弱、山谷の起伏は深い所では20cmはあるだろう。こりゃぁ登りも滑りも支障あるわ。
扇の地紙〜胎内山から落ちる枝沢の滝。いつも見える景色だ。
さてここから核心部の登りに入る。今シーズン導入のスキークランポンを装着!最初は引っ掛かる感じで不快であるが、傾斜が出てくると気にならなくなった。
が、ジグを切る斜度になってスキークランポンの威力を発揮するはずが、“ウネウネ”の支障発現!!板のトップとテールがウネの山に乗ると、ウエストが谷となり接地せず、ウネの間隔からも登り難い事甚だし。急にペースが落ちる。
稜線までまだ300m弱ある。ここで諦め、アイゼン登行にチェンジ。幸いウネの山はまだ軟らかく、足場は十分確保出来た。
はるか頭上まで続く“ウネウネ”。山は軟らかいが谷は一部ザラメが氷化していた。こりゃぁ、下りは安全第一滑りだな。と決定。
いつものルートどりのつもりで登るが、稜線に近づくにつれ雪の量が少なく感じた。そしていつもの夏道に到着。
天気はまずまず。そう寒くなく、風も強くはないが小屋で休もう。門内山頂から見た二王子岳東面の沢はまだ残雪いっぱい。滑れそう。
貸切の小屋で休憩。鳥海の残りのスコッチウヰスキーを二口含む。石転び沢より門内沢に来る理由の一つがこの景色。。。
小屋の室温4.5℃。そんなに寒くは感じなかった。小屋直下の雪堤からはわずかの雪しか繋がってなかったので、到着地点へ戻り下降する事とする。
さぁて、滑り落ちは慎重に。大きな横滑りズリズリターンで滑る。ウネの山は軟らかいのでコントロールは容易である。調子に乗って縦ターンをしてウネの谷にはまる事は避けたいので、突っ込みたい気持を抑える。
上部のノドを過ぎるとウネは小さくなり、徐々にターン弧を縦に、スピードを上げて滑る。
いやぁーなに、想像したよりずっと滑りやすく、あっという間に石転び沢の出合へ戻る。もったいないくらいであった。
あとは消化区間で夏道の取り付きに到着。これにてシーズン終了か。。でも滑りが調子良かったので、まだ滑りたい欲が出てきた。。
帰りの夏道もいつもより楽に歩けたのでした。
今シーズンは各季節毎の雪質を堪能出来た感じ(吾妻方面には行けなかったが)。これにて終了となるだろう。
が、今月中にタイミングがあれば一昨年の様な丸森尾根で門覚沢滑りに行きたい欲アリ。(まずムリかと。。。)

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