週末恒例、「名古屋で公開される新作映画の注目作はコレ」のコーナー! ☆・◎・○・無印の順で……以下略。
☆
『ウルヴァリン:SAMURAI』(アメリカ)125分
ご存じ『X-メン』シリーズのメインキャラ、ウルヴァリンが主人公のシリーズ第2弾。今回は日本が舞台になってるそうで、真田広之も出てるみたいですね。それ以外の事前情報は持たずに臨みます。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/イオンシネマ大高
☆
『日本の悲劇』(日本)101分
『春との旅』『愛の予感』などの小林政広監督の新作。余命わすかな父親とその息子を描いた社会派ドラマ……らしいです。主演は仲代達矢と北村一輝。まあ、小林監督の新作なら何はともあれ観なきゃね。
※上映館/シネマスコーレ
◎
『スーサイド・ショップ』(フランス/ベルギー/カナダ)79分
『髪結いの亭主』『仕立て屋の恋』などで知られるパトリス・ルコント監督の初のアニメ作品。自殺用品店を営む一家を舞台にしたコメディー……らしいです。面白そう。
ちなみに僕がルコント作品で一番好きなのは『タンデム』で、その主題歌『僕の隠れ家』には心酔しまくりました。
※上映館/センチュリーシネマ
◎
『許されざる者』(日本)?分
クリント・イーストウッド監督&主演作のリメイク。明治初期の北海道が舞台になるそうです。主演は渡辺謙で、監督は『フラガール』『悪人』などの李相日。
ちなみにオリジナル版は当時の僕にはさっぱりピンと来ませんでしたが、今ならもうちょい理解できるかも。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/イオンシネマ大高
○
『劇場版 ATARU THE FIRST LOVE&THE LAST KILL』(日本)?分
人気テレビドラマの映画版。中居正広演じるサヴァン症候群の青年が主人公のミステリーですね。映画版には堀北真希も出るみたい。
ドラマ版は2回目まで見たんですが、コメディー部分があまりに陳腐だったので、残りはパスしました。本筋はそれなりに面白そうなのに、何でしょーもない笑わせ要素を入れるんだろ。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/中川コロナシネマワールド/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ/イオンシネマ大高
○
『オーガスト・ウォーズ』(ロシア)132分
2008年に起きたロシアとグルジアの紛争を基にしたSF戦闘スペクタクル……らしい。巨大ロボットも登場するみたい。
※上映館/ピカデリー
○
『私が愛した大統領』(イギリス)94分
第32代アメリカ大統領、ルーズベルトの知られざる素顔に迫った伝記ドラマ……らしい。ルーズベルトを演じるのはビル・マーレイ。
※上映館/伏見ミリオン座/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ
○
『あの頃、君を追いかけた』(台湾)110分
高校の同級生だった男女7人が繰り広げる他愛ない日々を描いた青春ドラマ……らしい。
※上映館/名演小劇場
○
『小鳥遊六花・改 劇場版 中二病でも恋がしたい!』(日本)?分
思春期の自意識過剰な言動「中二病」をモチーフにした青春ラブコメディーの映画版……らしい。どんなストーリーなのか、ちょい気になります。
※上映館/ミッドランド スクエア シネマ
『鷹の爪GO 美しきエリエール消臭プラス』(日本)110分
FROGMANによるFLASHアニメの劇場版第5弾。例によって脱力感満載っぽいです。面白そうなシリーズですが、実は一度も本編を観たことありません。だって今までTOHOシネマズ系でしか上映されてされなかったもん。
※上映館/109シネマズ名古屋/イオンシネマ・ワンダー/TOHOシネマズ名古屋ベイシティ
『風と共に去りぬ!?』(韓国)121分
朝鮮王朝後期を舞台にした壮大な復讐劇……らしい。しかしまあ、おそれおおい邦題を付けるもんですね。
※上映館/シネマスコーレ
『コードギアス 亡国のアキト 第2章 引き裂かれし翼竜』(日本)?分
人気アニメ『コードギアス 反逆のルルーシュ』の番外編的シリーズの第2弾……らしいです。
※上映館/伏見ミリオン座/イオンシネマ大高
『ワーカーズ』(日本)94分
「協同労働」という働き方を実践する人々の実態に迫ったドキュメンタリー……らしい。
※上映館/シネマスコーレ
『南の島の大統領 −沈みゆくモルディヴ−』(アメリカ)101分
水没の可能性がある島の存亡を懸けて活動するモルディブ共和国大統領に密着した社会派ドキュメンタリー……らしい。
※上映館/名古屋シネマテーク
『ソレイユのこどもたち』(日本)104分
多摩川の河口の船の上で犬たちと暮らす老人の何げない日々を捉えたドキュメンタリー……らしい。
※上映館/名古屋シネマテーク
