日曜日に映画を3本ハシゴしたことを書こうと思ってましたが、思ってるだけで3日も経っちゃいました。すんません。以下、簡潔に。
●1本目『レッスン!』(ゴールド劇場)※ネタバレ少しあり
「実話に基づいた物語」の良くない見本みたいな作品。やたらと説得力に欠ける展開が続くのだ。「なんでそこまで熱心になる?」「そんなことで気が変わっちゃうの?」という場面の連続。それでも「いやいや、これは実話に基づいてるんだから」と言われれば、「はあ、そうですか」としか言えないもんねぇ。
主人公はダンス教室を営む男。ひょんなことがきっかけで、落ちこぼれの高校生たちに社交ダンスを教えることになる。そんなもんに興味がない高校生たちは猛反発するが、男の熱意と社交ダンスの魅力に次第に惹かれ、熱心に練習するようになり、やがてコンクールに出場——という物語。そういうシンプルな展開は大好きなんだけど、やはりもっと説得力とか必然性とかを持たせてくんなきゃ。披露されるダンスがカッコいいだけに、もったいない。
あと、最後に「このスクールは今や全米120に」みたいなテロップが流れるんだけど、それを見て「結局、PR映画かよっ」と思ったのは僕だけ?
それにしても、ゴールド劇場の椅子はホントに疲れるね。しかも前の方に座ると冷房がキツくて寒いっすわ。
●2本目『彩恋 SAI-REN』(シネマスコーレ)※ネタバレありまくり
女子高生の仲良し3人組が主人公。それぞれが恋に悩んだり夢を追っかけている様子が描かれ、さらにその周囲の者たちが抱える問題も語られる。で、最後にはそれぞれの物語がそれなりに終結し、和やかで爽やかな雰囲気で映画は幕を閉じる……わけだけど、僕としては何とも言えない違和感みたいなもんがズッシリ残っちゃったなぁ。
だってさ、いろんなエピソードが並列に語られるんだけど、「自分に子どもを授けた恋人の死」と「初体験の相手の引っ越し」じゃ、事の重みが全然違うでしょ? 人の死を安易に扱う物語が好きじゃない僕としては、ものすごく抵抗があったのよ。そうは言いながらも、まあまあ好きな作品だけど。
●3本目『陸(おか)に上がった軍艦』(シネマスコーレ)※ネタバレ少しあり
軍隊への入隊経験を持つ新藤兼人(念のために書いておくと、高名な脚本家です)へのインタビューと、それに基づく再現ドラマで構成された映画。当時の軍隊の行動様式や考え方の馬鹿馬鹿しさが、よく伝わってくる。勉強になりました。
でも、さすがに3本目ってことで目が疲れていたので、ちょっとウトウトしちゃいました。新藤先生、すみません。あ、役者ではユウキロックの熱演が印象に残りました。
ハシゴが終わったあと、映画好き仲間のK氏と待ち合わせ。最近の作品についての激論会をやりましょう、と前々から約束してあったのだ。さっそく世界の山ちゃんへ移動し、バトルトーク開始。面倒なので詳細は省くけど、大きく評価が分かれた作品だけ紹介しておこうかな。
<僕が○、K氏が×または△、という作品>
『舞妓Haaaan!!!』
<K氏が○、僕が×または△、という作品>
『大日本人』『転校生 さよならあなた』『恋する日曜日 私。恋した』
『サイドカーに犬』『ボラット』
K氏の周囲では『転校生 さよならあなた』を好きな者の方が多数派だって。そ、そうなのか。僕が時流に乗り遅れてるの?
しかし、こうやって見ると、僕の方が了見が狭い人間みたいだなぁ。まあ、実際そうなのかも。
ちなみに二人とも気に入ってるのは『河童のクゥと夏休み』『学校の階段』で、二人とも「これはダメ」とバッサリ斬ったのは『そのときは彼によろしく』『吉祥天女』『監督・ばんざい!』。そして「ラスト数分のせいで傑作が台無し」と見事に意見が一致したのは『キサラギ』でした。

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