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この1週間で観た映画は3本。正直言って、どれもいまひとつでした。
●劇場版 あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。
先に書いちゃうと、これ、完全に「一見さんお断り」っぽい感じです。テレビ版全11話のダイジェスト+その1年後のエピソードが描かれるわけですが、あまりに話が前後するので、テレビ版を未見の方には訳が分からないんじゃないかな。逆に、テレビ版にどっぷりハマった人たちは号泣すると思います。僕はテレビ版にもいまひとつノレなかったので、ちょっと苛々しながら観てました。だって、あまりにも感傷的なんだもん。まあ、それが良さでもあるんだろうけど。
●夏の終り
満島ひかりと二人の男との三角関係を描いたドラマ。片方の男には妻子があり、もう片方は若い独身男です。前者を演じるのが小林薫で、後者が綾野剛。
素晴らしいのは、満島ひかりが夫に別れたいと告げる場面。地団太踏むさまがあまりにリアルで、大人になれない女の悲しさが全身で表現されていました。満島ひかり、やっぱりいい女優です。
ただ、物語は彼女の良さを活かせているとは言えません。何よりの失敗は、これまた時間軸をいじりすぎてること。話が唐突に過去に行ったり、また現代に戻ったりするので、主人公たちが精神的に追い詰められているさまがストレートに伝わってこないのよ。しかも、映像に工夫が足りないせいか、ところどころ現在か過去なのか分からないところもあったりします。まあ、こっちの読解力不足なのかもしれませんが。
●共喰い
暴力を振るうことなしにセックスすることができない男を父に持つ高校生が主人公。彼は自分も同じタイプの人間ではないかと恐れながら生きているわけです。で、離れて暮らす母親、一緒に暮らす父の愛人、同級生である恋人などとの交流が描かれます。
この映画、すごく原作に忠実です。しかも主人公をはじめとする主要登場人物は、一人を除いて原作のイメージ通り。キャスティング担当者、いい仕事をしたもんです。
ただ、問題は、イメージに合ってない一人。それが誰あろう、父親を演じる光石研です。憎々しい男のはずなのに、粗雑だけど気のいいオッサンにしか見えないもん。演技力の問題ではなく、そもそも役柄に合ってないんじゃないかな。もっと狂気を感じさせるような俳優が演じれば、真実味が出たと思います。
他の役者たちはみんな好演していました。特に女性陣。田中裕子が素晴らしいのはいつも通りだけど、主人公の恋人を演じる木下美咲という女優さんが素晴らしいです。女の強さ、逞しさを見事に体現していました。父親の愛人を演じた篠原友希子も見事。かつての烏丸せつこを思わせるほどよいふくよかさが魅力的でした。
あ、そうだ。ひとつ違和感を覚えたのは、途中からやたらと「昭和の終わり=天皇の死」を語ろうとすること。これは脚本家である荒井晴彦の意図でしょうが、物語には馴染んでいないように感じました。
読み終えた本は2冊。こちらは両方ともオススメです。
●団地の女学生/伏見憲明
タイトルだけ見るとちょっとエッチっぽい小説みたいですが、実際には「何十年も前に団地の女学生だった女性」が主人公。つまり、孤独に暮らすおばあちゃんの物語です。人生の切なさ、どん詰まり感を描きながら「でも悪いことばかりじゃない」ってことが、さりげなく語られます。そのあたりの匙加減が見事。
表題作の他に『爪を噛む女』という作品も載っています(というか、こっちの方が長い)。有名なシンガーソングライターになった幼馴染と再会し、嫉妬に身を焦がしながらも尻尾を振ってしまう女性が主人公です。そういう立場になったら、そりゃ煩悶するでしょうねぇ。主人公の気持ちが痛いほど理解できて、ひたすら切なかったです。
●幕が上がる/平田オリザ
ものすごく爽快で清々しい青春小説。描かれるのは演劇に熱中する女子高生たちの日々です。彼女たち(少しだけ男子もいますが)があまりにも真剣で健気で凛々しいので、どうなるのか見届けたくて一気に読んじゃいました。いやはや、素晴らしいです。自分もこんな風な学生生活を送りたかった、と痛烈に思わせてくれる作品でした。
そうそう、姫野カオルコの新刊『昭和の犬』、発売になったそうです。読まなきゃ。
http://www.gentosha.co.jp/book/b6896.html
ちょっとテレビ情報を。明日の夜のNHK『SONGS』に泉谷しげる登場! 楽しみです。ただ、新しいアルバム『昭和の歌よ、ありがとう』は、あまりにも泉谷が歌ってる部分が少なすぎて物足りなくも感じました。泉谷のアルバムってことではなく「泉谷しげるプロデュース」とか「泉谷しげるプレゼンツ」とかにした方が良かったんじゃない?
http://www.nhk.or.jp/songs/
あと、月曜の夜には甲斐よしひろが明石家さんまの特番に出るみたい。
http://www.ntv.co.jp/program/detail/21824070.html

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